Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ワンちゃんにも適した高級フローリング張り

関西I邸

関西I邸のIさまご一家は、ご夫妻にお子さまが3人にワンちゃんが1匹の大家族です。お子さまたちだけでなくワンちゃんも快適に過ごせるようなお宅になさりたいとのこと、フローリングはしっかりとワンちゃんのツメが引っ掛かりながらも、自然系のUVワックスオイルが効いて耐水性及び耐汚性に優れたものをとのことで、ノルド(ADワールド)を採用しました。

フローリング張り@関西I邸

UVワックスオイル仕上げとは、フローリングの表面に特殊な天然系ワックスオイルを塗り、紫外線を照射させて硬化させた仕上げのことです。三層フローリングならではの表面の無垢感、表面仕上がりもツルピカではなく、細かくザラついており滑りにくくなっています。

フローリング張り@関西I邸

こちらが現場に置かれていたノルドの箱詰めされたフローリング材です。ノルドシリーズの中でも僕らが一番良くお願いしているモハベでと考えておりましたが、ADワールドからウクライナの戦争のことで、モハベが間に合わなくなってしまったとのこと、モハベより少し明るめのカフィーラをリビングダイニング側で採用することになりました。

フローリング張り@関西I邸

ちょうど現場ではフローリングを張っている最中で、梁終わった個所から順次養生シートが仮置きされていきます。ワンちゃん用フローリングで検索すると、大手メーカーのペット用に特化した床材が幾つか出てきますが、それらは仕上げ材としてみると、どうしても安っぽいので、人が暮らすうえでの上質感がありつつ、ワンちゃんにも対応しているということで、弊社ではこのノルドシリーズをお勧めしております。

フローリング張り@関西I邸

こちらは玄関エリアのフローリングです。コンクリートがむき出しになった部分がタタキで、こちらには大理石調タイルを張ってゆきます。

フローリング張り@関西I邸

タタキ側から見返した玄関ホールの床です。立派な玄関框(カマチ)は設けず、段差部分にステンレスのヘアライン仕上げの板を張ったシンプルでモダンなライン框とする予定です。

フローリング張り@関西I邸

床仕上げもまだリビングダイニングの3分の2程度しか張られていませんし…、

フローリング張り@関西I邸

床以外の仕上げ材が張られていないので、空間の全容は見えていませんが、広々とした伸びやかな空間が着実に出来てきていることを感じました。

フローリング張り@関西I邸

デザインもスタイリッシュで、仕上げ材も凝っているリビングダイニングキッチン側に対して、プライベート空間はシンプルにして、費用も抑えようとしているので、フローリングも途中からリーズナブルなものに切り替えています。この写真のピンクのテープが張ってある側がLDKのノルドで、それに直行しているフローリングはIOC社オーク20イザベルマットコート仕上げです。

こちらは、お客さまのIさまにモハベ色から代案のカフィーラに変更する際に、併せてIOC社のフローリングの色合わせも確認して頂いた際の写真です。因みにノルドシリーズのフローリングをIOCのフローリングに50平米(プライベートスペースのフローリング面積)分変えることで、約23万円程度の減額をすることができました。フローリングの幅も長さも違う製品ですが、空間の大きさも違うので、ほとんど違和感を感じませんでした。
因みに、安価なIOCのフローリングはノルドに比べるとツルっとしており、ワンちゃん対応としてはあまり良くありませんが、日中も夜も基本はワンちゃんはLDKに居ることになるので、こちらでOKとのことになりました。

間接照明ボックス

フローリング以外にも、木工用の部材が現場に入っていました。こちらは天井の折り上げ部分に間接照明を隠すための見切り材です。切断面を見ると集成材であることが分かりますが、仕上げにはオークの突板が張ってあるので、仕上がってくると無垢のように見えるのです。

フローリング張り@関西I邸

冬の日中の日差しが入ってくると、低層で緑に囲まれたお宅ですが、西側の窓から燦燦と日が差し込んできます。こちらの窓には日差し対策でスクリーンを入れる計画となっています。

屋根裏収納の窓@関西I邸

吹き抜け上部にみえる箱状の物体(笑)は、従来からあった屋根裏収納ですが、自然光も入らず、空気も淀んでいたので、吹き抜けに面した壁対角の2カ所に写真のような開口枠を設けて、自然光が入り、風の流れができるように工夫しました。

造作家具打合せ@関西I邸

現場視察の後は、毎回の工務店との詳細打ち合わせです。

家具が入った状態での施主検査@乃木坂U邸

乃木坂U邸

ネオ・クラシカルなリフォームの乃木坂U邸の工事が終わり、Uさま夫妻に来ていただいての施主検査を行いました。

乃木坂U邸の施主検査

ブログは時間逆転で、まずは検査後のお決まり(?)のお客さまとの記念撮影からです(笑)。

乃木坂U邸の施主検査

当日はまずご主人さまが最初にいらしてくださり、検査を始めさせていただきました。通常のリフォーム&リノベーション工事の施主検査は、家具やインテリアが入っていないまっさらな状態で行うことが一般的です。カガミ建築計画では、家具やインテリアも建築工事と同じ程度の重要度で考えているので、家具インテリアが整ったところで初めて完成として、もうすぐにでもお客さまが住めるような状態になったところで検査をお願いしているのです。

