Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

書庫に本が詰まった六本木N邸再訪

六本木N邸

約2年前に竣工お引渡しをした六本木N邸に、本当に2年ぶりにお邪魔して参りました。

一年点検の時期にあたる昨年にもご連絡をしておりましたが、Nさまとのご都合が合わずスルーすることになってしまい、昨年末にはホームオートメーションシステムの不具合や、寝室ヘッドボードの照明のことなどでご相談を頂いておりましたが、なかなかタイミングが合わずこの時期になってしまいました。

住宅内のプライベート書庫

弊社の担当スタッフの竹田さんと施工をお願いしたリフォームキューの岩波さん、そして家具でお世話になったYPOの廣瀬さん、バング&オルフセン六本木店の村瀬さんと一緒に伺いましたが、まず最初に感動したのがこちらの書庫でした!

住宅内のプライベート図書館

本が沢山あるとの奥さまからご要望でご提案した書庫ですが、当初はご主人さまはそこまで立派なものは必要ないし、ガラス張りにしても整理することができないとのお話でしたが、奥さまが本当に頑張ってここまで整理して下さったとのことで、今は使い勝手も良くお二人ともかっこよい書庫を作って本当に良かったと喜んでくださっていました。

住宅内のプライベート書庫

廊下側から見ると、スタイリッシュな書店のように表紙を見せる陳列棚を作ったのも良かったそうで、これがあることで全体が纏まって見えるとのお話でした。

感動してしばし撮影させて頂きましたが、その後はご自宅の不具合を確認しながら、必要か所を補修点検してゆきました。B&O六本木の村瀬さんには、ホームオートメーションシステムのクレストロンが勝手にアップデートしてしまったことで、使えなくなった機能があったとのことを修正してもらいました。

寝室枕元照明の補修工事

造作で作ったベッドのヘッドボードに取り付けていた照明の不具合は、YPOに調整して貰いました。ベッドの足元のベンチ状の家具も、その後に特注で作って貰っていたもので、ちょうどよいタイミングだったので本日搬入設置させて頂きました。

ミノッティソファのクッション空気入れ@六本木N邸

いつもご主人さまが座っているミノッティのソファの座面がヘタって来てしまっているとのことでしたので、各務がクッションカバーのファスナーを開けて、以前ミノッティの早坂さんに教わった空気を廻し込む叩き方を実践して、手入れさせて頂きました。

六本木N邸のダイニング周囲

こちらはお引渡し後に納品させて頂いたリミテッドエディション(マナトレーディング)のレザー製ラグとフレックスフォルムの大理石テーブルと、インテリアズのチェア・ガルダを組み合わせたダイニングの様子です。
お引渡しから2年の月日が経っていることを忘れてしまうほど、きれいにお住いのお宅の様子を拝見して、一同本当に感動してしまいました!当日、新たに幾つかの補修依頼を受けましたので、後日そちらの補修にも伺わせて頂くことになりました。

マンション壁への大理石張り@港区R邸

港区R邸

先日の工事で床の大理石張りがほぼ終わった港区R邸ですが、今度は壁や天井への大理石張りが始まりました。

大理石製三方フレーム

廊下からリビングへ入る左右の飾り棚と、テレビ置き場を囲むように大理石製の枠材を張回す予定で、そこには癖のないミストグレーを張るデザインとしています。

大理石製三方フレーム

天井に石材を張るのは、ちょっと変則的ではありますが、大理石のサイズを小さくして、下地となるベニヤ板をしっかりと組み、接着剤だけでなく金物とビスでも固定しています。この写真、左上の方に、L字型のアングル金物とビスが見えています。

大理石フレームの固定方工法

廊下からリビングダイニングに入る扉上部分は、扉の金物やダウンライトは入ってくるので、正確な位置を実測したうえで、工場加工で穴をあけて貰った石を張っております。右上に黄色い線が見えていますが、これは真っすぐなライン状に仕上げるための糸です。

大理石三方フレームのコーナー端部ディテール

フレームは折れ曲がりながら、壁から天井、そして壁へと枠状に曲がってゆきます。スラブ材の石の厚みでは、迫力が足りないので、このようにL状に石を組んで、事前に工場で接着してもらっていたものを取り付けています。特にコーナー部分は、トメ加工といって45度に切った石を張り合わせて貰っています。

大理石製フレームの施工

天井に張る石部分にちょうどダウンライト用の孔が空いているので、そこにクランプを差し込んで固定しながらの作業となっていました。

大理石製フレームのコーナー留め加工

このトメ加工は、現場側は嫌がる特に面倒な組み方なのですが、そうすることで、立体感がうまく表現できるので、少々の無理をお願いしてやって貰っています。

大理石ミストグレーの三方枠造作

ミストグレーの三方枠がほぼきれいに張り終わった状態です。

テレビ周囲のポルトロ大理石張り

ミストグレーの三方枠が終わったところで、一番の山場のテレビ周囲のポルトロ張りです。イタリアのリグーリア州ラ・スペッツィア近郊で採掘される超高級な大理石が、このポルトロです。

リビングのテレビボードのポルトロ大理石の端部ディテール

テレビ取り付けサイズを考慮しての開口を避けて、ブックマッチにして柄が繋がるようにして、張って貰っております。この張り方については、以前のブログで説明した通りです。また、小口に柄が繋がっているのも大理石の見せ場ですので、壁端部はきれいに磨いてもらっています。

