Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ザ・ライブラリー_横浜S邸プロジェクトのプレゼン

ザ・ライブラリー

TAGKENとの協働リノベーションブランドのザ・ライブラリーも、複数のプロジェクトが動き出して、段々と忙しさが増してきました。新築マンションの横浜S邸のプロジェクトのCGプレゼンを弊社事務所で打ち合わせ室で行いました。

ザ・ライブラリー_横浜S邸プロジェクト

完成まで1年以上前から模様替えのグレードアップ案か、ある程度やり直し工事を含むプレミアム案かを比較検討するために、色々なCGをご用意してお見せしました。

ザ・ライブラリー_横浜S邸プロジェクト

上段が何もオプションなしで作った場合、中段がグレードアップ案、下段がプレミアム案となっています。

ザ・ライブラリー_横浜S邸プロジェクト

今回はTAGKENの最新鋭コンピューターとモニターを弊社打ち合わせ室に持ち込んで、その場で仕上げ材を交換したり、扉の開け閉めをした様子をお見せしながらのプレゼンテーションとなりました。この続きは、ザ・ライブラリーのブログをご覧ください。

ケーシングとモールディングとパネル壁装飾

代々木上原I邸

代々木上原I邸の現場では、装飾扉枠であるケーシングの取付けが始まっています。

ケーシング枠の取付け

枠自体には装飾はほとんど施されていませんが、厚み20ミリ、幅100ミリの白く塗装されたカッチリとしたケーシングが回っています。左側の枠の扉は開き戸で、右側の床が一段上がっている洗面所に取り付く扉は引き戸になります。それでもケーシング枠は同じに見えるように工夫をしています。

ケーシング枠製作図

ケーシングは壁と扉を明確に分ける要素です。床と壁を分ける巾木と同じ色味で壁を一回りしていきます。モダン建築では、壁と扉を一体化させることも多くありますが、クラシカルな要素のケーシングを使うと、扉自体を引き立ててくれるのです。大きな壁の中央にケーシング付きの扉が付く場合は、本当にシンプルな納まりになりますが、廊下の幅が限られた中でのケーシングは色々な工夫をしないと扉がケーシング分だけ狭くなってしまうのです。

ケーシング枠の取付け

洗面所側から見た、同じ2本の建具のケーシング枠です。因みに右側の白く見える枠は、浴室のステンレス枠で、白いのは養生用のシートです。

ケーシング枠の取付け

扉の高さが変わってくると、当然ケーシング枠の取り付け位置も変わってきますが、同じ寸法のケーシング枠を使って、扉の装飾のバランスをとるときれいに見えるのです。

ケーシング枠の取付け

因みにケーシング枠は壁のボードより先に施工します。建具枠一般的なことですが、枠が出来てからようやく石膏ボードを張ることができるのです。既製品の扉ではシンプルな枠が付いてくるセットとなっていますが、複雑なケーシング枠を作る場合は造作家具より先行してケーシング枠のディテールを納める必要があるのです。

壁面装飾の下地

上階の寝室では、壁の装飾パネル作りも進んでいました。

壁面装飾の下地

パネル壁装飾と言っても、実際にパネル状のものを壁に貼り付けるのではありません。昔は建具のようにパネルを作って、それを壁に貼り付けていたようですが、今は壁と一体型で見せたいので、壁にモールディングを取り付けてから塗装したり、今回は逆に壁の一部を凹ませてパネル状に見せるデザインとしています。

壁面装飾の下地

凹ませる部分をどう作るのかは、色々な選択肢があります。簡単に作る場合はフクビ等のプラスチック製の見切り材を入れるだけでもできますが、プラスチック部分への塗装の載りが悪いので、今回はユニットバスの枠などによく使われるカイダー材を使っています。硬質合成樹脂製のカイダー材は耐水性に優れ、結露対策にも効果的、木のように加工施工が簡単だという性質があります。

塗装下地用のパテで隙間をボードとカイダー枠の隙間を埋めてフラットにして、白く塗装します。

仕上がった壁面装飾

こちらが仕上がった壁の様子です。通常の少し出っ張ったモールディングを使ったパネル壁に比べると、モダンに仕上がってきます。壁面にキャビネットを置いたり、アートを掛けたりする場合に出っ張りがないので使いやすいというメリットもあるのです。

