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プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マンション在来浴室の低騒音パッカー工法解体@南麻布K邸

南麻布K邸

200平米越えの高級マンションリノベーションプロジェクト南麻布K邸の解体での山場を無事超えることができました。

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上の写真はリビング+ダイニング+キッチンエリアの解体状況ですが、今回のリノベーション工事で最も問題になっていたのが浴室の解体でした。

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築浅のマンションだと浴室が特注のユニットバス(ユニットバスながら浴槽+水栓金物類は外国製で、内装はタイルまたは大理石張りで扉はステンレス枠に強化ガラスという仕様)で、いざ交換ということになっても比較的楽に解体できることが多いのです。ただ、今回のマンションでは2000×3500と超大型の在来工法浴室(直接壁と床に防水を施して作った浴室)でした。床はシンダーコンクリートで嵩上げされており、それをなるべく音を立てずにどう撤去するかが一番大きな問題だったのです。上の写真が解体前の浴室です。

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そしてこちらが無事解体が終わった浴室と手前の洗面の様子です。こうやって写真だけでビフォー&アフター(工事途中?)をお見せすると、簡単な工事のように見えますが、工事をお願いしていた工務店のの方でも、相当なプレッシャーだったようです。
事前にマンション管理会社から、工事騒音のクレームが近隣住民の方々から来た場合は工事をストップして貰うことになると注意されていましたので。

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解体状況をよく見ると、壁と床に穴が無数に開けられています。実はこれが無音(小音)で在来浴室を解体する鍵なのです。低騒音、低振動、無粉塵と良いこと尽くめの解体工法、パッカー工法を使ったのです。

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床にも丸い穴の跡がうっすらと見えると思いますが、まずはコア抜きマシンで40~50センチおきにシンダーコンクリートに孔をあけてゆきます。コア抜きも低騒音&低振動での工事が可能な工法です。そこに、油圧を駆動力としたパッカー(圧砕機・セリ矢)を差し込んで、コンクリートにヒビを入れて割ってゆくという工法がパッカー工法なのです。

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きれいに床を清掃した後の様子ですが、コア抜き穴が開いており、きれいに上層のシンダーコンが撤去されているのが判ります。ちなみに、ここではシンダ-コンクリートは2層打たれていたようです。まずは躯体の上に防水があり、その保護のためのモルタル。勾配を取ったそのモルタルに上に再度防水が施され、その上にタイル下地を作るための嵩上げと断熱を兼ねた発砲スチロールとシンダーという構成です。写真で見える管は床に埋め込まれていた給水の管です。
このようにみるとパッカー工法は良いこと尽くめに見えますが、一番の問題は実はスケジュールなのです。通常の斫り工事で解体すれば、2日ほどでこの程度のコンクリートをハツることができるのですが、パッカー工法だとコア抜きで2日、パッカー作業でまた3日ほど掛るので、その分日数が必要になり、現地に入れる機器も多く、費用も増えてしまうのです。
しかし、何とか近隣からのノークレームで在来浴室の解体を終えることができ、工務店&設計陣は本当にホッと致しました。

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きれいに清掃された浴室跡地(?)に特注のユニットバスをお願いしている東京バススタイルの眞柄さんと和久田さんが実測、打合せに来てくれました。一部床がシンダーコンではなく鉄筋が入ったコンクリートで解体できなかった箇所があったり、天井にも梁が通っていたりと、不規則な部分もあったので、そこをどのように納めてゆくかを青の片岡社長と現場監督の八木さんにも立ち会ってもらい相談させて貰いました。

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こちらは浴室の天井の様子です。上階の浴槽部分の荷重を受けるための小梁が設置されていました。大型浴室になると、通常のガス式浴室乾燥暖房機一台では十分な熱量が確保できないので、2台設置することもあるのですが、ダクトの梁貫通箇所が限られているので、ここでは当初と同じく一台設置しかできないことが判りました。洗濯物を乾燥させることは難しいですが、浴室の湿気を取るために使って頂くことになります。

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こちらは採寸が終わった後に左官屋さんに穴や割れた個所の後をモルタルで補修して貰った様子です。

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ここまできれいになっていると、特注ユニットバスを入れる際にも工事が楽になるハズです。

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浴室以外の箇所も順調に解体工事が進んでいます。こちらはキッチン箇所の解体状況です。中央に黒く縦にとおっているのが、上下階を貫通している共用の排水竪管です。

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2本の竪管に加え、エアコンのドレイン排水の管も通っています。ドレイン排水管は途中で少し曲げることができそうですが、黒い共用竪管は動かすことができません。ちょうどキッチン中央を通るので、どのような形で処理するかをキッチン屋さんも交えて相談してゆく必要があります。
以前にお手伝いした杉並区S邸のリノベーション工事でも、キッチン内部の竪管処理を行った経験があります。

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排水の共用竪管の足元の様子です。元々はこの場所にキッチンとユーティリティー、トイレがあったので、それらの排水をスムーズに通すために、竣工当初から床コンクリートスラブ(床板のこと)が一段下げられていたことが判ります。これは竣工図に記載があった通りです。トイレを移設することになっているので、こちらの竪管に排水を結ぶか、あるいは反対側にある浴室側の竪管に排水を結ぶかを設備屋さんと打合せすることになりました。

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リビングダイニングの天井ボードも完全に撤去され、これまで隠されていた怪物のようにウネって走るエアコン3台とキッチンの排気ダクトが現れました。エアコン機械のメンテナンス用に必要となる点検口の位置を再度確認しながら、天井のデザインも再考してゆく必要があります。

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清掃中の現場の様子です。青の現場は、解体後に濡れたモップを使ってで全てを水拭きしてくれるので、埃っぽさが全く感じられない、とてもきれいな現場になっています。共用部(共用廊下やエレベーター、地下駐車場ロビー)も管理側から厳しく言われいてるので、専用に清掃の人を常駐でつけて貰って、毎日掃除をして貰っています。

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最後はパノラマで撮影した、リビングダイニングからキッチン、個室側を見た現場の様子です。
ここからは墨出しをするとともに、隠れていた設備機器や配管・ダクトルートを再調査しながら、デザインを再検討してゆく作業になります。

 

 

 

 

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