Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

高級オーダーキッチンの設計・打合せの進め方

南麻布K邸

プロの調理師を育てる料理学校で勉強し、アメリカ在住時には星付きのレストランの厨房で働いた経験もある南麻布K邸の奥さまとのキッチン打ち合わせの手順を紹介します。これまでに日本だけでなく、カリフォルニアや香港、シンガポールなどの高級賃貸マンションに暮らした経験豊富なTさまですが、使いやすいキッチンのある住宅に住んだことがないとのことで、初めてご購入なさったこちらお宅では、理想のキッチンを追及することとなりました。

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こちらは僕らが最初のヒアリングと、ほかの部屋広さの兼ね合いなどを考慮したうえで最初に作った素案のキッチンスケッチです。大きなL字カウンターがあり、トール収納を纏めたアイランド収納とミニシンクを備えたアイランドカウンターを組み合わせた超大型キッチンです。パントリー収納やキッチン家電の収納、さらにはウォールマウントの電子レンジや料理レシピ本の収納などの置き場所まで一通り考えて組んでみたものです。

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以前のブログでもご紹介した通り、これだけの大きさのキッチンなので、ある程度以上のサイズのキッチン作りをしたことがあるオーダーキッチン屋さんにお願いすべきと考えたので、ドイツ製の高級システムキッチンを作っているポーゲンポール、プロ向けの厨房も作っている北沢産業、そして建築家との大型キッチン作りに定評のあるアムスタイルを候補として挙げて、三社のショールームを各2~3度訪問いたしました。
いろいろな経緯がありましたが、最終的にお願いすることになったのはこちらのアムスタイルです。

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デザイン的にはオークの木目と白い大理石を中心とした清潔感がある構成になさりたいとのご要望が当初からあったので、アムスタイルでのこれまでの事例を参考にしながら、素材のサンプルを見せてもらいました。大理石については、設計側が事前いお施主さまに見せしていたカレカッタまたはスタトゥアーリオを探してもらうこととなりました。

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調理機器についてのこだわりはプロ級で、僕らだけの手には負えないレベルであることはわかっていたので、本当のプロの出張料理人の岸本恵理子さんにアドバイザーとして入ってもらっています。恵理子さんはイタリアで3年間料理修行をして、日本に戻ってからは流しの出張料理人として活躍しており、いろいろな住宅のキッチンを使っての料理を経験している珍しい調理人なのです。
なお、恵理子さんにはここまでスチームオーブンの使い勝手のテストなどにも立ち会ってもらっています。

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当初はリビングダイニング側に寄っていたキッチンですが、LDをもう少し広くしたいとのご要望が出てきたので一度あるところまで固まっていたキッチンプランを大きく2mほど動かすことになりました。築浅マンションなので床下や天井裏には寸法の余裕があるので、給排水やレンジフードからの排気などの設備配管・ダクトについては問題はないのですが、ちょうどキッチンの中心に上下階の貫く共用部分であるパイプスペース(略称PS)があるので、そのPSをどう処理するかは大きな問題になりそうです。キッチン位置がずれたことで、動線や収納の位置も変わるので、素案を設計側で作り直して、また、Kさまや恵理子さんの意見を聞きながらレイアウトを詰めている様子です。

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収納の適切な位置やバランスはとても重要です。大きなキッチンだからと言って、無暗に収納を作っても使いにくく、料理動線を考えながら、欲しいところに欲しいものがあるようなキッチン収納を考えています。シンク周りにはディスポーザーや食洗器、ごみ箱や洗い物に関連した収納が必要です。ガスレンジ周りにはヘラやトングといった道具類収納、スパイスや調味料などのストック置き場、沢山お手持ちの鍋類をしまう空間が必要です。写真はごみ箱収納の大きさを確認していただいている様子です。

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アムスタイルの営業・設計担当の宮本さんに、リフォームするマンションの現場にも来てもらいました。ぼくらのほうで設備位置や空間のサイズ等は事前にチェックしておりましたが、左手に見える窓台とキッチンカウンターの高さや管理組合側から指定があるディスポーザーの機種なども調べてもらいました。

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いざキッチンを箱に分けて搬入するときに困らないように、非常用階段の寸法もチェックしてもらいました。特に長くて大きいキッチンカウンターをどこで切り分けるかは、この搬入ルートの確認なしでは決められません。

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レイアウトについては、色々な視点で何度も繰り返し確認しています。奥さまが一人で簡単なランチを作るケース、ご家族でキッチンカウンターで食事をするレベルの夕食を作るケース、ご主人やお子さまが奥さまの料理をお手伝いするケース、来客時に本格的なフレンチを作って、お手伝いさんにも手伝ってもらうケース、恵理子さんのようなプロの出張料理人を呼んでパーティーをするケースなどを想定しながら、動線や収納の確認をして、微調整してゆきます。

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レイアウトが再度固まってきたので、仕上げ材をもう一度見直しているところです。カレカッタやスタトゥアーリオは、現在日本では手に入らないことが判ったので、僕らが以前から付き合いのあるソラーナ・アベニューとアムスタイルでお付き合いがある大理石屋さんの2本立てで、どちらか良い柄を見つけてくれた方から輸入してもらうことになりました。ただ、カレカッタは世界的に富裕層に大人気で、写真で確認して気に入っても、現金ですぐに買い付けをしないとすぐに売れてしまうとのことで、その分の費用だけは先に入金して頂くことになりました。

 

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