Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

枠材取付け&二重床のレベル出し

高輪I邸

高輪I邸の現場は、LGS下地への枠取付けとボード張りへと進んでいます。

リビングから寝室方向を覗いたアングルです。窓がない寝室に採光を確保するため、腰高さの障子を入れる開口です。

リビング側の枠は45度のテーパーを取り、開口部を柔らかいイメージにするデザインとしています。塗り込んでしまうのが勿体ない、きれいな枠に仕上がっていました。

二枚の障子がポケットに引き込まれ、天井にはロールスクリーン用のボックスを設けています。ボックスの脇にはWICへの引き戸レールが絡む面倒な枠ですが、きれいに納まっていました。

特にロールスクリーンが収まるボックスは、建築家の横内敏人さんとブラインドメーカーのメタコ社が考案した、スクリーンの隙間が隠れるディテールを採用することになったので、事前にメタコ社の資料を元に、青の片岡さんと十分に詰めておいた部分です。

こちらはウォークイン・クローゼットへの明り取り用の窓枠です。ガラスはシール材のみで押さえ、押し縁を使わないことでスッキリ見せる予定です。

寝室部分は、床下に排水管が通るのでリビングより170ミリ床が嵩上げされています。淡路技研の防振アジャヤスターを使った二重床システムとしています。

上に張られたパーティクルボードに隙間があるところが、この二重床システムのミソです。隙間の真下にアジャヤスターがあり、一度パーチを張った後、レーザーと金尺を使ってレベルを出し、隙間にドライバーを差し込んで微調整して合せてゆくことができるのです。

LGS(軽量鉄骨)下地のメリット・デメリット

高輪I邸

高輪I邸リフォーム現場では、LGSの下地が立ち始めました。LGSとはLight Gauge Steel(ライト・スティール・ゲージ=軽量鉄骨造の意)の事で、マンションリフォーム現場で良く使われる壁や天井の下地材です。

一般的な木製の下地材とLGS(エル・ジー・エス)との大きな違いは以下の通りです。

メリット

  • 木には反りや曲がり、湿気の変動による割れがあるが、LGSは変動が少ない安定した材料である
  • スタッドとランナーの組み合わせシステムで、木に比べ施工性が良く、工事も早い
  • 木に比べ重量が軽く、搬入が容易である
  • マンションリフォームでは関係ないが、白ありの被害を受けない
  • キッチン周りなどで耐火が必要な場合に適している
  • 壁内に電気配線や設備配管を通しやすい

デメリット

  • 木のように薄い材料を重ねたり、部分的に削ったりがしにくいので、細かい現場調整がしにくい
  • LGSを丸ノコでカットする際に火花が飛び散り、火の気の管理が難しい
  • 大工以外にLGS専門の職人さんが必要になる(工種が増える)
  • 下地が正確なコンクリートとの相性は良いが、古い木造で下地がガタガタしている場合は、施工精度が下がる

キッチン裏のLGS下地壁の様子です。水色の給水管やピンクの給湯管、その他電気配線などがLGSの間にきちんと収まっています。壁のボードを張った際にはすべての配線や配管が壁の内側にきれいに隠れてしまいます。

LGSのメリットとデメリット

今回は、先回の記事の通り、細かい寸法調整があったので天井は木下地、壁はスピードを優先してLGSという、ハイブリッドな造りとなっています。

全体に、吊り金物を使った引き込み扉を多用するデザインとなっているので、壁下地を作る前に、吊り金物用のレールを事前に取り付けて貰っています。

LGSについては、以下の記事もご覧ください。

LGSと木製の複合下地組みについて

LGS下地状態でのリフォーム現場確認事項

壁は木製軸組、天井はLGSの複合下地工事について

マンションリフォームの壁下地&天井下地

田園調布F邸 打合せ&現場視察

田園調布F邸

田園調布F邸のリフォーム打合せです。ほぼ見積り用の実施図面が上がったので、その内容(特に仕上げや設備)について詳しくご説明して参りました。

電気設備リフォーム

写真は、電気工事について、照明の種類や位置、スイッチ場所などについてご説明している様子です。因みに説明してくれているのが、共同設計者のイン・ハウス建築計画の中西ヒロツグさんです。

こちらは、設計依頼を受ける前に見せていた頂いた、奥さまが作ったインテリアイメージのスクラップブックです。打合せを重ねているうちに、当初の考えと変わってきた箇所も多いので、もう一度原点に戻って、仕上げや色のイメージを確認させてもらいました。今回は予算規模も大きいですが、延床で160平米(60坪弱)近くある大きなお宅で、かつ構造から断熱、設備交換に階段の位置変更まであるので、図面の内容も多岐にわたりました。

打合せ後は、見積りをお願いすることになる参創ハウテックの小園さんをお施主様に紹介し、近くの現場にも足を運んでもらいました。イン・ハウス建築計画のスタッフの河野君にも立ち会ってもらっています。

右が中西ヒロツグさんで、左が参創ハウテックの小園さんです。一番三次元的に大きくリフォームすることになる、玄関ホールから階段の当たりを説明してい様子です。