Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

マンションバルコニーの植栽計画

代々木上原I邸

従来の代々木上原I邸は、リビングからバルコニー越しに燐家が見えています。見えるのは社宅のようでほとんど使われていないのか全く人気のないお部屋のようですが、やはりいつ見られるかの視線は気になります。ブラインドで視線を遮ることはできるものの、日中はブラインドを上げておきたいので、常緑の植栽をベランダに置くこととなりました。

マンションバルコニーの植栽計画

こちらが植栽が入ったほぼ完成形の状態です。まだ、上からのブラインドが無い状態ですが、相当に燐家からの視線は遮られそうです。

マンションバルコニーの植栽計画@FUGA

これまで何件かのお宅でバルコニーの植栽をご提案してきたことがありますが、美的センスにこだわりのあるIさまにご満足いただける植栽となると普通の植木屋さんでは難しいので、まずは神宮前にあるFUGAのショップを訪問致しました。

マンションバルコニーの植栽計画@FUGA

FUGAは1階が花屋で、地下1階がより大きなプランツ等の植栽ショップとなっています。Iさまは地階に入った途端、FUGAのセンスの良さに反応して下さり、こちらにバルコニーの植栽計画を依頼したいとのことになりました。この日は、予約もせずに訪問したので、社長の仲村さんはいらっしゃらなかったので、改めて連絡して現地調査をして貰った上でのご提案して貰うこととなりました。

マンションバルコニーの植栽提案@FUGA

必要図面を送った上での現調後にまずは2つの案をFUGA仲村社長から提案して貰いました。まずはメールのやり取りでIさまと打ち合わせをさせて頂きましたが、どちらの案ともちょっとイメージが違うとのことで…、

更に2案提案して貰ったうちの、こちらD案が良さそうだとのことで、この内容でお見積りをして頂くことになりました。

マンションバルコニーの植栽提案@FUGA

お見積りと共に、お部屋のリノベーション工事のどのタイミングで植栽搬入に入って貰うのか、また、その際の搬入や養生計画、更には植栽完了後のメンテナンスのこともお話ししておきたかったので、家具が入ったI邸に仲村社長に来て頂いて打ち合わせをさせて頂きました。

マンションバルコニーの植栽計画

リノベーション工事をお願いしている施工会社の青との調整もでき、仲村社長が良いと思える植栽が揃ったので、床や家具を養生しての搬入据付が始まりました。

マンションバルコニーの植栽計画

バルコニーの壁際に3つ並んで、常緑で視線を遮る役目を主に果たしてくれるのはパールアカシアです。手前に緑色の果樹が実っているのはカラーアクセントとなるレモンで、プランターはより大きなものに植え替えます。左側に少し見えているは、後程反対側に移すオリーブです。

マンションバルコニーの植栽計画

植栽計画が完成して数日後の様子です。右手前の白いプランターに床から伸びている黒い線は自動的に水やりをしてくれる自動潅水装置のホースです。こちらの設定もFUGAがしてくれています。

マンションバルコニーの植栽計画

反対側から見た様子です。左側手前の花のプランターは季節ごとにメンテナンスに入ってお花を植え替るというユニークな提案で、この時期はノリウツギというお花だそうです。交換する時期にきれいなお花ということで、ダリア、クリスマスローズ、ラベンダーを今後順番に植え替えてゆく予定とのことでした。

マンションバルコニーの植栽@FUGA

ダイニングテーブルに座ってみたバルコニーの植栽です。緑が入ったことで、空間に奥行きと潤いが生まれ、空間が息をし始めたような感覚になりました!

