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プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

超高級大理石のスタトゥアーリオの石取り・柄合わせ

南麻布K邸

キッチンのシンクカウンター背面に大きな壁面として見えてくる、超高級大理石スタトゥアーリオが中部地方の石材屋さんに入ってきたとのことで、この大理石の発注もお願いしているオーダーキッチンのアムスタイルの担当、宮本さんと一緒に石材屋さんを訪問してきました。

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今回の南麻布K邸のクライマックスともいえる重要個所ですので、スタトゥアーリオの状態の確認とどこをどの部分に使うのかの決定をするために石取りの作業も行って参りました。

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アムスタイルがお願いしている石材屋で、名前や場所を記すことができませんが、中部地方の田舎に膨大な面積を誇る敷地を持ち、この写真のように大量のスラブ材(カットする前の板状の石材)やブロック材(板状にスライスする前の無垢の塊材・原石とも呼ばれています)が置かれ、それらを移動するための大型クレーンが並んでいました。

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こちらが奥にラフに置かれていた大理石のブロック材です。貴重な石種のブロック材だと末端価格にすると数千万円もの貴重なものもあるそうです。

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今回僕らがお願いしているスタトゥアーリオは、大きな倉庫の中で通路を挟んでこのように左右に並べられていました。3600×1800ミリサイズのイタリアから直輸入した大判スラブ材が8枚並んだ様子は壮観です。
イタリア・カラーラ地方で採れる白系の大理石は、一般にビアンコ・カラーラと呼ばれています。その中で白い部分が特に白くて透明感があるものがカレカッタ、さらに灰色も強い模様が流れるように入っている物が最高品種のスタトゥアーリオです。石を掘り出して、カットしてみた時点で石材の名前が確定されるような、ちょっと曖昧なもののようです。
全世界の富裕層に大人気の大理石で、最初にカラカッタかスタトゥアーリオを探し出した際には、日本には全く在庫がなく、アメリカや欧州のお金持ちのお宅にどんどん買われていってしまうことが判りました。最終的にはイタリアの大理石マーケットに代理人を置いている、アムスタイルの付き合いのある石材屋に、即金支払いで購入して貰ったという経緯があります。

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そして、これまで写真でしか見ていなかった石材との対面です。石材のプロである石材屋の担当スタッフが、事前にひびが入っている個所や、カウンター材として使った場合に強度的に心配がありそうな部分をマーキングしておいてくれていました。
スタトゥアーリオは白い部分の白さとクッキリとした灰色の模様の流れが最も重要なので、端っこですがこのアップ写真でも十分に良質な大理石であることが判ります。

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宮本さんが事前に渡していた図面をベースに、ラフに石取りをして貰っていたものを確認している様子です。石取り(割り付け、柄合わせ、墨出しとも言うそうです)とは、設計図を元に、スラブ板に対して最適な切断位置を決める位置取りのようなものです。特にシンクカウンター前はブックマッチ(柄が中心の割り付け線で左右対称になる合わせ方)で仕上げて貰うので、数センチ石取りが変わるだけで大きく見えてくる柄のイメージが変わってしまいます。
以前アムスタイルのショールームで、お施主さまと一緒にブックマッチのイメージを考えていたので、ある程度の目安はありました。ただ、一枚の材が大きすぎるとマンション内での搬入が難しかったり、残った材料を何かに使えるか等も影響してゆくので、慎重に石取りのテープを何度も張り直してもらっては離れてみることを繰り返しました。

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ブックマッチとして取れるのは1セットしかありませんでしたので、まずはその個所を決めてゆきました。「1-右」とあるのがキッチン正面に向いて右に見えてくる壁材です。「B1」や「B2」は余った材で柄がきれいな箇所を洗面所やWICに使うために仮取りしている物です。

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2時間ほどの作業を重ねて、ようやく全体の石取りが完成した様子です。スラブ材の厚みが20と30ミリの2種類があって、薄い方のスラブ材はアイランドカウンターに使うことになっています。カウンターでも小口まで石材の模様が流れるように45度カットして合わせるようにお願いしているので、所々に細い材料が取られています。

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一通りの作業が終わったところで、石材屋事務所の打合せ室で、そこまでに決まったことのおさらいをいたしました。

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思えば、このような写真だけで500万円以上もするようなスタトゥアーリオのスラブ材を7枚発注したのが約半年前で、ようやく片思い(?)だった現物に出会ってその肌理の美しさを見ることができましたが、結構長い道のりでした。

 

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