上下階からの音の伝達、そしてお部屋から上下階への音漏れに対して、リフォーム工事でできる限りの対応をして欲しいとご依頼を受けている駒沢X邸では、天井の造作に防振天井を計画しています。
壁や天井のボード張りの下地は、マンションではLGSと呼ばれる金属製のものと、今回使っている木製の下地がありますが、今回は施工スピードでは劣りますが、振動が伝わりにくい木製下地を使って貰っています。
天井の既存アンカー孔から吊っている金物は、先回のブログでご紹介した大工さんが組み立ててくれた防振金物セットです。
釣木に縦と横の軸を組んで格子状の下地を作って、天井ボード張りの準備をしてゆきます。
天井裏には空調(エアコン)設備のダクトや冷媒管だけでなく、電気配線も複雑に入ってくるので、天井下地が組みあがった段階とタイミングを合わせて配線を進めて貰います。
防振下地だけでは不十分なので、断熱材を天井裏に入れて、太鼓のように音の響きが上階スラブに伝達するのを防いでゆきます。
この状態のように断熱材が敷設されてしまうと、後からの電気配線などができなくなるので、それぞれの工事が競争状態で組みあがってゆきます。
とは言いつつ、広いお部屋なので、奥の寝室では、まだこのような状態でした。今回は最上階住戸ではありませんが、上階が日影規制でセットバックしているので、こちらの部屋の上階には部屋がなく、屋上となっているので天井裏には最初から断熱材が打ち込まれていました。
建具の枠などを取り付ける下地も、ゴム付きの木レンガを使って、とにかく室内の音が下地を伝わってコンクリート躯体に響くことは防ぐ手立てを組んでいます。
こちらは現場に届いた壁下地用の遮音パネルです。天井の次は壁の防振下地造りが始まる予定です。
以前のブログでも書いた、玄関ホール横にある上下階を貫通している設備配管をカバーする方法の検討で、造作家具の現代製作所の吉岡さんに来てもらっています。
排水管と通気管の2本が通っており、途中で曲がっている個所があるので、その正確な位置を下げ振りを使って出して貰いました。