Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

キッチン取付け&枠詳細

高輪I邸

普段はオーダーキッチンを使うことも多いのですが、メーカー品のユニットキッチンの良さも理解しているツモリなので、今回は全体の予算計画とお施主様の調理の考え方、隠れたキッチンであることを勘案してクリナップのキッチンを採用致しました。

クリナップキッチン

二日間掛けて二の字型のキッチンを取り付けて貰った、完成後養生された状態の写真です。全てをメーカーの推奨仕様にしてしまうと、「いかにも既製品です」といった風情になってしまうので、壁の巾をほぼキッチンサイズとピッタリ合わせ、寸法調整のフィラーをなくして貰ったり、キッチンパネルのジョイント部分の金物が安っぽいので、それを省略して、シールと塗装でカバーして貰う工夫を致しました。
細かい注文に対応してくださった、クリナップの北條主任、どうもありがとうございました。

こちらは玄関横の来客用トイレの床です。床スラブを貫通している排水管の位置(グリーンが見える個所です)をずらさず、その代わり床をフラットで納めることにしたので、向かって右側の壁の下部をフカして、便器と紙巻器の位置関係を調整しています。正面の壁のフケは、左側にくる洗面からの排水を、便器排水を合流させるための工夫を凝らしています。

こちらは、廊下(左側)と寝室(右側)の間仕切り壁の詳細です。廊下は床がコルクリノリウムで壁が塗装、寝室は床がカーペットで壁が壁紙(ノイエローブ)と違っているので、それらの取り合いを考えて、床には見切り材としてフローリング材を挟み、寝室側の幅木はフェルト+カーペットの仕上厚さ分だけ浮かして貰っています。

ウォークイン・クローゼットへの明り取りの欄間(ランマ)窓です。アクセントカラー壁とフラットに仕上げた枠の間の隙間に、タペストリー加工のガラスを差し込む仕上げになっています。

リビングと寝室とウォークインクローゼットの三つの部屋の交差部分の天井です。障子が左側の壁へと引き込まれ、直行するレールにWICの扉が吊り込まれます。天井に開いた細長い箱には、ロールブラインドが収まり、ピッタリとフタで隠される予定です。工務店の片岡さんに頭を絞って貰った、一番難しかった納まりです。
細かい枠納まりはほぼ完了し、いよいよ来週からはクライマックスの家具と建具の取付けへと移ります。

アクセントカラー壁の色付け

高輪I邸

高輪I邸のリビングダイニング空間は、窓際に沿って細長く展開しており、一番奥に当たる書斎コーナーのイメージ作りに苦労してきました。色々とお施主様とも検討した結果、最終的に奥の塗装壁に色を付けることにして、アクセントカラー壁とすることになりました。

アクセント壁

小豆色を少し薄くしたような、上品な色を選んでいます。因みに、左手窓際にスリットが入っているのは、後程造り付けの書斎テーブルをはめ込むためです。

塗装壁の色決め

こちらは、色の最終決定前に塗装屋さんに作って貰った、色見本です。この見本を壁に並べ、実際にお施主様に確認して頂いて、上記の色に決まった次第です。

こちらはリビングから一段上がった寝室からの風景です。正面の開口がWIC(ウォークイン・クローゼット)への入り口で、右側の壁にはベッドを設置する個所にヘッドボードが付けられています。

違う角度で寝室からリビングを見ると、木製フレームが見えてきます。基本の白い空間の中に、窓側の木製フレームと、寝室側の障子、そして奥の壁にアクセントカラーと、お互いが変に干渉しないように、注意深く上品な色を選ばせて頂きました。

同じ塗装つながりで、床に置いてあった天井吹き出し口のグリルです。天井の白色に合せて、こちらも塗装して貰っています。

玄関タタキ部分のタイルも張り上がってきました。広い玄関ですが、向かって右側に造作の靴箱が、左側に靴の脱ぎ履き用のベンチが付くので、もう少し立体的な空間になる予定です。まだ、張ったばかりの状態なので、板を置いた上しか歩けないようになっています。

何度もしつこいようですが、窓際の木製フレームが完成した様子です。日が差した時に、とても柔らかく良い雰囲気になるので、現場に行く度に撮影してしまいます。

AEP塗装下地の作り方

高輪I邸

大工工事がほぼ終わった高輪I邸の現場では、塗装屋さんのAEP塗装用の下地作りが始まっています。

作業はプラスターボード(石膏ボード)の継ぎ目をジョイントテープで押さえ、パテでしごいてゆきます。ボードをLGS下地に留めているビス孔もパテを盛ってゆきます。

パテは乾いた後に紙やすりを掛けてフラットに削り、またそこにパテを乗せて、やするという作業を三度重ねて行い、ようやく塗装の下地が完成しる段取りです。一番上の写真が一度目のパテで、この写真が二度目のパテです。

既に枠の塗装を始めていますが、この天井が三度パテでシゴいた状態です。段々とパテの面積が増えて行くので、最終的には、ほぼ白く塗装したような風合いの下地が完成するのです。

より近寄ってみた塗装下地の様子です。これはまだ二度目のパテです。

水性のAEP(アクリル・エマルジョン)塗料は、日本ペイントのエコフラット60を採用しています。新しいローラーを使っての塗装作業になりますが、因みに水性塗料の場合は、水洗いすることができるので、一日毎にローラーを交換するだけで良いそうです。

同時に、大工工事も最後の工事が進行中です。寝室には、シナ材のヘッドボードが出来てきました。

丁寧な作業でゆっくり進んできた、窓周りの木製フレーム作りも最後の細かい仕上げに入っています。時間が前後しますが、フローリング材の端部をトメ加工にしてもらっている様子です。

こちらが、ほぼ最終的に仕上がってきた木製フレームの全容です。窓際の空間がグッと引き締まってきました。