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プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

提案型左官の原田左官ショールーム訪問

千代田区M邸

千代田区M邸の壁仕上げの相談で、文京区千駄木にある左官業界の雄、原田左官工業所のショールームを訪問させて頂きました。

原田左官工業所のショールーム見学

以前より、左官なら原田左官とは聞いておりましたが、中々お仕事をご一緒する機会がありませんでしたが、僕らより先にお客さまのMさまご夫妻がこちらを訪問して、自宅の漆喰等の左官は原田左官にお願いしたいとのお話しがあったので、急いで予約をしてお話を聞きに行って参りました。

原田左官のショールーム見学

当日は、ここまで幾度かやり取りをさせて頂いた担当の江口さんだけでなく、社長の原田さんまで同席して、色々とご案内してくださいました。

原田左官のショールーム見学_コンクリート打ち放し風壁仕上げ

最初に拝見させて頂いたのは、コンクリート打ち放し風の左官仕上げでした。

原田左官のショールーム見学_コンクリート打ち放し風壁仕上げ

店舗などでの実績が多いそうですが、石膏ボードの上からコンクリート色の左官材を仕上げ、Pコンの孔や、型枠の目違いやジャンカ風なテクスチャーまでをわずか3ミリの塗り厚で再現できるとのことでした。

原田左官のショールーム見学_コンクリート打ち放し風壁仕上げ

こちらの杉板型枠風となると、もう少し塗り厚が必要で、6ミリほどとのことでしたが、間近で見てもフェイクとは分からない精巧な仕上げでした。ただ当然ながら触ったり、トントンと叩いてみると重量感がなく、中空の音がするので、偽物であることが分かりましたが。

原田左官のショールーム見学_コンクリート打ち放し風壁仕上げ

当然、このような竪型の杉板型枠打ちっ放し風もできるそうです。

原田左官のショールーム見学_磨きコンクリートブロック

コンクリート調の壁を作りたいといのがお客さまMさまのご希望なので、他にどのようなことができるかを聞いてみた所紹介されたのが、このコンクリートブロックの削り出し仕上げです。

ショールームの外部に大きな面で試し施工したものを積んでいるとのことで、そこで磨いたコンクリートブロック(中央)と、磨かない通常のコンクリートブロック(右側)とやはり磨いていない重量ブロック(左側)を比べさせて頂きました。手前においてあるのは、暫定的に決まっているフローリング材とアントリーニショールームで購入することが決まった玄関タタキ用の緑色の大理石です。

具体的に探していた素材は上記のものまででしたが、今後の他のプロジェクトの為に色々な素材を教えて頂きました。こちらは、版築風の仕上げです。

こちらのカラフルな石材は、最近また復活してきた人研ぎ(ジントギ(人造石研ぎ出し))の為の骨材だそうです。

左官仕上げながら水回りにも使えて、割れにくい素材として急速に有名になった素材としてモールテックスがあります。原田左官でも勿論モールテックスを施工できるのですが、似たような性質をもつ素材で、イタリア製でもっとカラフルな仕上げが可能なオルトレマテリアという素材も教えて貰いました。

こちらは屋外にも使える金属調の光沢感を持つ左官材、ミダスメタルです。

実際に金属の粉を90%ほど調合しているそうで、光沢感だけでなく錆びなども表現することができるユニークな素材です。ただ、残念ながら原田左官ではもう扱っていないそうです。

その他、漆喰のことや、このブログでは紹介しきれない様々な魅力的な左官材を教えて貰いました。こちらはショールームすぐ横にある工房で、こちらに若い職人さんたちが何人もいて、左官の腕を磨くと共に、新しい左官材の地平を広げるために、日夜実験を重ねているとのことでした!本日はご案内、どうもありがとうございました。