Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ポリフォーム東京フラッグシップストアのオープニング

インテリア

以前から多数提案させて貰っているイタリアのハイブランド家具のポリフォームの東京旗艦店(フラッグシップストア)が完成したとのこと、お招きもされていませんでしたが、スタッフと一緒に見学に伺って参りました。

家具のアクタスが展開するイタリアン家具ブランドのポリフォームですが、いわゆる置き家具(ソファやダイニングセット等)からビルトイン家具(クローゼットシステムや壁面収納等)、更にはキッチンまでと家具の総合ブランドともいえる品揃えを誇る同社ですが、今までの新宿アクタスの2階の展示ではほとんどその華麗なる全容が見えていませんでした…。

今回新しく出来たフラッグシップ店は、南青山のブティック街と家具ショップに挟まれた絶好の土地に、天井高さ4メートルの明るく開放的な2層の空間となります。全ての空間が軽く間仕切られており、リビングセットやダイニングセットとなっている構成です。通りから見えるこちらのお部屋はソファのサン・ジェルマンのシリーズを中心に、ラウンジチェアのル・クラブやコーヒーテーブルのコイシなどを組み合わせ、壁面収納と壁パネル(パネルもポリフォームです)で囲まれた空間となっています。

壁パネルだけでなく、ウォールシステムと一体の開き扉もポリフォームのオリジナル商品のピヴォット(まだ日本での販売は決まっていないそうですが)です。

その奥はしっとりと落ち着いた空間で、ちょっとボリューミーでオブジェのようにもみえるアルネストというソファとコーヒーテーブルのセットで構成されています。これまで日本ではほとんど展示されることが無かったAVボードのコードも正面壁面に設置されていました。

ポリフォームらしいすっきりしたシルエットのキッチンも何本か展示されています。セラミックカウンターを使ったコンパクトで爽やかなキッチンですが、壁面には収納が充実しています。一昨年にミラノサローネにご一緒したアクタスの大岩部長が案内をしてくれました。
因みに、このダイナミックなレンジフードはまだ日本では採用できないとのことでした…。

もう一つのキッチンは素材感たっぷりの重厚なキッチンでした。このアイランドキッチンとダイニングセット、そして壁面収納を合わせて約4000万円程度の価格レンジとのことでした。

アイランドカウンターの甲板の素材は、日本には入ってきていないクオーツストーンで、コーナーはテーパーになった仕様とのことでした。

引き出しの面材は、金属を硫化加工したものだそうで、手仕事のような歪み(というか揺らぎ?)があって、雰囲気がありました。

2階に上がると、ナイトシステムでの家具構成となっています(1階はデイ・システムでの展開)。大好きなソファのモンドリアンを中心に構成されたイブニングラウンジ的なお部屋ですね。大判のラグやキャビネットもポリフォームの製品です。

やはりこれまでほとんど日本では紹介されていなかった寝室セットも展示されています。ベッドの背面ヘッドボードもポリフォーム社のウォールシステムです。壁に引っ掛けて留めるタイプで、下部にはレベル調整ができるネジも付いた優れものだそうです(弊社ではまだ使ったことがありませんが…)。

大型のウォークインクローゼットも、ポリフォームが得意とする分野です。

寝室との間仕切りのガラス扉(繰り返しになりますが、まだ日本では発売の未定)を閉めるとクローゼットのガラス扉とフラットに納まる美しいディテールでした。

屋外家具セットも少量ですが展示されています。僕が座っているのはマグノリアという屋外ソファです。2年前にポリフォームの本拠地、イタリア北部のインヴェリーゴにあるポリフォームラボを訪問させて貰って以来、日本でも青山エリアに旗艦店ができればよいですねと、ずっーと休山会長とはお話をしてきたので、今日のこのおめでたい日を迎えられたこと、自分事のように嬉しく思っております!

千代田区O邸の主寝室リフォーム工事完成

ザ・ライブラリー

リノベブランドのザ・ライブラリーの告知ブログです。
メールとCGのやり取りで計画を進めて、ご家族旅行中に工事を進めてきた千代田区O邸の主寝室リフォーム工事が終わりました。

千代田区O邸の主寝室リフォーム工事完成

ちょうどこのタイミングでご旅行から戻られたOさまと一緒にリフォームの内容を確認して頂きました。前日の夜に戻ってきて、お部屋をご覧になったご主人さまは、素晴らしい出来で、とても嬉しかったと仰ってくださいました。

