Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ライブラリー本棚その他の造作家具設置

六本木N邸

竣工お引渡しまであと少しとなった六本木N邸の現場では、急ピッチで残りの造作家具や建具が取り付けられています。

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最も難しい工事なのが、このライブラリー空間の本棚設置です。天井いっぱいの高さでフィラー(造り付け家具と建築工事の壁や天井との隙間を埋める材料)を最小限にしてもらった上、そこに照明などのスイッチが絡むので、電気の線を通しながら設置してゆくというハードルが高い取付工事です。

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上下二段に分かれている書棚はこのように下段を設置した後、上段を乗せてゆきます。一本で作ってきたものは、折り上げで天井高さが高くなった部分で起こして、平行移動しながら設置してゆきます。

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ライブラリー背面に当たる洗面所のカウンターとメディスン・キャビネットも設置され始めました。メディスン・キャビネットの一番右はここに現場でカラーガラスが貼られるので、下地のままで現場に届いていました。

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ライブラリーと洗面所の間仕切り壁のディテールです。洗面カウンターと背面壁の立ち上がりは同じ厚さの大理石(グリジオ・ビリエミ)を使っているので、このような段差が見えてしまいます。引き込み建具の面に合せて、焼き付け塗装して貰った鉄の板を張って隠してもらう予定です。

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この洗面所の背面には、家具扉で隠した冷蔵庫が付きます。現在日本製では、キャビネットと仕上げを揃えられる冷蔵庫がないので、ドイツ製のリープヘルの冷蔵庫をオーダーしました。キッチンと洗面が離れているので、お風呂上りのビールや栄養ドリンク、美容液などを保存しておくために使いたいとのことでした。

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洗面所はもう一つ奥さま専用のものが寝室隣にあるのですが、そちらのカウンター設置も進んでいます。メディスンキャビネットの下に付けるLED間接照明の電源を電気屋さんが接続中でした。

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こちらにも背面に収納があります。シャワーを浴びる際に脱いだ衣服用の籠や、下着類をしまう引出、リネン等の収納も充実しています。共用の洗面所は灰色ベースのマニッシュなカラーリングなのに対し、こちらは奥さま専用なので、ベージュを基調の優しい雰囲気としています。

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寝室横の家族用トイレにも洗面カウンターが設置されました。壁付けの水栓の取り付け下部部分にはカラーガラスを使っています。DSC_1031_pt

廊下ホールからリビングへのウォールナット張りの特注建具が届いていました。とても立派な作りでしたが、現場側の伝達ミスで、ウォールナットにブラックオイルを二度塗りすべきところを、素地を鏡面に仕上げたものを作ってしまったので、残念ながら持ち帰って、塗装し直して貰うことになってしまいました…。

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大理石張りの廊下ホールの折り上げ天井です。LEDの照明がきれいに回っていることを確認いたしました。

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キッチンにはお施主さま支給の新しい冷蔵庫が届いて、設置されていました。通常のキッチンカウンターの奥行きは65センチで、今回のような大型冷蔵庫の奥行きは73センチでなので、このように揃えるのは難しいのですが、今回は事前にその差分だけ壁を削り取っているので、ほぼフラットに仕上げることができています。

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キッチン入り口の収納家具です。左側部分は鏡を張る予定で、家具のフレームが回っているようなデザインに仕上げるために、このような作りとしてもらいました。

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ダイニング横からみたリビングの工事状況です。天井も折り上げの間接照明も仕上がって、正面のテレビ置き場の造作の打ち合わせの打合せ中でした。冷蔵庫と一緒に施主支給の洗濯乾燥機(ミーレ)も届いていました。

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リビング側からキッチン側を見たアングルの写真です。正面には、左右にある引き戸と高さを合わせた、クロス張りのパネル仕様となっています。折り上げ天井の立ち上がり部分に取り付けた、冷暖房のブリーズライン(吹き出し口)もきれいに隠れています。これだけ広い空間になると、床と天井をきれいな面として表現することがインテリア空間を設計する上での重要なポイントになるので、吹き出し口を上手く隠せたことで空間がすっきり感じられます。

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ダイニングからキッチン入り口の引き込み扉の納まりディテールをチェックしている様子です。表に張ったクロスが灰色で、建具も揃えた灰色なのに、こちらの指示ミスで小壁で白い部分が残ってしまったので、リフォームキューにお願いして手直してもらうようお願いいたしました。

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廊下ホールの大理石壁を照らすアッパーライトの具合を、リフォームキューの岩波さんと確認しました。

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LEDは白熱球やクリプトン球と比べて、輝度が高く、直線に明かりが進む特徴があるので、壁際に立つとまぶしいことが判ったので、上部に置くガラスに半透明のフィルムを張ってもらうこととしました。

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壁に張った大理石・アラベスカートを細く切って、リビングのテレビ下面の幅木に使ってもらっています。白い壁と黒い床を繋ぐ位置にある幅木なので、写真のような白地に黒が混じった色味がマッチしてくれそうです。

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その他、玄関横のシューズイン・クローゼットの靴箱の設置や、

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浴室入り口枠のステンレス付け枠の設置なども進んでいました。設計検査とその後の家具搬入、施主検査が迫っているので、現場の緊張度も最高潮に達していました。