Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

千代田区O邸のインテリア検討

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリープロジェクトの紹介ブログです。
千代田区O邸ですが、先日の新築マンションの内覧会同行で分かったことを図面に落とし込みつつ、インテリアの提案を進めております。

こちらは今の時点で考えているインテリア素材を並べた様子です。現地を見るまでに考えていた案では、もう少しグレイッシュなインテリアでしたが、Oさまご夫妻からのご要望で、もう少しベージュテイストを混ぜて少し柔らかいイメージに訂正している最中です。

テレビを背負った壁の素材が、グレーの大理石調タイルから本石のオデッサベージュに変えています。本磨きと水磨きを交互に貼る仕様へと変更することになりました。それと合わせて、窓に取り付けるブラインドの色も変わってきます。ブラインドはザ・ライブラリーでもよく使う、ハンターダグラス社のシルエットシェードの色見本から選んでいます。

家具については、すべてをアルフレックスの国産で纏めた案(上のCG)と、アルフレックスのより高額なソファにイタリア製のモルテーニのラウンジチェアを混ぜた案の2つの案(下のCG)を、価格目安とともに見比べて頂いた結果、モルテーニを混ぜる案で進めることが決まりました。ダイニング上の照明器具はモーイーのヘラクレイムをCGで入れてみて欲しいとのご依頼で入れてみたところ、ぜひこれで進めたいとのことになりました。
以下、続きはザ・ライブラリーブログをご覧ください。

リノベプラン大変更!

新宿区T邸

ここまでリノベーション案の作成から、インテリア打合せ、家具提案、そして工事会社の見積り調整まで順調に進んできた新宿T邸ですが、工事契約直前に奥さまが体調を崩されたことがキッカケとなってプランから大変更することになりました…。
工事契約予定日の数日前に、Tさまの奥さまから体調が悪いので、契約の日程をずらして欲しいとのご依頼があって、約1カ月経った頃に、工務店を抜きにして相談したいことがあるとのご連絡を頂きました。担当スタッフの岸本さんと前田君と、リノベーション計画自体がキャンセルになる可能性もあるかも知れないと覚悟を決めてお打合せに臨んだ所、以下のようなお話を伺いました。

  • これまでは子どもたちが大きくなって結婚した後も、実家であるこの家に帰ってきた時に暮らせる部屋を作っておこうと考えていたこと。
  • 前々から長男の結婚のお話しがあったが、正式に結婚が決まったこと。
  • 自分たちが結婚した後に家族揃って実家に泊まりに行ったことはなく、結婚した長男夫妻が泊まりに来ることはまずないので、予備室は不要だと考えたこと。
  • インテリアも、今の家をガラリと変えたいとの希望から、自分たちが本当に好きかどうかちょっと分からないけれど、白と黒のコントラストの強いインテリアを希望してきたが、自分たちが以前から好きだったもう少し淡い、グレージュトーンのインテリアに変更したいこと。
  • 洗濯時のガス乾燥機は当初のリノベーションの重要な要素だったので、もう一度設置の可能性を探って欲しいこと。
  • まだきれいな浴室は残そうとの設計側からの提案は、予算的には嬉しかったが、それが足かせになって間取りの制限になっていることもありそうなので、浴室もゼロベースで考え直して欲しいこと。
  • もしかしたら、これまで作ってきた案に戻ってしまうかも知れないけれど、一旦ここまでの案をゼロベースに戻したうえで、全く違うリノベーション案を作って貰えないか?

とのお話しでした。

パズルではないので、闇雲にプランを作っても実際には暮らせない間取りが出来てしまいそうなので、まずはリビングとキッチンの位置関係、ガス乾燥機の乾太くんが設置できる場所、既にイタリアに発注してしまっているウォークインクローゼットをレイアウトできることをベースに、エリア分けをしたチャート図でまずは考えてみたのがこちらです。
これをベースに岸本さんが幾つかの案を考えてくれました。途中の③案からとなりますが…、

こちらはキッチンとリビングの関係は変えずに、ビューバスというほどの景色が期待できるわけではありませんが、自然光が浴室に入るように窓際に浴室を持ってきた③案です。

キッチンの位置を大きく変えて(と言っても実は今のキッチン位置と重なっていますが…)、主寝室を大きくして、細長りユーティリティーを作ってみた④-1案がこちらです。

上記の案をベースに、キッチンからウォークインクローゼット(WIC)を通り抜けて主寝室にも行ける案がこちらですが、リビングから主寝室に行くには、キッチン&WIC経由か、玄関ホールを通らないといけないという変則的な④-2案です。