リフォーム前の様子と比べると、窓周りのデザインとバルコニーの植栽のリノベーションでどれだけ空間が変わるのかが良くわかりますね。

お引き渡し後ひと月ほど経って、窓際にブラインドも入った際の様子です。エレガントな室内インテリアと活き活きとしてバルコニーの植栽越しの光が美しく、外部からの視線もほとんど気にならなくなりました。

マンションリフォーム一年点検の意味と醍醐味

乃木坂U邸

ちょうど一年前のクリスマス直前にリフォーム工事完了・お引渡しをさせて頂いた乃木坂U邸の一年点検に伺って参りました。
一年点検は、元々施工元であるリフォーム会社が行うもので、ビニールクロスの剥がれや塗装のヒビやハガレ(汚れは含みません)、扉や引き出しの不具合にエアコンやキッチン設備などの一年間保証期間内の不調などに対して、無料で補修を行うものです。一年を過ぎてしまうと、機器類などでは保証が効かなくなるものもあるので、なるべく行ってもらうようにお願いしています。
お客さまに問題個所をヒアリングしつつ、こちらでも施工した箇所を一通りチェックして問題が無いかを見つけてゆく作業となります。が、一年振りにお客さま宅を訪れると、ちょっと同窓会的な雰囲気(笑)で楽しい会話が始まるのが常なのです。

乃木坂U邸 一年点検

昨年のお引き渡し時期と同じく、ちょうど今年もクリスマスツリーが飾られていましたが、オレンジ色のソファの張地とツリーの赤いオーナメントの色が揃って、とても華やかできれいでした。

乃木坂U邸 一年点検

とにかく住み心地が良く、お子さまたちとの暮らしが楽しく、ご夫妻のご両親を始め、お招きするお客さま全ての方が素敵なインテリアに驚いてくださるとの、嬉しいお話しを伺いました。

乃木坂U邸 一年点検

中でも、だれもが驚くのが、この廊下に設けられた洗面カウンターだそうです!

乃木坂U邸 一年点検

廊下に洗面機能を移動したことで、機能重視で考えたユーティリティー&脱衣スペースは収納量もあり、シンプルながら使い勝手も良いと誉めて頂きました。

乃木坂U邸 一年点検

誉めて貰ってばかりいると点検の仕事にならないので(笑)、きちんと点検も行いました。玄関ホールの天井ですが、塗装にヒビが入っている個所がありました。他にもクロスの剥がれや、コーキングの隙間がありましたので、それらを補修項目として挙げていきました。
因みに、弊社では良く1年点検に立ち合いますが、これはお客さまと弊社との設計監理契約に基づいてのものでは無く、施工会社が行っている点検サービスに、お付き合いしている形になります。点検だけでしたら、施工会社だけでも十分なのですが、一年住んでみての感想を伺えたり、以下で挙げるように追加でお願いされる工事があるのも、一年点検の醍醐味なのです。

乃木坂U邸 一年点検

ひと通りの検査後に、Uさまから幾つかの相談事を頂きました。こちらはキッチン横のカウンター収納です。当初はカウンター下にワインセラーを入れて、上部に吊戸棚を付けてバーコーナーにする予定でしたが、予算の関係でワインセラーも吊戸棚も中止となっていました。使って一年経つと、カウンター上部の空間に収納が欲しくなってきたとのことです。ただ、壁面に張った大理石調タイルが吊戸棚で隠れてしまうのも勿体ないとのことで、何か工夫を考えて欲しいとのご依頼を受けました。

乃木坂U邸 一年点検

ダウンライトの位置もギリギリ避けているようですので、赤線で描いたような背面をオープンにした箱吊り戸を作って、内部と下部に照明を組み込んだ吊戸棚をご提案することになりました。

乃木坂U邸 一年点検

もう一つのご要望は、一年前のリフォームでは触らなかった主寝室のウォークインクローゼット(WIC)のことでした。以前お暮しのマンションのクローゼットよりは広くはなっていますが、バーがコーナーでクロスしているレイアウトなので、どうしても収納効率が悪いので、何か提案して貰えないかとのお話しでした。

乃木坂U邸 一年点検
WIC改造案

こちらはまだ、お客さまにもお見せしていないラフアイデアですが、上が既存のWICで、下が改造後のWICの案です。天井カセット式エアコンを動かさないギリギリのラインまで壁を移動して、3本のクロスしないハンガーバーを設置するという案です。

