代々木上原I邸のお客さまから、主寝室のベッド横のサイドテーブル(ナイトテーブルやナイトスタンドとも呼ばれます)を特注で作りたいとのご要望を頂きました。
ミニロボットのような可愛らしいプロポーションのサイドテーブルを2台デザインさせて頂きました。
オーダーのサイドテーブルを置く前の状態はこのように壁にニッチを作っただけの設えでした。実は当初の計画では、サイドテーブルを購入する予定で計画を進めていましたが、ベッドのヘッドボード造作の工事をお客さまのIさまが見学にいらっしゃった際に、折角の壁の厚みがあるので、そこに棚を作って貰えればサイドテーブルは不要なのではとのお話しがあって、このようにデザインになった経緯がありました。
その後実際に暮らしながら使ってみると、ベッドに横たわった状態ではニッチでは使いにくいとのことで、こちらのデザインにあったサイドテーブルを特注でデザインして欲しいとのお話しになりました。
まずはニッチの中にすっぽり差し込まれるタイプのサイドテーブルのアイデアを担当スタッフの神崎さんに図面がして貰いました。
その上で、神崎さんと造作家具をお願いしている現代製作所の藤田さんと三人でご自宅に伺って、大よそのサイズ感を確認して頂きました。
基本的な仕上げの材料はヘッドボードやすぐ横にある家具の仕上げと揃えることが決まっていましたが、サイドテーブルの上面に張るエコレザー(人工レザー)の色味だけをIさまと一緒に決めさせて頂きました。
オークのふき取り仕上げと、ライトグレー色のエコレザー、そしてカラーステン仕上げの取っ手の組み合わせとなりました。
造作用の図面作成と見積りのために藤田さんが現調をしてくれました。
現代製作所が作ってくれた製作図に対して…、
カガミ建築計画で真っ赤に注釈を入れて返した図面です。現代製作所は造作家具のプロですから、家具の作り方についてはどこにもケチをつける所はありませんが、僕らが書き加えたのは使い勝手を如何に良くするかの観点から赤チェックを書き加えました。
サイドテーブルの使い方としては、
- 寝ている間にスマホを充電すること。
- テレビリモコンややスタンド照明、寝る前のドリンク置き場
- 読みかけの本や雑誌、読書時のめがね収納
- 寝る際に使うアイマスクやヘッドホン、アクセサリー用の引き出し収納
といった用途でしょうか…。
中でも最も重要なのはスマホの充電ですね。
以前はサイドテーブルの上面にコンセントを付けたこともありましたが、意外と刺したコンセントが目立ってカッコ悪く見えることもあったので、今回は壁のコンセントを延長してUSBタップをオープン棚に入れておくことにしました。
製品としてはいたって簡単なものです。
床付近の壁に元々あったコンセントからUSBタップのコンセントを伸ばして…、
収納背面を通して…、
オープン棚の上部において置くというシンプルな構成です。横に空いている孔が…、
ベッド側のサイドに空いている孔となり、ここから事前にスマホの充電用のコードを差し込んで、垂らしておくという算段なのです。
正面から見るとこのような作りですが、
脚は少し凹ませているので、ベッドの上からは浮いているように見えるようにデザインしています。ベッドは取り付け工事の際のホコリが載らないように養生されています。
テーブル上面のスティッチ入りのエコレザーもきれいに収まっています。スマホやコンセント、ドリンク類を置いた時にもレザーのお陰で音もせず、使い勝手もとても良いとIさまに誉めて頂きました!
以下は、これまでにカガミ建築計画でオーダーで作ってきたベッドサイドテーブルを紹介いたします。
天板面をレザー張り面と少し凹んだトレー状の面を作って引き出しのほかに大き目の収納を作った事例でです。
少しクラシカルなデザインになるように正目から見た時に縁が回るようにデザインした元麻布I邸のナイトテーブルです。
中央区S邸では、ベッドで簡単な食事ができるように引き出し引きトレーをサイドテーブルに仕込みました。荷重が前面に掛った際に傾かないように家具内で背面壁にシッカリと固定しています。
港区R邸のご主人さまの寝室サイドテーブルは、重厚な寝室インテリアに合わせて、大理石とシャム柿の突板を合わせた濃厚なデザインとしています。
渋谷M邸では、ベッドとヘッドボード、サイドテーブルと書斎テーブルまですべてが一体化するデザインとしています。
特注のヘッドボードと一体型で、飛び出すようなデザインで作った六本木N邸のサイドテーブル(というよりサイドカウンターですね…)もコンパクトながら照明器具とコンセントとスイッチと引き出しを組み合わせたデザインとなっています。