Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新規プロジェクト:スケルトンからスタートの千代田区M邸

千代田区M邸

コロナの自粛期間前から新規プロジェクトの千代田区M邸リノベーション計画がスタートしています。

千代田区M邸_解体現地調査

代々木I邸と似たようなケースで、こちらのお客さまもここまで弊社ではない設計事務所にリノベーション設計を依頼して、施工会社の見積りの承認、マンションへのリフォーム工事の申請を経て、解体工事もここまで進んでからの方針転向で、弊社にご相談がありました。

千代田区M邸_解体現地調査

実は、お客さまのMさまご夫妻は、以前より弊社ホームページをご覧下さっており、リノベーションをするならカガミ建築計画にと考えて下さっていたそうなのですが、ちょうどこちらのヴィンテージマンションをご購入なさったタイミングで、仲の良い友人から建築家を紹介されて、ぜひこの人を使ってあげて欲しいと依頼をされてしまったそうです。

千代田区M邸_解体現地調査

お会いしてみて、悪い方ではなく、熱心で誠実に取り組んでくれそうだったので、自分たちがデザインをリードしていけば、何とか上手くできるのではと考えてスタートしたそうです。

千代田区M邸_解体現地調査

元々Mさまご夫妻は、これまでも幾度か住宅を作ったことがあり、共にインテリアに興味があり、ヴィンテージ家具が大好きという共通点があります。お二人のインテリアや素材に知識も、一般の方のレベルをはるかに超えており、その建築家も知らないことばかりで、却ってお二人で色々と教えてあげているような状態だったそうです…。

千代田区M邸_解体現地調査

似たテイストをお持ちのお二人ですが、細かく考えてゆくと、機能重視のご主人さまとデザインや素材&色味重視の奥さまとで違う考え方があるとのこと、お二人が悩み始めると、それまで受け身だった建築家はさらに受け身になってしまい、全く新しい提案が無くなってしまい、このままでは先に進むことが難しそうだとのことになってしまったそうです。

千代田区M邸_解体現地調査

ただ、一部鉄筋コンクリートの壁を撤去したいと考えていた部分は、構造設計のチェックもして貰っており、マンション管理組合への申請も進んでおり、施工業者も信頼できる会社だったので、とりあえず解体工事までは進めて、そこから先はまた考え直そうとのことで、この写真の段階まで進んでいたそうです。
ちょうどこの写真の床が凹んだカ所の左側一列が鉄筋コンクリート造の壁を解体した跡です。

千代田区M邸_解体現地調査

この写真の壁中央部も、リフォームの間取り案を実現するために、きちんと申請をして壁解体を行ったそうです。
ただ、解体工事の最中に、どうしてもこの先が不安になったそうで、一度ここまでの作業を精算しようとの考えに至ったそうで、建築家と施工会社に連絡を取って、ここまでの費用を支払うので、すべてをストップしたい旨お伝えしたそうです。

千代田区M邸_解体現地調査

ストップができたことを確認の上、弊社にご連絡を頂き、この調査の1週間ほど前に事務所に一度いらしてご相談をさせて頂きました。こちらであれば、どのような対応ができるかをお伝えしたところ、ここまで変な形で進んできたプロジェクトですが、ぜひ一緒に進めさせて貰いたいとのお話があったので、この日に現地を確認させて頂きました。

千代田区M邸_解体現地調査

解体工事は、本当にきれいで、コンクリート壁の解体も上手でした。唯一、お風呂場だったこの箇所が謎の解体がされており、こちらもどう対処すべきか悩んでおります。

千代田区M邸_解体現地調査

実はこのマンションの違うお部屋のリノベーションのお手伝いをしたことがあったので、マンションの設備や構造のことはある程度分かっておりましたが、その際もここまでフルスケルトンでの工事ではなかったので、改めて水回りの床スラブの段差の考え方等、色々と考えることがありました。

千代田区M邸_解体現地調査

一週間前にお目に掛かった際に頂いていた既存図の資料に、こちらが考えたリフォーム案を落とし込んで、どこにどのように空間を作ってゆくのかのイメージをシェアさせて頂きました。

千代田区M邸_解体現地調査

実は奥にある二つの寝室だけは、再利用できるかも知れないとのことで、このように残されていましたが、僕らがご提案したリフォーム案では、これらの寝室も作り直す考えでしたので、改めての解体工事の際には、こちらも取り壊させて頂くことが決まりました。

千代田区M邸_リフォーム案-1

オープンキッチンのある光と風が通り抜けるLDKが特徴の気持ちが良い空間が実現できそうだと、Mさまご夫妻もとても喜んでくださっています。