千代田区O邸の主寝室リフォーム工事完成

ご自宅リビングダイニングの構成要素を主寝室に入れ込んだデザインで、木製フレームやスパンドレルを入れた間接照明、余白を埋めるカラーガラス等が、少しグレーっぽい色味で組み合わされています。

千代田区O邸の主寝室リフォーム工事完成

出来上がってすぐにお引き渡しをするスケジュールで進めてきましたが、実は細かいミスが幾つかあることが判りました。ちょうどOさまが指さしてくれている、木製フレームの中に設置されているダウンライト照明の縁の色が、設計では黒でスペックしていたのものが間違って白い縁のものが取り付いていました。Oさまは全然違和感がないので大丈夫ですと言ってくださいましたが、既に手配済みなので、後日交換させて頂くことになりました。
続きの、他のミスや未成工事、新しくご購入頂いた家具搬入等のことは、ザ・ライブラリーブログをご覧ください。

大型インテリア模型の効用

渋谷区L邸

設計が進んできた渋谷区L邸では、設計協力をお願いしているハク・アーキテクツスタジオさんが、大きな模型を作ってくれました。

模型はかなりの労力がかかること、内装設計が変化しつつある中でどこで作り始めたらよいかの判断が難しいこと、模型がお役目ごめんになった時の処分が大変なことなどから、カガミ建築計画では長らく作っていませんでした。

しかし、Lさまご夫妻の前にこの模型を置いて天井を外して覗き込んで頂いた時の喜びようは、模型の効用の大きさを本当に強く感じる瞬間でした。

今回の模型はスケールもかなり大きく、素材やディテール、さらには内部の造作家具や置き家具まで作っているので、その準備もそれなりに大変でした。全ての壁や造作家具のデザインを一通り決めるためにこういったラウンジのテレビ壁の造作家具のデザイン検討をしたり、

特注で作る大型のスライド扉のディテールも早めに検討する必要がありました。

廊下壁面の造作本棚と一体に見えるミニキッチンも細かい使い勝手や素材などを検討したうえで、模型製作に入ってもらったのです。

その造作本棚とミニキッチンの模型がこちらです。右奥のラウンジのテレビ壁のデザインや間仕切りの特注スチール引き戸のディテールもキチンも模型に反映されていますね!

因みに、同じ個所をCGでも書き起こしてみました。ミニキッチンのバックセットに大理石を貼る予定なのですが、模型だと中々表現しにくいので、大理石の柄をかえた2枚のCGを作ってみたのがこちらです。

目線で見ることができたり、小物が入った様子を確認できたり、ここではお見せしていませんが、夜景などを確認できること、正面のカラーガラスなどの素材の表情を見比べることができるのはCGのメリットですが…、

誰がどのようなプロセスで作ったかが良く分からないCGと比べると、ハクの後藤さんと関さん、その手伝いの方が作った模型は工芸的な楽しみありますよね。ソファがリアルに作られているだけで、どうやって作ったんだろう、とにかくすごいなと感心してしまいます!

こうやって俯瞰で見ると、空間同士のつながりが良く分かるのも模型の効用ですね。ラウンジのソファの背面壁の後ろにはウォークイン。クローゼットがあるのだなと、直感的に理解することができます。

こちらはウォークインクローゼット部分の模型です。ガラス天板の引き出しや、鏡張りの建具まで表現されているのです。

主寝室のレザー張りのバックパネルがカーブして、造作飾り棚の中に差し込まれているといった設計者こだわりのディテールも模型に表現されているのは、一緒に設計をしているハクさんが模型を作ってくれているから分かってもらえるのだと思います。

間取りについてのブログでご紹介した、変形のランドリールームもこのようなアングルで模型を見ると、隣室との壁位置の絡みが良く分かって、納得しやすいとLさまご夫妻も喜んでくださいました。

こちらは事前に撮影した模型写真ですが、模型空間の中に携帯電話を突っ込んで目線の高さに合わせて撮影すると、よりリアル度が高まりますね。

ハクの後藤さんが模型に携帯を差し込みながら、内部を歩いている様子を動画的に奥さまにお見せしている様子です。CGはリアルっぽくて、出来上がりを想像しやすいと良く言われますが、ずっとCGを見ていると飽きてきてしまいます…。それに対して、模型はとにかく楽しい、皆で見ているだけで盛り上がる、模型を回転させたり、携帯を差し込んだりと長く飽きないというメリットがありますね。

最後の写真は、真上から模型を見下ろしたものです。
後藤さん、関さん、素晴らしい模型の製作、どうもありがとうございました。お陰さまで、打ち合わせが本当に盛り上がりましたね!