Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

18年ぶりの訪問!白金T邸

リフォーム

18年前に竣工お引渡しをした白金T邸に、本当にお久しぶりにお邪魔して参りました。

白金台T邸

リフォーム計画に取り掛かった18年前の当時で築32年のヴィンテージマンションでしたが、今になってみると築50年の超ヴィンテージとなっています。実はこのマンションの建て替えが決まったとのことで、家具の取り外しができるかどうかの確認をして欲しいとのことで、Tさまからお電話を頂きました。

因みに、こちらは竣工お引渡し直後のTさま邸のリビングダイニングの写真です。Tさまは白金&白金台エリアを生活の拠点としていらっしゃるので、よく道でお目に掛ってご挨拶はしておりましたが、ご自宅に伺うのは18年ぶりのことでした。

白金台T邸

当時のカガミ事務所の図面が手書きだったからCADだったかすら覚えておりませんでしたが、引っ張り出した図面はCADで描かれていました。当時はまだマンションリフォーム専門ではありませんでしたが、斜線制限で斜めなった柱型や大きな梁型を隠す造作家具を多用した、凝った作りの工事だったことはよく覚えております。

白金台T邸

お引越し前で、荷物が散らかっているので恥ずかしいとのことでしたが、お願いして幾枚かだけ写真撮影させて頂きました。

白金台T邸

結論としては、取り外せるのはキッチンの家電収納家具だけで、他は造作家具として壁や柱や天井にノリとビスで固定されているので基本は取り外せないことを確認致しました。ここまできれいに使ってきたので、引っ越し先にも何か持ってゆきたいとのことでしたが、そのありがたい想いはほぼ叶わないことが判りました…。
3~4年後には、新しく建て替わったマンションに戻ってくるので、その時にはまた改めて相談に乗ってくださいと仰って下さり、設計者冥利に尽きるひと時となりました。

最近は、昔のお客さまから再リフォームの相談などもあり、先日も22年前に初めてのお仕事としてお手伝いした高輪のOさまから、老後に備えての再リフォームのご相談を頂きました。ただ、その際はお考えの案は費用対効果があまり良くないので、違う方法を考えた方が良いのではとアドバイスさせて頂きました…。

ファブリック生地選び@トミタ京橋ショールーム

代々木上原I邸

色々と事情があって、ブログの更新が滞っていた代々木上原I邸ですが、竣工お引渡し一年を機に、改めて途中からブログを再開することとなりました。見積り用の図面を施工会社の青に渡した段階で、ファブリックを見るために京橋のトミタショールームにお邪魔してきました。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

これまでファブリックと言えば、マナトレーディングで選ぶことが多かったのですが、ここまで判ってきたIさまの好みから考えて、今回はトミタにお邪魔しました。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

元々、洋服を見たり選んだり買ったりすることが大好きなIさまですので、建材や設備類を見ているときとは、ショールームに入った時の気持ちの高揚感が全然違ったようです!

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

布地の質感、滑らかさ、光沢感、色味を見比べながら、この生地をどこかに使いたい、この生地で家具を作りたい、或いはこの生地で洋服を作れないかと、発想が膨らむようで、このショールームだったら、毎日でも通いたいとのご感想でした。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

今回のショールーム訪問では一つ大きな目標がありました。主寝室のヘッドボードに使うファブリックの候補を見つけて、見積りの中に入れ込みたいのです。普段は人工レザーでヘッドボードをご提案することが多いのですが、レザーもお好きなIさまですが、寝室のヘッドボードはもう少し柔らかい素材で作りたいとのご希望でした。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

主寝室周りでここまで決まっている木目や、他の部屋で使う予定でIさまのテイストにあっている家具の張地などを見比べながら、ヘッドボードの候補生地を探してゆきます。が、どうも脱線しがちです(笑)。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

お気持ちが色々な処に飛んで行きそうなIさまを必死に追いかけながら、ヘッドボード生地の候補を探しました。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

そしてついに候補として見つけることができたのが、この右側にある少しツヤのあるスペインのLizzo社の生地でした。緞子張りにするにはある程度の伸縮性が必要なのですが、それも十分に取れそうだとのことも分かりました。ただ、イギリスから輸入する生地とのことで、国内在庫はなく、スペインの在庫もそれほど余裕がないことが判りました。トミタの場合、2週間ほどまでは在庫を抑えることができるとのことでしたが、それ以上の期間は抑えられないこと、工事契約まではまだひと月ほどは掛かりそうなので、それまで在庫がなくならないことを祈るばかりとのことでした…。

