以前から弊社にいつかはリフォームを依頼したいと考えていらしたお客さまのJさまから、元麻布の築25年、120平米のお部屋をご購入なさったとのこと、リフォームのご相談を頂きました。メールかお電話でご相談を頂くと、まずは3~4回ほどメールのやりとりをして、マンション名や広さなどの情報と間取り図を送ってもらうようお願い致したうえで、初回の無料相談の日程を決めさせて頂きます。
通常のリフォーム会社であれば、まずはお目に掛かった際にリフォームのご要望と費用とスケジュール感を伺っていくことになるようですが、弊社の場合はあまり細かいご要望は伺わない段階で、どんなことが出来そうかをプラン上だけでシミュレーションしてリフォームの仮案を考えておくようにしています。
こちらの図面は送って貰っていたマンション竣工時の図面に、コンクリートで撤去できない躯体壁と柱を青で、基本的には移動できないPSを緑に塗ってみたものです。
メールで伺っていたJ家のリフォームの簡単なご要望としては、
- 2LDKを3LDになさりたいこと、
- キッチンをオープンになさりたいこと、
- 廊下が広いので、その空間を有効活用して欲しいこと、
- SIC(シューズインクローゼット)が欲しいこと
の4点でした。
こちらが初回打合せの前日までに考えて置いた仮のリフォーム案のA案です。前提として、現地調査をする前で、設備や構造の図面を見る前のプランなので、実現率は80%程度の確率のものであることをご説明の上でお見せ致しました。特徴としては、
- 2LDK+DEN(或いはお子さまの遊び部屋)にした間取り、
- キッチンは対面のペニンシュラカウンターに
- 小部屋をリビングの横に設け、
- 得意の洗面廊下を設け、
- 玄関横にSICと通り抜け型のパントリーを設ける
という素案でした。まずはJさまのご要望を伺いながら、実はこのような案を考えていましたとお見せしたところ、「この案であれば大きな要望をほぼ取り込むことができる」と、とても喜んで下さりました!
当日の打ち合わせの内容を、担当の新人スタッフの松藤さんがメモ書きしておいてくれたものがこちらです。
現地調査(お部屋内の調査とマンション管理組合保管の図面確認)については20万円、それをもとに仮プランをより現実的で実行可能なプランを作成することについて、また20万円というご提案でOKとのことでしたので、早速に松藤さんと弊社副所長の前田君と3人で現調に伺って参りました。まだ、お部屋はお引渡し前でしたが、仲介の不動産屋さんと現オーナーの了承を得ての調査となりました。
築25年で間取りや水回りは一度もリフォームをされた形跡がないとのお話しでしたが、確かに設備類はかなり老朽化している印象を持ちました。
キッチン奥のユーティリティーにはライニングに点検口があったので開けてみたところ…、
給水と給湯のヘッダーが出てきました。ただ、この本数だと少なすぎるなと思っていたところ、
廊下の収納奥に点検口があったので、こちらの内部を見てみたところ…、
沢山のヘッダーがしまわれていました。ヘッダーを2カ所に分ける理由は良く分かりませんでしたが、この床下から、トイレの排水管の位置を確認することもできました。
洗面カウンターの下の床下点検口からも今の仕上げ床高さとコンクリートスラブの高さ関係を抑えることができました。
こちらは浴室の天井点検口を開けてのぞき込んだ天井裏です。ダウンスラブ(水回りの床のコンクリートが排水処理のために一段下げられている個所のこと)の範囲を確認したかったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。
こちらはキッチンの天井点検口から覗いたキッチンレンジフードの給気と排気の同時給排のダクトです。
空間としては、梁型が大きく、ダクトを通すためか装飾の為か、天井に何段かの段が組まれていること、(またこれは事前にJさまからも伺っていましたが)床はフローリング禁止でカーペットかコルクタイルとなっていることなどを確認致しました。
電気が通っていない中での現調で、暗くて確認しにくい場所もありましたが、ほぼ全容を写真撮影することもできました。
こちらは、現調前にマンション管理会社に撮影させて貰った給排水衛生設備図です。なるべく現調前にマンション竣工時の図面、特に設備図をチェックさせて貰うのですが、ほとんどの管理事務所ではコピーはさせて貰えないので写真撮影となってしまい、現地調査しながら図面を確認することが難しいのです(いや、ブログ書きながら考えましたが、撮影したデータをタブレットに移してみれば良かっただけかも知れませんね)。図面を事務所に戻って確認しながら現調時のことを思い返すと、確かに給水と給湯のヘッダーが2カ所にあることが図面でも確認することができました。
こちらは天井裏の給気と排気のダクト、そして空調設備(エアコン)が図示されている空調換気設備図です。梁型をどのように避けながらダクトが走っているかをチェックすることができました。
現調したところ、頂いていた平面図と幾つか違うカ所が見つかったので、簡単に整理した現調速報を作ってJさまにメールでお送りしました。
現調の内容と既存図のチェックをして、リフォーム案作りを始めようとしたところで、正式にデザインアドバイスでリフォームを進めたいとのご意向と、具体的にどのようなことをしたいかを纏めた要望リストをお送り頂きました。実はJさまご一家は以前にもご購入なさった中古のマンションを大々的にリフォームをなさった経験があり、このようなことに慣れていらっしゃるのです。今のお住まいで気にっている個所は、似たような寸法にして貰いたいことや、気にっていなかったカ所はどうしたいか、また全体予算との兼ね合いもありますが、どのような設備を入れたいか等のご要望を頂きました。
改めてリフォームプランを作ると共に、デザインアドバイスですので、パートナーとなるリフォーム会社の選定に入ることをお伝えいたしました。ここからの家づくり、デザインアドバイザーとして頑張りますので、どうぞ宜しくお願い致します!