Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

高級マンションリノベーションのビフォー&アフター@南麻布K邸

南麻布K邸

200平米越えの超高級マンションを全面リノベーションした南麻布K邸。お引渡し前後にようやく写真撮影ができたので、リノベーションの前後を比べるビフォー&アフター形式で、デザインのポイントを説明いたします。

南麻布T邸_B&A-02

まずはリビングダイニング空間です。上がリノベーション前で、下がリノベーション後です。工事前の空間でも、きれいな無垢チークのフローリングがふんだんに使われ、同じチークで合わせた木製ブラインド、レザー張りの建具と高級感は十分に感じる空間でした。ただ、床壁天井のデザインは、部屋のどこでもほぼ一緒で、照明も全体を明るく照らすだけのユニバーサルな空間(どのような用途にも使えるフレキシブルな空間)でした。
リノベーションで、間取り的にはキッチンを隠していた壁を取り去って、キッチンをオープンに変えています。空間的には、天井のデザインをダイニング空間(窓際)は白いカラーガラス張りにして、リビング部分はエアコンの点検口が多数あったものを隠す木製パネル張りに変更して、リビングエリアとダイニングエリアを明確に分けました。部屋の奥のニッチにも造作家具を作って、隣の柱形部分も含めて大きな家具のように見せるデザインとしています。家具類も、レザーにファブリック、大理石にアンティーク調の木と手触り感を変えながら、多様な過ごし方ができるように工夫してみました。

南麻布T邸_B&A-05

次はキッチン空間です。元のキッチンは、洗濯機のあるユーティリティーの奥にありました。大きな窓に面した明るいキッチンでしたが、広さの割には収納も作業用のカウンタ―スペースも不足気味でした。リノベーション後のキッチンは、部屋一つ分奥まで拡張して、アイランドカウンターとペニンシュラ(半島型)カウンターを設けています。従来は黒と白のカウンターでしたが、新しいキッチンでは、ガスレンジ周りはステンレスカウンター、シンク周りとアイランドは撥水加工を施した大理石、調理機器を置く予定のペニンシュラ部分は陶器カウンターとしています。吊り戸棚が少ないのは、前後ともに同じですが、トール収納(下から上まで続くカウンターがない収納)を増やし、収納量を確保しています。

南麻布T邸_B&A-12

キッチンからLD方向を見返したB&Aの比較写真です。小さなお子さま(5歳)がいらっしゃるお宅ですので、子供の様子を見ながら調理をするには、オープンキッチンが望ましいので、このような解放感を持ったキッチンになりました。リビングダイニングと空間的に繋がっているので、扉のデザインもリビングから順に木製框扉から木製フラッシュ扉(装飾のない扉)、そして機能的な塗装扉へと、奥に行くにしたがって機能性を重視したデザインとしています。

南麻布T邸_B&A-14

こちらは主寝室のB&Aです。サイズはほとんど変わっていませんが、天井高さは20センチほど上げることができました。塗装仕上げで取っ掛かりがないツルンとしてベッド背面の壁は、パネル状にデザインして陰影をつけてみました。全般的に明るさを確保するだけだった照明も、ベッドサイドにガラス製の小型シャンデリアを吊るし、編んだレザー製のベッドの質感を強調しています。2枚の引き戸の奥にはウォークスルー型のクローゼットが続ています。

南麻布T邸_B&A-08

ウォークイン・クローゼットとウォークスルー・クローゼットのB&Aです。リノベーション前のクローゼットは単純にハンガーバーと枕棚(バーの上の板状の棚)だけのシンプル(つまらない)デザインでした。リノベーション後のクローゼットは、収納部分を木製の造作家具で作り、収納するものに合わせて、ハンガーバーや引き出し、扉付き収納や可動棚などに変えて、使い勝手が想像できるような作りにしています。照明も、クローゼットに掛った洋服をきれいに見せるアングルで照らすことができるようにしています。

南麻布T邸_B&A-10

リフォーム前はファミリールームだった空間(竣工時から前のオーナーが一度前面リフォームしていました)を、一部をキッチンに、奥にあった空間をご主人用の書斎へと間取り変更しています。一人用の書斎ですが、背面収納は機能性だけでなく、小物を飾れるように間接照明やレザー張りの棚板などを設けています。書斎テーブルも特注品で、コンピューターの本体が完全に隠れるようなデザインとしています。

南麻布T邸_B&A-07

パブリック空間とプライベート空間を繋げると同時に、区分けしている廊下もデザインを大きく変えています。元々は床仕上げも壁・天井仕上げもリビングと同じものでしたが、リノベーション後は床材のセンターを大理石張りとしています。壁もウォールナット羽目板に壁付けのブラケット照明で、少し暗めのシックな空間に変えています。ここを通ることで心理的に気分転換できることを考えています。また、南北に長い空間の分節点にあたるので、片側にベンチを設け一休みできるようにしました。

南麻布T邸_B&A-13

今回ご紹介する最後のB&Aは玄関です。共用部の内廊下と同じようなデザインで、どこから室内に入ったのかが実感しにくい空間だったので、3種類の大理石に鉄製フレームで囲った造作家具などを配置して特別感を演出しています。円形の特殊照明や間接照明、まぶしさを感じにくいグレアレス照明と3種類の照明器具を使って、それぞれの要素を演出しています。

 

ページトップへ戻る