Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新プロジェクト 赤坂S邸リノベーション計画の調査解体

赤坂S邸

昨年ご相談を頂いた赤坂のマンションリノベーションプロジェクトS邸ですが、現地確認やリフォーム提案などを経ていよいよプロジェクトが具現化してきました。

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築年数は十数年ですが、エントランスロビー部分はスタイリッシュにリノベーションされているのですが、Sさまがご購入なさったお部屋は元々の賃貸仕様のままでした。

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築十数年の100平米超えのお部屋なのですが、元々は1LDKの間取りとなっています(一般的なマンションであれば、100平米あれば2~3LDKの間取りとなります)。

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その分、キッチンの通路部分が広かったり、

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玄関や廊下が広く、広さがあまり有効活用されていないことで、お施主さまのSさまは全面リノベーションを決意なさったそうです。

リフォーム提案-2

ご家族が3人なので、2LDKにしたいとのことで、上記のようなリフォーム案を2案考えてみました。各寝室の構成はほぼ同じですが、キッチンのレイアウトや水回り・収納の位置は細かく調整してみました。

リフォーム提案-2

B案のイートインカウンターとキッチンが一体化したようなリフォーム案で進めたいとのご意見を頂いたので、その使い雰囲気が判るように立体的なスケッチを描いてみたものがこちらです。

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比較的築浅(築10年ちょっと)だと竣工時の図面もすべてCAD(コンピューターで書いた図面)化されており、優秀なゼネコンが作ったマンションであれば、図面と建物の一致度が高いので、ほぼ図面通りに建物が作られています。ただ、それでも細かい設備配管のルートや壁・天井裏や床下には不確定要素があるので、Sさまに実費を出してもらったうえで、大工さんに半日現地に入ってもらい、調査解体を行いました。壁のボードを部分的に撤去して貰った様子ですが、外壁側はきちんと吹き付けウレタンで断熱されていることが確認できました。

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判りにくいですが、洗面所の壁の位置と浴室の壁の位置がズレていたので、浴室の裏に使われていないスペースがあることを、壁に穴をあけて覗き込みことで確認いたしました。

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キッチンのレンジフードのダクトのルートと、天井段差の理由を探るために、キッチンの天井もボードを割いて貰いました。

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天井と壁で合わせて8か所ほど開けて貰い、孔から内部を覗いて図面通りに作られていることや、

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図面だけでは分からなかった配管ルートなどを探ることができました。R0050752_pt

こちらは非破壊検査でわかる箇所ですが、ベランダのガス給湯器の下のカバーを外した内部の様子です。リフォーム前は追い炊きや床暖房がありませんでしたが、外壁にコアを開けずにそれらの配管を室内に引き込むことができるかをチェックいたしました。写真で、オレンジ色の配管が壁に刺さっている個所は、当初から躯体に開けられていた開口部なのですが、この隙間にさらに何本かの管を貫通させそうなことも判り、管理組合に諮らなければならない大きな工事をせずに、お施主さまのご要望を満たせることが判りました。

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こちらは実測調査後に行った、お施主さまとの打合せ風景です。マンションロビーとお部屋のインテリアのギャップが大きかったので、室内側にもある程度のグレード感が演出できる大理石やタイルを使うべきだと思っていたので、それらのサンプルを見て頂きました。