Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ブラケット照明のあるシックな廊下

南麻布K邸

南麻布K邸は200平米超の大型マンションリノベーションプロジェクトです。当初から、空間全体の雰囲気を統一するより、その場所場所にあった雰囲気を演出して欲しいとのご依頼を受けておりました。特に廊下部分は、明るく開放的なLDKとそれぞれユニークな空間的特性を持つ個室群を繋ぐスペースなので、少し暗めで落ち着いた空間にしたいとのご要望がありました。

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こちらが完成時の廊下の様子です。ウォールナットの羽目板(はめいた:特定のサイズの木製板をリズム感を持って張ったもの)と、羽目板に目地を合わせて作った同材の建具を並べ、その間に等間隔でブラケットライト(壁付け照明)を並べました。
床材も、LDKや奥の寝室と同じフローリングをボーダー(縁取り)として使い、真ん中にはダークグレーのシックな大理石を敷いています。

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施工としては羽目板や、目地を合わせた建具の製作と吊り込み等、難しい技術が山盛りでしたが、僕ら設計側で一番苦労したのは、ブラケット照明でした。日本にはあまりブラケット照明の文化がないのか、この廊下空間に適したシックでかつスタイリッシュな器具が見つからなかったので、アメリカの高級照明ブランド・Kevin Reilly(ケビン・レイリー)の壁付け照明を直輸入することになりました。
事前にアメリカの会社に直接問い合わせて、価格や発送までの納期、カラーや取り付け方法を確認していたのですが、簡単なポンチ絵のような取り付け方法しか 描かれておらず、どのように取り付けるのかが良く分からず、またアメリカから発送される時期は分かっても、日本にいつ到着するのかは不明、さらに関税がど のように掛ってくるのか、また日本で使う照明機器に必要なPSE認証(電気用品安全法に適合したことを示す認証)をどう取得するかなど、クリアすべき問題ばかりでした。

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アメリカ在住の建築家の友達に最初のコンタクトを取って貰い、何とか施工側で必要なスケジュールで日本に製品が届きました。早速、施工をお願いしている青の片岡さんに事務所に来てもらい、照明器具の梱包を解いて実物を見ながら取り付け方を一緒に研究して貰いました。
その後、PSE認証については、日本に外国製照明器具を入れている輸入業の知り合いにPSE取得のお手伝いをして貰うことで何とかクリアすることができました。

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5つ分を現場に運んで、足りない部品や壊れている個所がないかを確認している様子です。実は、このタイミングで一つの器具に不具合が見つかり、急遽PSE認証をお願いした照明器具専門店に持ち込んで修理をして貰うことになりました。

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仮に取り付けて貰ったものを点灯した際の様子です。まだこの時期には、最後の一個の修理が終わっていなかったので、4つしか取り付いていませんでしたが…。
お引渡し時には、最初の写真にあったように何とか間に合わせることができました。ただ、工事期間が新築住宅に比べて短いマンションリノベーションでの、アメリカ直輸入の照明器具採用の難しさを実感致しました。しかし、最終的に出来上がった空間の仕上がり感は格別で、お施主さまがとても喜んでくださったことで、途中の苦労もすべて吹き飛びました!

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