Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

コンクリート壁のコア抜き

高輪I邸

高輪I邸の工事で、先日撮影したレントゲン写真を参考に定めた位置に従って、コンクリート(RC)壁のコア抜き作業が行われました。因みに、コア抜きとは、ダイアモンドチップを付着させた円形ドリルでコンクリート壁に穴(スリーブ)をあける作業の事です。ただし、分譲マンション(共同住宅)では、コンクリート壁は共用部となりますので、まず耐震壁でないことを図面上確認の上、今回のように事前に管理組合にレントゲン写真と一緒に申請し、許可を得ていないと作業できません(これはきちんとしたマンションでのことで、レントゲンも撮らずに、鉄筋を切りながらコア抜きしている古い団地などの事例もありますが、耐震上は当然問題があります…)。因みに、今回のこのコア抜きは、共用部分の配管更新のためにマンション管理組合から依頼されての工事でした。

コンクリート壁のコア抜き作業中

重たい機器がずれないように、平滑な壁の場合は、空気圧を使った吸盤で固定し、ポリタンクに入った水を手押しポンプで注ぎ込みながら、孔を開けてゆきます。20センチの壁厚であれば約10分弱で、それほどの騒音を立てないで抜けるそうです。

きれいに抜かれたコンクリート、いわゆるコアサンプルです。抜かれた直後は高温で触れませんが、しばらく経った時点で触ると、とてもスムーズな面になっています。今後、マンション側で耐震診断をすることになった際は、このコアサンプルを圧縮試験に使うことができるので、3本は管理組合に寄付(?)することにしています。因みに、コンクリート造の建物の新築時に、壁や梁にスリーブを入れる場合は、壁・梁貫通スリーブ用の補強筋(鉄筋)をきちんと入れておくものです。

コア抜き機器

こちらが平滑面で吸盤を使った固定時で、

こちらは壁が平滑ではないので、ドリルで壁にピンを打って、そのピンで固定しながら作業している様子です。

エアコンのダクト接続や電気設備の配線も、どんどん進んでいます。LGSの下地も立ち始めたので、お盆前にはほぼ壁位置が決まる予定です。

住宅模型を使ったリフォーム打合せ@田園調布F邸

田園調布F邸

田園調布F邸の打ち合わせの為に、模型を用意いたしました。

こちらは全体の様子ですが、1階と2階に分解できて、家具まで作り込まれた模型で、お施主様のFさまご夫妻も、空間の雰囲気までとても分かりやすいと喜んでくださいました。

1階のリビングダイニングとキッチンの関係が、良くわかるのではないでしょうか?写真では良く見えない子供の遊びコーナーは、床を一段上げて、特別な空間らしい雰囲気に作ることになりました。

こちらは、吹き抜け越しにLDを見下ろした様子です。2階の主寝室の作業コーナーからリビングが見れる空間構成となっています。また、玄関ホールの空間が階段と一体化している様子も、模型だと分かりやすいと好評でした。

こちらは、吹き抜けの天井をシナベニア材で張る予定なので、そのイメージを確認して貰っている状況です。残念ながら子供たちは、DVDの方に夢中なようでした。収納の細かい工夫や、仕上げ材の色味はまだ決まっていませんが、模型を見ながらの今回の打合せである程度まで決まってきたので、これで見積り用の図面を作成することになりました。 模型を作ってくれた共同設計事務所イン・ハウスの河野君、どうもお疲れ様でした。

 

最後は、打合せ中よく我慢してくれた子供たちが、お庭に用意した小型プールで遊んでいる様子です。Uちゃん、Hちゃん、そしてS君、どうもありがとう。

テレビの受信不良とエアコンの動作不良

六本木T邸

六本木T邸のお施主様より、1.テレビで映るはずのチャンネルが映らない(受信不良)、2.書斎のエアコンがスイッチONにしても1分ほどで止まってしまう(動作不良)ので、見てほしいとご依頼がありました。

施工をお願いした辰の寺井さんと弱電屋さんとのんびりテレビを見ている訳ではありません。テレビで直に見た場合と、ブルーレイを経由してみた場合で、見られないチャンネルがあるとのことだったので、そのチェックを皆でしているところです。

デジタルテレビは、機器や配線をいじるだけでは、何が問題なのか判らないので、今回は弱電屋さんにデジタルレベルチェッカーを持ってきてもらいました。ところが、このチェッカーで調べた電波の強さと、デジタルテレビそのものでチェックできる電波の強さに違いがあり、なかなか問題の核心に迫るのに時間が掛かってしまいました。

結局、ケーブルから分配器を使って、ブルーレイに繋ぎ、そこからまたテレビへと繋ぐと、接続が多いことで電波が弱まっている(損失)ことが判明したので、事前に予想して用意しておいたブースター(増幅器)を途中にセットすることで、問題を解決することができました。

エアコン回線図

エアコンは回線図を見ながらチェックして貰ったところ、サーモスタット部分の接続が変だったようで、こちらもこの個所を直したことで正常に作用するようになりました。

お引渡し前には入念に動作チェックをして貰っているのですが、どうしても最初の1~2か月は動作不良が発生しやすく、お施主様に迷惑を掛けてしまいがちです。何とか、この初期不良を解消できるように、これからは更に注意してチェック体制を整えてゆきたいと、改めて思いました。