Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新規プロジェクト:平河町T邸リフォーム

平河町T邸

築浅の大型マンション192平米のリフォーム・平河町T邸プロジェクトがスタートしました。

こちらが大きなリビングダイニングの様子です。Tさまは(いろいろな事情で)数多くのマンションをリフォームなさったご経験があるので、設計施工の工事会社として僕らが良くおねがいをしているリフォームキューをご紹介して、僕らはポイントでのデザインアドバイスをする形でお手伝いすることになっております。

玄関ホールからリビングへの繋がりについては、Tさまは強いこだわりがあるので、間取り的には大変更はありませんが、仕上げ材は玄関扉以外、ほぼ全てが変わることになりそうです。

玄関ホール横の来客用トイレは、すべて撤去して大型のシューズイン・クローゼットに作り替えることになりました。

プライベートスペースへと続く廊下は、以前のオーナーの方が、廊下突き当りに鏡を張っていたものを活かしたデザインにしたいとのご希望でした。

プライベート廊下の奥にある大型の主寝室は、広い住宅に住み慣れたTさまでも、ちょっと大きすぎるので、造作家具などを作って、居心地の良い空間にリフォームしたいとのことでした。

アイランドカウンターのあるキッチンは、使い勝手も良さそうなので、簡単なお化粧直しになりそうです。

Tさまとリフォームキューの岩波さん、今田さんとの打合せの様子です。アイランドカウンター奥に立体的な模型が見えますでしょうか…。

こちらが、そのものなのですが、なんとお客さまのTさまが作ってくださったリビングの立体模型なのです!これまで70軒以上リフォームをお手伝いして参りましたが、スケッチを描いてくださったお客さまはいらしても、模型を作ってくださったお客さまは初めてでした。
LDの二つの柱型には大理石のトラバーチンを張って、玄関ホールからの扉は黒い框扉、キッチンへの入り口はスチールサッシになさりたいとのことで、バランスがおかしくないかを確認して欲しいとのご依頼でした。

リビングの大きな掃き出し窓には、木製ブラインド付きのウッドシャッター(ナニック社)を取り付けたいとのことで、その色サンプルからどれが良いかのアドバイスもさせて頂きました。

LDの床は白ふき取り塗装のフローリング張りですが、周囲にはボーダー状に濃いめの色の大理石を張りたいとのことで、リフォームキューが持ってきてくれたサンプルを合わせて相性を確認して頂きました。打ち合わせの途中から、Tさまの奥さまと息子さんも参加しての賑やかなお打合せとなりました。
ここからは実際の打ち合わせよりも、メールのやり取りで、素材の組み合わせや取っ手金物等の選択をお手伝いすることになりそうです。

 

 

 

 

 

メゾネットマンションの階段リフォーム打ち合わせ

西麻布N邸

現在解体工事が進行中の西麻布N邸は、大型のメゾネット(上下階を階段で繋いだ住戸)となっています。リビングダイニングの真ん中にある上階への既存階段を残しながら、手すりや踏板を作り直すことになっており、その打ち合わせを施工会社と致しました。

私、各務が手に持っているのが、階段と上階スラブの取り合いを分かりやすく説明するために、新人スタッフの神崎さんに作ってもらった模型です。

既存階段は丸形鉄のトラスでササラを作ったシンプルな作りですが、天井の開口部との取り合いも大きく変えるので、このような模型を作ってみました。左右のササラの横の色が違っていますが、これはお客さまとの打合せ用に2種類のバージョンを作ってみたものです。

こちらが設計側で見積り時に作っていた階段部分の展開図です。

模型は、取り合い部分が重点的に検討できるように作ったものです。現場にしばらく置いておいてもらうことになりました。既存の階段は歪んだ箇所もあるので、どのように新しい手すりを取り付けてゆくかは、もう少し検討が必要になりそうです。

同じタイミングで、造作家具屋さんも事務所に来てくれたので、こちらが作ったディテール図をベースに打ち合わせをさせて貰いました。

造作家具と絡む建具も多いので、枠の取り合いや金物の相談もできて、実り多い打ち合わせとなりました。

大規模修繕工事に伴ってのベランダウッドデッキ撤去工事

白金台S邸

約8年前にマンションリノベーションのお手伝いをした白金台S邸のお客さまから、この度マンションが大規模修繕工事をすることになり、管理組合からベランダのウッドデッキと植栽を一時撤去して欲しいとの依頼があったとの相談を承りました。

マンションには大規模修繕工事はつきもので、ベランダには防水工事のやり直しなどがあることは、当初から考えていましたので、大きく張ってあるウッドデッキも実は4枚か5枚ずつに分割されており、大人二人で軽く運べる重さにしてあったり、下地となっている大引きも簡単に取り外せるようなシステムとしていました。

こちらが計画時に作っていたバルコニーの図面です。ウッドデッキ材は材の比重が分かっているので、使っているウッドデッキのサイズと枚数、下で支えている根太のサイズまでの重量を計算していました。

取り外す前はこのような状況になっていました。中央部分は、避難経路として下階への避難ハッチがあるので、よけてウッドデッキを張っていました。

そのウッドデッキの横には、園芸会社と相談して設置してら貰った植栽がこのように伸びていました。この写真の正面左手にはルーバー上の木製衝立(ついたて)がありましたが、これも既存の手すりにクランプで取り付けるシステムで考えていたので、取り外しが容易にできるようになっていました。

リノベーション工事をお願いした青の片岡さんと樋口さんに見積りをお願いした上で、金額的にも問題ないとのSさまご夫妻の了承を得て、ウッドデッキと植栽の取り外し工事を行いました。

プランターに入っていた植栽をまず撤去して、それから順次ウッドデッキと大引きを外してゆきました。

室内もこのように家具をずらして、搬出用の通路を作り、ブルーシートでしっかり養生しながらの作業となりました。

大きく育っていたシンボルツリーについては、最後にお願いした植栽屋さんに大きく刈り込んでもらい、枝を縛って運び出してもらいました。

こちらが植栽屋さんのトラックに積まれた植栽類です。大規模修繕工事が4か月以上続く予定なので、一度植栽屋さんの敷地に植え込んでもらい、水をやりながら世話をしてもらう費用、そして工事完了後に再設置してもらう費用まで考えてもらいました。ウッドデッキについては、これを機に傷んでいた箇所は部材を交換して、保護塗料の再塗布までお願いしています。

こちらがすべての撤去が終わったベランダの様子です。水拭きまでしてくれたので、本当にきれいさっぱりになりました。マンションは、戸建て住宅とは違い、居住者で作る管理組合の考えで大規模修繕などが行われるので、専有使用権のある共有部であるベランダなどの作りこみは、補修やメンテナンスに備えて、後日容易に取り外せるような工夫が必要なことを再認識致しました。