乃木坂U邸 一年点検

ご相談後との後は、各お部屋や収納などを拝見させて頂きました。こちらはリビングの暖炉脇の飾り棚です。

乃木坂U邸 一年点検

大理石製のマントルピースは、以前は出隅が白っぽくなっていましたが、下請けで施工をして貰ったキダマーブルに手直してをして貰ったことで、白い線が無くなりより無垢感を感じるようになっていました。

乃木坂U邸 一年点検

こちらは玄関扉横のニッチです。工事最中に壁裏に大きな隙間を見つけた際に、ご提案したものですが、車や自転車のカギを引っ掛けておくのにとても便利だと喜んで下さっていました。

乃木坂U邸 一年点検

お子さまとUさまが、クリスマス前のこれからの楽しいイベントについて、弊社担当スタッフの竹田さん、そして施工をお願いしたリフォームキューの坂本さんに説明してくれました。しばしの安らかなひと時に、皆心が癒されました!
今回のように一年点検で改めての追加リフォームのご要望を伺うことで、お客さまとの関係が継続してゆくことも、楽しみの一つなのです。Uさま、新年には改めてのご提案を致しますので、しばしお待ちください。

電動リクライニングベッドとリネン選び@代々木上原I邸

代々木上原I邸

もう検査お引渡しが目の前に迫ってきた代々木上原I邸ですが、リビングダイニングにテレビを置かない代わりに、寝室に大きなテレビセットを壁掛けで設けることになっています。ベッドに寝転んで映画を見たいとのことで、背もたれの角度を調整できる電動リクライニングベッドを入れることになりました。

担当スタッフの神崎さんが試し寝(?)しているのが、フランスベッドのエゼックスフレームシリーズです。

フランスベッドの電動リクライニングベッド

こちらが当初にIさまと一緒に見学、体験に行ったフランスベッドのショールームの様子です。マットレスは最上級モデルの高反発ハードタイプとなりました。

今回はヘッドボードは造作で壁と一体型で作っているのですが、ベッドの構造上最初に組み上げる際にはどうしてもヘッドボードが付いてしまうので、一度組み立てたうえで、ヘッドボードだけ取り外すという実に面倒な設置方法となっています。

可動部はモーターが2つのタイプ(背上げと脚上げ)と、3つのタイプ(背上げと脚上げと昇降機能付き)がありますが、3つのタイプを選んでいます。

こちらが組み上がったベッドですが、電動ベッドは可動部の重要性が高く、その分デザイン性が落ちてしますので、ベッドリネンでカバーすべく…、

壁紙やカーテンでも幾つか採用させて貰っている京橋のトミタのショールームに伺って選んできました。幾度伺ってもこの天井高さのあるショールームは気持ちがアップします。

いつもはリネン類はお客さま主体で選んで貰って、ある程度候補が絞れてきてからデザイナーとしてアドバイスをするのですが、今回は各務が直感的に選んだ柄をIさまが気に入って下さるという珍しい進め方となりました。

同じ柄で色違いのピエール・フレイ(フランス)のファブリックで、最後まで色味を迷わていましたが、ダークな灰色ベースのリネンで進めることになりました。

これへ別日の打合せの様子ですが、一応2種類のリネンを借りて現地に持ってゆき、最終確認を致しました。

電動ベッドのベッドスカートの考え方

ファブリックでのベッドスカートの取り付け方をトミタに確認するために、担当の神崎さんが描いてくれたスケッチです。

ピエール・フレイのリネンを被せた電動リクライニングベッド

ベッドを実測してから作って貰ったリネンを被せた様子がこちらです。

ピエール・フレイのリネンを被せた電動リクライニングベッド

寝室奥のライブラリーコーナーのジャンポール・ゴルチエのカーテンと合わせると如何にもIさまらしい空間に仕上がりました!

トミタのショールームではベッドリネンと一緒に、カーテンのレース地も選ばせて頂きました。

トミタの担当の佐藤さんたちにレース地を窓際に吊るして貰い、透け具合を確認させて貰いました。