Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

在来浴室リフォーム タイル納まりの詳細

伊豆OK別荘

素晴らしい景色が望める伊豆OK別荘の浴室ですが、景色以外にも設計的な見どころがあるので紹介いたします。
それはタイルの納まりです。在来浴槽のリフォームとなると、防水層と押さえモルタルの寸法からタイルの張り方を指定するのが設計者の役割になりますが、意外と手を抜きやすい個所でもあるのです。

在来浴槽のタイル納まり

今回は、初めて在来工法での浴室リフォームを担当したスタッフの笠原君が頑張って、きれいにタイルを納めてくれました。パッと見て特別な感じがないかもしれませんが、それは実はタイルがきれいに納まっており、違和感がないからなのです(というか、そうだと信じたいのが設計者の考えなのです)。

タイルの納まり詳細図

この図面をご覧ください。タイルと目地の関係を寸法で追いかけ、浴室の四面すべてに半端もののタイルが生じないように割り付けたスケッチ図面です。簡単そうに見えるスケッチですが、笠原君がこの図面を仕上げるのに、ちょうど一週間ほど掛かりました。もちろん始めただということもありますが、カガミ建築計画の指導方針として、時にはこのような詳細ディテールを納得がゆくまで図面化することにチャレンジして貰っているのです。

タイル詳細

十和田石と木製浴槽、そしてフレームレスのガラス扉の納まりなどを立体的に理解しながら、現場の職人さんたちに如何に判りやすく説明できる図面を作るかは、設計者の腕の見せ所です。笠原君がこのスケッチ図面を持って現場に持って行ったときは、現場監督からも「良くここまで書きましたね!」と感心されたそうです。

インテリアセレクトショップのハンプトンホーム訪問

その他

住宅のインテリアのアートでお世話になっている、ギャラリークローゼット新井さんのご紹介で、西麻布のインテリアショップ、「ハンプトンホーム」を訪問して参りました。ニューヨークのセレブたちが別荘を持つ、高級リゾート地がハンプトンズです。その憧れの別荘スタイルに範を得たデザインが、いわゆるハンプトンデザインです。

ハンプトンホーム

クラシックでありながら堅苦しくなく、リラックスしていながら上品さを感じる、本当に好きなものだけを集めたインテリアショップが、この「ハンプトンホーム」です。以前からお店のことは知っていましたが、本日始めてオーナーの北村さんのご案内で、拝見させていただきました。

ハンプトンホーム インテリア

キーワードとしては、

  • クラシックな上品さ
  • モダンさも加味した大人のスタイル
  • ニュートラルかつクリーン
  • カジュアルだけれどエレガント

北村さんのお眼鏡にかなった物だけを集めた空間は、まさに懐かしいハンプトンスタイルで、ニューヨークでの修行時代を思い出しました。北村さんとは初めてでしたが、新井さんの紹介でしたので、見学後はレストランに移動して、皆で食事しながらのお話になりました。北村さんがインテリアショップを開くに至った経緯を伺いながら、新井さんの日本のアートに対する苦労話を伺い、僕のCKAの別荘設計の修行の様子を聞いてもらい、夜は更けてゆきました。

モダンな家具だけでも、僕らが設計して空間には正直物足りなく感じていたので、これをきっかけに何か一緒に計画しようとの話になって、大いに盛り上がりました。

白金台のマンションリフォームC邸プロジェクトの発端

白金台C邸

本日は再来週から工事が始まることになった、白金台のマンションリフォームC邸の現場調査に伺って参りました。ちょうど一月前にデザインリフォームの無料相談のコーナーから頂いたメールが、このリフォームプロジェクトの発端でした。

「カーペット敷きのマンション全体を防音仕様のフローリングに変更し、壁一面の作り付け書棚やテレビ棚の設置も検討しております。リフォームを済ませた形で入居したいと思っておりますが、どのくらいの期間を要するのか、またどのくらいの予算を考えておけば良いのか、教えていただければ幸いです。」とのご連絡を頂いたので、そのお返事として、これまでのリフォームの経験から、予算やスケジュールのメールをしたところ、すぐにお電話を頂いて、その日の夜にお目に掛かることになりました。

実はCさまは、僕らの事務所と徒歩で5分ほどの近くにお住みで、リフォーム予定のマンションもやはり5分ほどの近さとのことで、これまでのリフォーム事例のご紹介や、リフォームに掛かる費用の考え方、さらに具体的に色々なフローリングのサンプルや防音方法についてもお話し致しました。

マンションリフォームの現地調査

メールを頂いた三日後に現地を案内して頂きました。

  • 120平米の広さがありながら、空間のメリハリ”が乏しく、あまり広さを感じられない空間であること
  • キッチンや浴室を大きくリフォームすると費用が掛かること
  • LL45の防音レベルを確保するためのフローリングの”下地材”を設置すると、今より天井の高さが低くなること
  • 間取りの悪さが、収納量の少なさに繋がっていること

などの初見での感想をお伝えした後、簡単なスケッチを即興で起こしながら、

  • 使い勝手の悪い寝室を収納部屋にするご提案
  • メリハリの乏しい玄関に間接照明を設けて、”魅力的なコーナー”にするご提案
  • キッチン通路を一部つぶして、収納を作るご提案
  • 洗面を拡げて、ダブルシンクとリネン収納を作るご提案

などをお話したところ、とても気に入ってくださったようでした。その後はトントン拍子で話が進み、仮契約をして頂いた上で、この2週間で見積り用の設計図書を作成し、工務店に図面を渡し、見積り作業を始めて貰いました。

本日は、工務店の担当者に造作家具屋さん、ガス屋さん、電気屋さんと一緒に、現調(現地調査)を行い、作成図面と実際のマンションの相違点や、キッチンの改造の考え方などを説明いたしました。来週中には見積りが出来上がり、再来週から工事が始まることになりました。

これだけのスピード感で計画が進むことは少ないのですが、これができるのも、ひとえに設計事務所と工務店を信頼してくださる、お施主様Cさまの姿勢のお陰です。Cさま、今後ともどうぞ宜しく願い致します。