先日ご紹介したマントルピースを設置した壁は、家具を寄せて設置することは無いので、通常の出っ張ったパネル壁の作りとしています。

ミハシの木製サンメント12×21のモールディングをボード壁に接着したものとなります。

こちらは塗装で仕上げると、このような風情になります。

モールディング加工

壁と天井の見切り材でもあるモールディングの加工も始まっています。モールディングは日本の装飾部材のトップメーカーであるみはしの既製品を使っています。コーナー部分のトメ加工(45度に切ってすり合わせる加工)のためにガイド付きのスライド丸鋸を大工の矢野さんが用意してくれています。

巾木材

長物の巾木材や、階段下の扉用の無目(ムメ:溝のついてないフラットな木製材)の枠材や巾木材も現場に入っており、順次加工されて取り付けられていく段取りとなっています。

間借り壁施工

メゾネットの下階のこちらは、キッチン周りのカーブ壁です。養生材でほとんど隠れていますが、水でぬらすと曲げることができるFGボードで加工されたカーブ壁の下地が出来ています。正面壁も木製下地が入っている個所には、マンションのインターフォンや照明スイッチが入るボックスが仕込まれる下地です。

在来工法浴室のブロック下地

カガミ建築計画としては珍しい在来工法での浴室はコンクリートブロックの下地が出来ていました。

ボッチのガラス照明シェードの検品

こちらは担当スタッフの神崎さんが、施工をお願いしてる青の初台の事務所に行って、納品されたボッチのガラスシェード:28シリーズの照明器具の検品に立ち合ってきた様子です。

ボッチのガラス照明シェードの検品

全て手吹きのガラスなので、細かい気泡等は個性として捉えることができますが、割れやヒビが無いかを手袋をつけて全品確認してきてくれました。

スタジオノイの照明シェードの検品

こちらはボッチと同じスタジオ・ノイが扱っているオルーチェというブランドのキンというペンダント照明のシェードです。ウォークイン・クローゼットのアイランドカウンターの上部に取り付ける予定です。

スタジオノイの照明取付けプレートの検品

大小4つのペンダント照明を、高さと位置を違えて吊るす予定で、そのためのベース部材もオルーチェから取り寄せています。

千代田区M邸の一年点検

千代田区M邸

昨年に竣工お引渡しをさせて頂いた千代田区M邸に一年点検で伺わせて頂きました。

とてもきれいに暮らしていらっしゃって、半年ほど前に写真撮影に伺わせて頂いた時から少し調度品が変わった程度で、キッチン以外はほとんど生活感がないギャラリーのような空間でした。

奥さまが設えを愉しんでいらっしゃる玄関には、黒田泰蔵さんの最初から金継ぎされている珍しい白磁が手に入ったと飾っていらっしゃいました。

実はお引渡し前から発注していましたが、発売がのびのびになっていたCERAの黒い水栓がようやく施工会社の青の所に届いたとのことで、仮の水栓との交換もこの日にさせて頂きました。

検査については、左官仕上げの壁と天井は、微細にヒビが幾カ所か入っていましたが、中途半端な補修すると却って補修した部分が目立ってしまうので、ヒビが入った個所はこちらで記録しつつ、今後の経過を見守ることになりました。

室内側から、施工をお願いして、本日の検査にも付き合ってくださったの現場担当の石坂さん、片岡社長、弊社担当の前田君が窓際のヒビをチェックしている様子です。

ただ、洗面所の洗濯機収納の扉の端部は、この写真のように塗装面が大きく剥がれてしまっていたので、扉ごと持ち帰って補修することとなりました。

もう一点は、ベランダのウッドデッキ材の反りのことでした。対候性が高いセランガンバツ材でしたが、何カ所かはデッキ材が反ってしまい、ビスが緩くなっていたり、縦に避けてしまっている材が見つかりました。こちらについては、反ったり割れたりしてしまった材は交換することとして、更に他の正常な材も含めて、保護塗料を全面的に塗ることとなりました。交換については無料サービスですが、保護塗料の塗布については見積りを算出して、Mさまに費用を負担して頂くことになりました。

エンジニアのMさまはステレオもご自身で組み立てるような方ですが、最新のTOTOの便器が付属品のリモコンスイッチでは、上ぶたと便座は同時に開け閉めしかできないことが嫌だったとのこと、TOTOにリモコンの周波数を確認したうえで、お手製のリモコンを作って、上ぶたと便座それぞれを独自に開閉できるように工夫したと、ご自慢のリモコンをご披露してくださいました!

「とにかくきれいな住まいで、好きなものしかインテリア素材として使っていないので、本当に気に入っている」と、ご夫妻揃って誉めて下さり、とても和やかで楽しい一年点検となりました。お忙しい中点検にお付き合いくださったMさまご夫妻、どうもありがとうございました!