Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

フィルム張り、テレビセッティングのち設計検査

六本木T邸

2月初頭からリノベーション工事が始まった六本木T邸もほぼ工事が終わり、設計検査に行って参りました。工事最終段階は、ほぼ毎日現場を見ているので、機能的なことはほとんど問題なく、塗装抜けやヨゴレ・キズを中心に見てきました。

設計検査メモ

こちらは検査内容をチェックしたメモです。メモの中で「なみだ」とあるのは、造作家具の扉を開けた際に、何かぶつかってしまう個所に貼る、クリアバンパー(戸当たりクッション:略称ナミダ目)の事です。チェック内容を現場監督の寺井さんと照合して、お引渡しまでに直してもらうことになります。

ガス検知器チェック

同時にガス感知器やインターホンのテストも行っています。ポケット型のガス噴霧器で検知器の感度をチェックしている様子です。

フィルム張り工事

外壁に面した窓には、隣棟からの視線が気になる箇所は視界制御フィルムを、関係ない個所には紫外線防御フィルムを貼って貰っています。視界制御フィルムは非常に高価な物なので、二人掛りでとても慎重な作業でした。右の職人さんの足元にあるポンプには、界面活性剤(石鹸)入りの水が入っており、それを窓ガラスとフィルムに吹掛けながらの作業です。

壁掛けテレビのセッティング

こちらは、本日お施主様のお宅に伺って受け取ってきた液晶テレビをセッティングしている様子です。引っ掛ける仕掛けを理解したうえで、マスキングテープでテレビ設置位置を確認の上、まず取付け金具をビスで固定します。

壁掛けテレビ設置

取付け後の様子です。ケーブルを背面の穴から通しながらの作業で、大人4人掛りで2時間ほどの大作業でした。辰の畠中さん、電気屋の金沢さん、設備屋の大駅さん、造作家具屋の森村さん、どうもお疲れ様でした。

帰る際の六本木ヒルズレジデンス裏の桜坂では、終わりかけの桜がここぞとばかりに咲き乱れていました。

最終調整工事とクリーニング

六本木T邸

六本木T邸の現場も週明けの検査に向けて最終仕上げの段階に入っています。

鋼製サッシの目地詰めは、テーピングをした上からコークボンドを絞り出し、

特殊な形状のヘラで、目地をサッシ面から凹めた形で仕上げてゆきます。

こちらでは建具の取付けと鍵ストライク用の穴あけ中です。

これは建具屋さんの工作道具です。沢山の種類のノミを使って、微調整しながら孔を丁寧にあけてゆきます。

リノベーションのクリーニング

工事が終わった部分から順にクリーニングが入ってゆきます。どうしても工事直後はホコリが舞っていますので、またお引渡し前に再度クリーニングに入って貰うことになりそうです。いよいよ来週月曜日は設計検査になります。

職人全員集合・照明器具の調整

六本木T邸

六本木T邸の現場は仕上げの最終段階で、多数のプロが集まってくれています。塗装屋さん、建具屋さん、電気屋さん、設備屋さんといった普段から現場であっている職人さんたちに加え、本日は照明関係でデザインをお願いした三橋さん、ルートロンの谷崎さん、フロスの高橋さん、それに工事をお願いしている工務店の畠中さん、お馴染みの現場監督寺井さん、僕ら設計事務所の笠原君と各務と総勢16人も集まりました。

リノベーション工事集合写真

これだけの人が集まったので、記念撮影をさせてもらいました。広いリビング空間だと、これだけの人が並んでも狭く感じないことには改めて驚かされます。

フロア埋め込みアップライト

本日の僕らの一番の目的は、照明器具の調整への立会でした。それぞれがオリジナルな特性を持つ照明器具なので、ただオンオフするだけでなく、色味や輝度を見ながら、お互いの干渉度合を見ながら調整してゆく必要があるのです。写真は、フロス社のLEDの床埋め込みタイプ照明です。以前の打ち合わせで壁からの離れの位置や、器具取付位置を話していましたが、とてもきれいにフローリングの目地に沿って埋め込まれていました。

玄関から鋼製建具越しに見える珪藻土塗の壁に当てられたアップライトを見たアングルの写真です。心配していた色のムラはなく、とてもきれいに照らされていました。

LEDのライン照明

こちらは、リビングと書斎を間仕切る鋼製建具を照らすライン照明です。照明デザイナーの三橋倫子さんの設計で、森川製作所に特注で作ってもらった器具を天井に埋め込んでいます。写真では、わざと照明器具が見える角度で撮影しましたが、普通の角度では照明が隠れるように設計しています。

離れた位置から見ると、ライン照明の効果が判ります。鋼製建具が浮かんで見えるのに、角度的にガラスへの反射がないので、奥の書斎空間まできれいに見通せるようになっています。

こちらは書斎の天井に取り付けたスタンド型照明です。イタリアのアルテミデ社の製品です。クールでスタイリッシュなリビングダイニングに対し、ウォールナットの造作家具でコージーに纏まった書斎空間にぴったりの照明になりました。

ルートロンの調整

照明コントロール製品で抜群の性能を持つ、ルートロン社のグラフィックアイ3000シリーズを採用しています。6ゾーンまでの照明をプログラムしながら幾つものシーンに合わせて設定することができるので、その調整をしてもらっている様子です。

壁際のアートを照らすライティングやベランダの照明(既存)との明るさを比べながら、ある程度設定しましたが、また来週に家具が入ってから、もう一度微調整してゆくことになります。

他にもマルチメディアコンセントの接続状況を確認するため、実際に小型テレビを持ち込んでのテストもしてもらいました。写真はリビングのソファー下に隠れる予定の床埋め込みマルチメディアコンセントのテストの様子です。