寝室部分は前の案と同じままで、奥の寝室をつぶした分、キッチンを奥まで長く伸ばした、巨大LDKの⑤案がこちらです。

さすがに巨大LDKは大きすぎるだろうと、キッチンレイアウトを変更して見たのがこちらの⑥案です。弊社事務所内では、こうやって色々な案を考えてみても、やはり「ここまで時間を掛けて練ってきた見積り案がベストだという結果に戻りそうだよね…」と思っておりましたが、お客さまのTさまからは巨大LDK案で進めてみたいとの驚きの(失礼…)結果となりました。更に水回りについては⑥案を組み合わせて欲しいとのご希望でした。
そしてまずはこの合体案で進める大枠が決まってCADで図面を書き進めている間に、奥さまからここまでフルオープンなキッチンは使いづらいかも知れないので、何らかの方法で隠したりオープンにすることができないかとのご相談がありました。

そこでキッチンのアイランドカウンター端部に壁を作って、左右の通路の幅の建具を引き込めるような工夫を考えてみました。ただ、キッチンの面積は大きい割には収納量も少なく、歩く距離が長く使い勝手が悪そうなので、従来のキッチン案のレイアウトを参考に以下のような案にブラッシュアップしてみました。

シンクのある対面カウンタは引き戸2枚でダイニングと区切ることができること、また、アイランド状に作ったコンロカウンターの背面に家電収納としても、また奥さまのちょっとした書斎としても使えそうなカウンターができたこと、そことガス乾燥機の乾太くんを入れたユーティリティーとの連動制も良さそうだとのことで、この案で進めることが正式に決まりました。
プランも結局総入れ替え、家具も含めたインテリアテイストもかなり変わってくるので、もう一度設計し直すことになりそうですが、これでTさまご夫妻の満足度が高まるのであれば本望です!

GIGIのワードローブシステムとNODEAのアルミ引き戸

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリープロジェクトの紹介ブログです。
恵比寿A邸の主寝室奥には、スタイリッシュなワードローブ(ウォークインクローゼット)を組み込んでいます。

こちらは組立て完成後のワードローブの内部です。

ザ・ライブラリーとして、今回初めて採用したGIGI(ジジ)のクローゼットシステムです。「イタリアの洗練されたデザイン」×「世界に誇る日本の技術力」=「見せる収納という概念」というのがジジのコンセプトとのこと、イタリアでデザインされたシステムを日本でオフィス家具で定評のある秀光が作って組み立てる形で販売するワードローブシステムです。

実はクローゼットシステムより先に寝室とクローゼットの間仕切りとなる、ガラス扉をどうするかで随分と悩みました。価格を優先すれば日本製のメーカーに、デザインを優先するとイタリアのリマデシオが候補に上がりますが、コロナ以降納期のコントロールが難しくなっており、どうしようかと悩んでいた時に、NODEAが今回のような小さな建具もトライしてくれるとのことになりました。ザ・ライブラリーのメンバー全員で横浜のNODEAショールームに見学に行った際の様子がこちらです。

富裕層向けの超高額帯のサッシしかお願いできないと思っていたのですが、是非ザ・ライブラリーと一緒にお仕事をしてみたいと意気込みを見せてくれて、価格帯としてはリマデジオより安価に、日本の他社製品よりはるかに細くシャープなサッシを提供してくれることになりました。

こちらが最終的に組み上がったNODEAの引き違いサッシです。そしてノデアの営業担当の戸村さんから伺ったのですが、GIGIであればNODEAのサッシと同色でクローゼットシステムを組むことができることを知りました。NODEAが日本でこれから幅広く展開してゆくために、色々な日本のブランドと組んでいる中で、GIGIもその一つであることを知り、そこからクローゼットシステムの第一候補としてGIGを検討することになりました。

デザイン担当スタッフの前田が、GIGIと細かいやり取りを何度も行って、建築工事でどうしても必要となるクリアランスなどの問題をクリアしてクロゼットを製作して貰いました。

あまり広くない空間に大量の家具を組み立てるので、中々大変な作業だったようです。
以下、詳細はザ・ライブラリーブログをご覧ください。