Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

既存造作棚の横に取り付ける造作家具について

一番町A邸

リフォーム工事進行中の千代田区一番町A邸の現場に、造作家具の第一陣が搬入され、取付けが始まるとのことで見学してきました。

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今回取り付ける家具は、ほぼ全て既存の造作家具やキッチンなどの隣に、サイズや扉デザインを揃えながら取り付ける、面倒な作業でした。難しい造作家具の組立てや、面倒な建具の吊り込みでお世話になっている根津さんが扱っているのは、既存キッチンの横に取り付けるトール収納です。

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このように既存キッチンの扉を外したユニットの横に下台を設置し、その後先ほどの写真の背の高い家具を乗せてゆきます。新しく作った壁に沿わせて組み立てる造作家具は、周りの壁の垂直や床の水平性の精度が高く信頼がおけるのですが、既存家具の隣となると、経年変化などで歪んでいることも多いので、細かい調整作業が大変なのです。

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この写真でも、扉が5枚の普通の靴収納のように見えますが、一番奥の灰色に見える扉は、新しく作って貰った箱と扉です。こちらは既存収納の枠形状がちょっと変わったつくりになっているので、それも合せた形で追加して貰っています。古い扉は取っ手を取り外して、全面にダイノックシートを貼って、全体を一体化させて見せる予定です。

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こちらは、現場を見ていて急きょ追加変更して付けて貰うことになった照明ボックスです。天井高さを稼ぐために、50センチ近くの段差がある折り上げ天井ですが、この部分にはダウンライトを埋め込むことができないことと、アゴを作って間接照明を作るとコストが掛かるので、このようなブリッジ状の照明ボックスを渡して、下向けにはレールと照明を、上部に向かっては間接照明を作って、上下共に照らす作戦です。

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洗面カウンターを設置する予定の壁には、吊戸棚を固定するための下地工事が行われていました。

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玄関ホールからリビングに入る建具は、大きな鉄製サッシを入れる予定ですが、そのための床掘り込みのフロアヒンジも取りついていました。第二陣の造作家具は、またしばらく経ってからの工事になりそうですが、そちらでもちょっと凝った家具をデザインしているので、完成が待ち遠しいです。