乃木坂U邸の施主検査

家具が入った状態での検査のメリットは、

  • 暮らしの目線で気になる箇所、使い勝手の確認ができること
  • 普段行うことのない「検査」で、お客さまが緊張せずにリラックスしながら検査できること

の2点だと思っています。ネットで施主検査、あるいは竣工検査と調べると、なぜか工事をする施工側を疑う視点で、細かい部分の傷や汚れを見逃さないようにチェックするように書かれています。天井裏を覗き込むための手鏡や、水平器などを持ってゆくように勧めているサイトもあります。
実際には工事がほぼ終わった段階で天井裏をチェックしても良いことはなく、そこまで気にするのであれば工事最中に現場を訪問すべきですし、僕らカガミ建築計画がお手伝いしている場合は、設計監理の僕らが工事最中から天井裏や床下、壁裏に隠れた不具合がないかを確認し、写真やブログでお客さまに情報提供しているので、不要だと考えています。

乃木坂U邸の施主検査

施工側がインチキをしていることを前提に細かい部分に集中して、重箱の隅ばかりをつつているより、実際に暮らす視点で見ることの方が重要だと思っています。立ったままでチェックするより、椅子に座った低い姿勢で見える壁や床などをチェックしたり、お掃除をする視線で、家具の隙間などを見ていただく方が余程、その後の暮らしの為になると考えています。よくありがちな検査のための検査にならないことが何より重要だと思っているのです。

ちなみに、家具が入った状態でのデメリットは以下のことだと思っています。

  • 家具やラグなどの下に隠れてしまった箇所のチェックができないこと
  • チェック後の補修が大掛かりになった場合、入れた家具を動かしての補修になってしまうこと

勿論家具で隠れてしまう箇所も設計監理側ではチェックしていますし、家具を入れても良い状態になるまでキチンとみていますので、上記の問題はクリアできていると思っています。

乃木坂U邸の施主検査

実際には実務上、工事完了のタイミングを待って家具(特に時間のかかる輸入家具)を入れるのは大変なのでですが…。
食後のお片付けを家族内で担当しているUさまはキッチンの使い勝手や清掃性がとても気になるとのことは、当初のお打ち合わせから伺っていたので、工事をお願いしたリフォームキューの営業/設計の坂本さんと一緒にその視点で細かくチェックしていただきました。

乃木坂U邸の施主検査

ただ、キッチンについてもフルオーダーで作ってもらったキッチンで、使い勝手や収納については何度も打合せをしてご納得の上で作っているので、大きな問題はなさそうでした。僕らの設計検査の際に、キッチンの2段カウンターの出隅がとがっていると、お子さまがぶつかったときに危険なので、キッチン屋のリネアタラーラにお願いして隅を面取りしておいたことなどを喜んで確認してくださいました。

乃木坂U邸の施主検査

お客さまもリラックスした状態で、これからの引っ越しに際して、まだ足りていない家具やインテリア備品の購入の準備、そして加湿器やお子さま用のおもちゃやお絵描き道具をどこにどうおいてゆくかを皆で一緒に考えさせていただきました。

乃木坂U邸の施主検査

そうこうしているうちに奥さまも来てくださりました。ご主人さまは、検査前にも現場に幾度か寄って見てくださっていましたが、奥さまはまだ下地だった頃しかご存じなかったので、テレビの「劇的リフォーム」番組のように喜んで下さいました!

乃木坂U邸の施主検査

リビングダイニングもキッチンも玄関も喜んでくださいましたが、お二人が最も気に入ってくださったのが、LDから寝室へと続く廊下に設けた通り抜け型の洗面カウンターでした。

二層を2回に分けて工事するメゾネットリノベ@ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリーブランドでお手伝いしてる中央区の高層メゾネットマンションリノベーションプロジェクトのS邸の解体工事が始まりました。

床はフローリングが剥がされましたが、これから床暖房パネルとパーティクルボード、遮音置床下地まで撤去される予定です。天井も少しでも天井高さを上げたいので、元々が下がり天井になっていたキッチン周辺はLGS下地ごと撤去することになっています。

現場監督の栗原(左)と田口(右)と前田(中央)と上田(写真フレーム外)と各務(撮影者)で吹き抜け部分の工事スケジュールをどうすべきか相談しております。というのは、今回の工事は設計スケジュールやお客さまの予算の事などから、メゾネットの上下階を分けて工事をすることになっているので、吹き抜け部分の何の工事をどちらに含めるかで、工程が大きく変わってくるのです。天井まで届く櫓のようなタワー足場を組む必要があるのですが、それをどのくらいの期間置いておくのかを相談致しました。

〈中略〉 ここまでで大よそ決まってきた下階の仕上げ材ですが、それらを現地の光環境の中で見て頂くことと、幾つかの未決素材を決めるために、きれいに下地まで撤去された現地の床に白い紙を敷いた上に素材を並べてみました。
以下、続きはザ・ライブラリーのブログをご覧ください。