Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

リノベーション研修@ニューヨーク-2

見学記

昨晩、ニューヨークでの10日間の旅より戻りました。先回紹介した事例以降も、幾つかの超高級リノ ベーション事例を見学してきたので、それらを紹介いたします。

一つ目はミッドタウンにあるマンションのペントハウスです。三層に渡る、延べ面積300平米のマンションを、ご夫婦の仕事でもあり、趣味でもある現代アートを飾れるようにリノベーションしています。

リビングの一角には、現代作家のSol LeWitt(ソル・ルィット)氏に現場で描いてもらったアートがありました。

廊下は、名だたる現代アートの巨匠たちのペインティングやオリジナルスケッチが隙間なく並べられた、アートギャラリーになっていました。

二つ目はダウン タウンのタウンハウスの内部をほぼ全面改修した豪邸です。コレクションのアフリカンアートで満ちており、ちょっとした美術館以上の迫力がありました。

こちらは、吹き抜け上部で、鉄製螺旋階段を上った上にあるご夫妻の書斎スペースです。

リビングの奥にあるキッチンもアフリカンアートで飾られています。見せるキッチンと、右奥にある下準備する隠れたキッチンで構成されていました。

上階には、こじんまりとしたファミリー用リビングもあります。それぞれの部屋の仕上げも、その空間のサイズや採光、使い勝手に合わせて、雰囲気が替えてありました。

建物の奥には、アーティストの奥さま用の吹き抜けのある大きなアトリエがありました。約1000平米のタウンハウスを、5年掛けて思った通りにリノベーションしたそうです。

3つ目もやはりタウンハウスのリノベーション事例です。こちらは、半壊状態の住宅を建築家が購入して、住みながら増築して、ほぼ完成状態に持って行ったお宅です。

奥に行くに従って、細まってゆきますが、歴史的建造物に増築する際には、元の住宅のサイズを空間的に記録するために、袖壁を作って元の空間の規模が判るようにしておく必要があるそうです。

通り側のリビング直上の部屋は、幸いそれほど傷んでいなかったそうで、古い床材や建具を活かして、ヴィンテージ感のあるファミリーリビングに改装してありました。

寝室の水廻りは、スレートの床材にガラス間仕切りのシャワーブースと、モダンな仕様へと変わっていました。
今回、これ以外にも数件のお宅を拝見させてもらいましたが、そのたびに感心したのが、建物のオーナーが住宅に対して持っている愛着の深さでした。皆さん、すべての部屋を案内してくれましたが、その空間の使用目的だけでなく、なぜそのような仕上げになって、どのような家具を使い、飾っているアートも、いつどのようなタイミングで手に入れたか等、由緒から解き明かしてくださいました。昔からの富裕層の方も、比較的新しくお金持ちになった方も、皆変わらず、自分の住環境に対して誇りを持っていることは、素晴らしいことだと強く感じました。