トミタ京橋ショールームでのファブリック選び

Iさまが先に帰られた後、トミタの担当者とファブリックの最終確認をさせて貰いました。上記の在庫抑えは延長できないことなどがはっきりしたので、工事契約の2週間前まで祈りながら待ち、その時点でまだ在庫があるようでしたら、在庫抑えをして貰い、工事契約と同時に工務店からトミタに発注及び入金をさせて貰う流れとすることにいたしました。

雑誌「I’m home.」の取材撮影風景@渋谷区Q邸

渋谷区Q邸

先日、インテリア雑誌「I’m home.」に渋谷区Q邸が掲載されたことをブログで告知しましたが、その一か月半ほど前に撮影&取材に来てもらった際の様子です。


実は今回発売された114号から、編集長が名物編集長と言われた角田絵理沙さんから、大南真理子さんに変わったのです。ただ、取材が決まった際も角田さんで、撮影当日も角田さんのディレクションでしたので、撮影時には編集長が変わることもこちらは伺っておりませんでした…。

以前であれば、撮影の1~2週間前に、事前視察をして、足りていないアートや調度品などをお客さまにも伺った上で、編集部側で用意して貰うのですが、今回はコロナで事前のゲネプロ(事前調査)ができなかったので、ぶっつけ本番でのインテリアセッティングとなりました。
レイアウトや調度品の飾り方、そして何よりカメラマンの撮影アングルに対しての角田さんのコダワリは相変わらずの迫力でした!

ナカサアンドパートナーズのカメラマンの方に撮影して頂くのは、これで2度目になります。お客さまご夫妻もどのように撮影してゆくのか、興味があるとのことで、会社を休んで(?)終日の撮影にお付き合いくださいました。

撮影の合間には、編集部の尾崎さんがお客さまご夫妻にどのような経緯でリノベーションを考えたのか、数ある設計事務所やリノベーション会社の中から、どうやってカガミ建築計画に絞ったのか、打ち合わせではどのようなご要望を伝えたのか等々、僕らも伺いたかったお話しを1時間ほどかけてヒアリングしてくれました。

僕らもQさま邸に伺ったのは約半年ぶりで、以前は家具や調度品がなく、生活感も感じられない空間だった寝室やクローゼット、シューズインクローゼット(SIC)なども、今回の撮影のタイミングで一緒に撮影させて頂きました。

主寝室奥のご夫妻のウォークインクローゼットや、

玄関横にある大容量のSICもご参考までに撮影させて頂きました。棚板はまだ多少の余裕はありますが、手前がご主人さまで、奥が奥さまというレイアウトで、ほぼいっぱいになっていました。

リビングの隅に設けた書斎コーナーもお二人のお手持ちのコレクションや本、調度品で素敵にコーディネートして下さっていました。

来客用トイレもアートや水回り小物が入って、とてもう良い雰囲気です。

この日はご夫妻お二人ともがお宅にいるとのことで、これからコロナが収まった後にホームパーティーを開く可能性のことも考えて、僕、各務の義理の姉で、イタリアンの出張料理人の岸本恵理子さんをご紹介させて頂きました。彼女は材料は持ち込みで、調理器具やお皿やカトラリーはなるべく訪問先の物を借りて料理を作るスタイルなので、この機会にキッチンを見て貰いました。

キッチン奥の調理機器やオーブンなどの仕様も見せて貰います。

特に大皿や大きなパスタを茹でる鍋、フライパンなどは重要なので、どのようなものが揃っているかをチェックさせて貰っていました。
朝9時から夕方4時まで掛かっての取材撮影でしたが、途中インタビューや、出張料理人の訪問、またここでは書いておりませんが、電気屋さんも入って照明の不具合の修理などもお願いしたので、あっという間に時間が過ぎていきました。
編集長の角田さん、長い間雑誌「I’m home.」を引っ張っての活躍、どうもお疲れさまでした。そして長時間の取材撮影に快くお使いくださったQさまご夫妻、どうもありがとうございました!