Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

トラバーチンを使った内装計画@六本木M邸

六本木M邸

本物の素材感を追求している新築マンションリフォーム六本木T邸では、トラバーチン(ぶつぶつ穴があいている独特の風合いを持つイタリア産大理石、またはトラバーティンとも書きます)を色々な所に使う計画です。

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ダイニングの正面壁には水磨きでテカリを押えたマット調なトラバーチンを、窓手前には植栽を置けるように、かつテラスとの中間帯としてのトラバーチン製式台を、テレビを収納するマントルピース型のニッチの甲板には本磨きのスラブ物を、玄関には濃い灰色の大理石スティングレーと併せてボーダー模様に張る予定です。

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それぞれ用途と見え方が違ってくるので、目地の色や幅、凹み具合を現場で確認しながらの作業となります。写真は判りにくいですが、目地材のサンプルを3種類、トラバーチンの間に挟み込んで、色味を確認している様子です。また、トラバーチンは本来、多孔質でポツポツ孔があいているのですが、埃が溜まらないように孔は同色のグラウト材で埋めて貰ったものを使います。

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こちらがトラバーチンを張るダイニング壁の下地状況です。トラバーチンの重さに耐えるように不燃の合板を張っています。どこを基準に張ってゆくかを示す墨が打ってあります。

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テレビを収納するマントルピース状のニッチの上部の甲板部分を差し込んでいる様子です。こちらは通常とは違ったサイズなので、スラブ材と言われる板状のものを事前に削り出したものです。あと2日ほど掛けて、トラバーチンとその他の石材を張ってゆくことになります。

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こちらが3日後の現場の様子です。トラバーチンの壁が張り終わっています。壁に張ったトラバーチンは、水磨きの特注品で、テカリ感をなくし、落ち着いた雰囲気にしています。目地の具合もお施主様に確認して頂きOKして貰いました。

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光と照明のあたり具体で色が変わって見えますが、こちらがダイニング側の壁全面に張ったトラバーチンです。適度な重量感がありながら、空間に上手く溶け込んでくれています。

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窓際には、トラバーチンを使った式台を作る予定で、こちらがその下地材です。床フローリング、壁のクロス、天井の塗装とそれぞれ違った素材が使われますが、トラバーチンを二面の壁に回り込ませたり、式台に同じ大理石を張ったりすることで、空間と素材を馴染ませる工夫をしています。

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玄関にはこのお宅のテーマ素材でもあるトラバーチンに濃い灰青のスティングレーをボーダーでデザインした床石が張られ始めました。

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先の写真にも床下地のベニヤ板に墨で位置が撮られていましたが、僕らが事前にデザインして渡して置いたスケッチ図に、どのようなサイズで石を切って張ってゆくかを石張りの職人さんが現場で置いていた図面です。デザイン図と実際の張り作業でズレが生じた場合に、どの部分で逃げるかや、枠との取り合いなどの細かい注意点がメモってありました。

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さりげない高級感と上質感が感じられる玄関になりそうです。

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リビングの窓際には、サッシの高さと合せた式台を計画していましたが、こちらも張られていました・横長の壁の石目地とどこを合せるを最後まで迷っていましたが、結局ズラして張りましたが、それほど違和感を感じなかったので、ひとまずホッとしました。

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床石が張り上がった後、お施主様が休日に現場に寄った際に、スティングレーの斑で気になる箇所が2箇所あるとの連絡がありました。現場に行った際に確認したところ、確かに油を垂らしたような斑がありました。天然石なので、このような問題が起こる可能性はお伝えしてありましたが、それでももし現場に余っている石で良さそうな部分があれば、交換して貰えないかとのことでしたので、余っていた石を並べて確認している様子です。

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ボーダー用に切ってあった石には、もっと大きな文様や黄色い斑が入っていたので、四角い真物からこちらで判断した面を切り取って貰い、張り直すことと致しました。