Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

完成予想CGと素材とディテール@西麻布N邸

西麻布N邸

スケジュール的な余裕とお客さまからの強い要望(実際にはそれに加えて外注でお願いする費用も)があれば、ある程度リノベーション設計が進んだ時点で完成予想CG(コンピューターグラフィックス)を作って、お客さまにご提示するケースがあります。

延べ床面積が230平米ある、こちら西麻布N邸のお客さまからは家具や照明などの細かい事もCGを見たうえで決定したいとの強うご要望を当初から頂いていたので、素材のイメージを固める当初の段階からディテールまで検証したうえで、このようなCGを作って貰っておりました。
例えば、このCGの右奥に見えている真鍮で目地を取ったうえで、大理石をランダムに張っているデザインをCGで作ってもらうためには、

具体的にこの程度の素材を決めた上で更に、

大理石と真鍮目地の凹凸(今回のケースでは、目地棒をチリ1ミリほど大理石パネルより出っ張らせています)やコーナーの納まりまでを考えたうえで、外注のCG会社にお願いしております。

当然ながら、ここまで持ってくるためには、幾度も素材やプランについて、お客さまと打ち合わせを重ねて参りました。初めてできたCGをお見せすると、Nさまもとても喜んでくださいましたが、見慣れてくるとその中に好きでない要素が見つかってきたり、色味を変えて欲しいといった微修正のご依頼が重なってきます。上記のCGができるまで、4度ほど作り直しをして貰っています。

こちらが階段の反対側から見たアングルのCGですが、まだ階段の形状や手すりのデザイン、天井の照明配置などが間に合っておりません…。CGを作ると、どうしてもそのCGイメージに対するお客さまの満足度を高めることが目の前の目標になってしまいがちなので、実際の素材探しやディテール設計が後回しになってしまいがちなのです。
CGに入れ込んでいる置き家具についても、実際にミノッティやフェンディの家具をお客さまに見てもらった上で、仮に落とし込んでもらっております。

ただ、今回はスケジュールの縛りもありますし、二社での相見積をとのご希望でしたので、担当スタッフの前田君が全ての建具とその枠廻りについて、このような詳細スケッチを作ってくれております。

CGイメージを作っていない空間についても、(この場合は来客用トイレですが)具体的なタイルやカウンター素材も検討を重ねています。図面も一通り揃ってきたので、次の段階で二社にずれたタイミングで現場に来てもらって、現調と図面の意図を説明したうえで見積りを作って貰う段階に入ってゆきます。