玄関ホールの壁大判アラベスカート張り

もう一つの大物の壁大理石張りがこちらの玄関ホールのアラベスカートでした。まだできておりませんが、黒いカラーガラス張りのトンネル状の廊下と対比させるために、白い部分がきれいなアラベスカートを選び、柄が繋がった状態で壁に張って貰っています。

サルバトーリの大理石素材到着

まだ、張り始めるのには時間が掛かりそうですが、玄関ホールの反対側の壁に張るサルバトーリの加工大理石も現場に入ってきました。梱包を解いたところ、欠けなどがあったのでお願いしているインテリアズにも連絡してもらっています。

アリオステアのアラベスカート柄タイル張り

床の大理石張りのところでも説明しましたが、石屋のキダバーブルの職人さんに壁のタイル張りも張って貰っています。浴室壁や洗面所の床でも使っているイタリア・アリオステア社のアラベスカート柄タイルをキッチン壁に張って貰いました。

折り上げ天井のカラーガラス張り

目立つ大理石張りだけではなく、その他の工事も静かに(?)進行中です。リビングの折り上げ天井の高天井部分に小割の黒カラーガラスを貼りますが、両面テープと接着剤での貼り付け作業が進んでいました。

窓際キッチンのガスレンジとレンジフードの工夫について

二番町I邸

二番町I邸で、オーダーキッチン屋のエクレアにお願いしているキッチンの組み立てが始まったとのことで、現場を見て参りました。

エクレアのオーダーキッチン組み立て

オーダーキッチンの組み立てに入ってから3日目とのことで、カウンターや箱組は終わって、設備の取り付け工事中で、その後棚板と扉を取り付ければ終わりのところまで出来ていました。

エクレアのオーダーキッチン組み立て

今回の構成は二の字型といわれているもので、片面にシンクとコンロがあり、背面側に冷蔵庫置き場と食器や調理機器置き場を設置するオーソドックスな作りとなっています。ただ、背面側にはアイレベル(目線の高さ)に組み込んだオーブンと引き出し式のパントリーが入る部分がちょっと特殊な作りとなっています。

窓際のガスレンジカウンター設置

今回のキッチンで一番難しかったのが、窓際に設置するガスレンジとレンジフードと窓サッシとの取り合い部分でした。こちらはまだ、ガスレンジが付いていない状態のカウンターですが、ちょうどカウンターの高さに既存サッシの横框があったので、そこにカウンタ甲板を押し当てて、正面壁から回ってきている立ち上がりも廻し込んだ様子です。油煙がサッシの奥の方に回り込まないように南側からの日差しの遮熱も兼ねた二重サッシを設けています。

エクレアのオーダーキッチン組み立て

レンジフードの横は、窓サッシにフードをピタリと寄せると、どうしても掃除しにくい場所ができてしまうので、こちらは却って隙間を10センチほど開けて、手を差し込んでの掃除がしやすい収まりとしました。

窓際のガスレンジとレンジフードの納め方

こちらは最終的に組み上がった際のガスレンジとレンジ―フードと窓サッシの取り合いです。

エクレアのオーダーキッチン組み立て

シンク上の吊り戸には折れ戸のフラップアップ扉を採用していますが、扉設置前でその金物がちょうど見えていたので、撮影したものです。

エクレアのオーダーキッチン組み立て

これだけ組み上がったように見えても、まだリビングダイニングエリアには、組み立てまえの部材が並んでいました。資材搬入の際には、この広いLDいっぱいにキッチン資材が広がっていたのというので、キッチンの密度が高いのが改めて分かりました。

エクレアのオーダーキッチン組み立て

今回はクローズドキッチン(オープンではなく隠れたキッチン)とのことで、予算のことなども踏まえてメラミン製の扉を採用していますが、エクレアさんが丁寧に作ってくれたので、とても良い出来となっていました。

エクレアのオーダーキッチン組み立て

今回のキッチンのもう一つの特徴は、シンク側から正面に小扉を付けて、そこの開閉でリビング側の様子を見ることができるように考えています。薄型タイルの割り付けと合わせた開口がきれいに空いており、リビング側からキッチンの様子が見えるアングルの写真です。

二番町の高級マンションリフォームI邸工事現場

まだ、造作家具や特注の建具が収まっておりませんが、その他の工事も順次進んできています。

神谷のクロス張り建具詳細

こちらはリビングダイニングから直接出入りするお子さまの寝室の扉のディテールです。壁の仕上げと同じビニールクロスを張ることができる、神谷コーポレーションのF/Sという建具の小口です。ちょうどへこんだ箇所に建具のヒンジが入ります。

柱型のカラーガラスとミラーの見切り金物

LDに出っ張った形の柱型には、その存在感を打ち消すために、カラーガラスと鏡を張る予定ですが、それらの取り合いのコーナー部分にステンレス鏡面磨きの見切りを取り付けて貰っています。

建具用特注取っ手金物

廊下からLDへ入る建具は、特注のウォールナット突板張りとしていますが、金物は僕らが良くデザインしている特注金物を少し変形させたもので考えています。金物屋から焼き付け塗装された特注取っ手がすでに現場に届いていました。
キッチンの残りを完成させた後は、造作家具と建具の吊り込み、そして照明やエアコンなどの機器取付でお客さまの検査へと進む予定です。