代々木上原I邸の現場に、イギリスのチェズニー(Chesney)社本大理石製マントルピースが組み立てられました。
最初に組み上がったところを見ると、何ということなく簡単に見えるのですが、実は中々に複雑な作りと組み立て方となっているのです。
まず最初に現場までの部材の搬入です。
見ての通り、大理石の無垢材からの削り出しで作った製品ですので、一つの部材の重量で50キログラム以上の重さがあるのです(一般的にチェズニーでは、木製の下地材に石材を張り付けて部材を作るそうですが、今回のマントルピースはサイズが小さい特注サイズなので、無垢材で作ってくれたそうです)。
部材の端部(つまり組み立て終わると見えなくなる部分)にはピンを差し込む孔と金物を取り付ける溝が空いています。
組立てはまずはハース(敷石)からの取付けとなります。敷石(マントルピースが床と接する部分)は黒御影石でお願いしています。床はマンションで、下階への遮音が必要となるので、置床システムとなっていますが、この部分は荷重が掛かるので、脚を多く入れて貰っています。
敷石の上に、マントルピースの竪枠材を取り付けます。こちらも基本的には壁下地に接着剤ですが…、
重量があるので、煽り止めとしてこのようにピンとアングル金物で壁と緊結します。
実はこの壁裏には、100ミリ角の無垢の木材が仕込まれているのです。こちらの図面が下地を入れる場所を指定されたものです。
もう1本の竪枠材を立てて、こちらも金物で固定します。
一番重たい横架材を借りに載せてみた所、建枠固定用の金物がぶつかってしまうことが分かり…、
その部分を石材用のカッターで削ることになりました。組立てと言ってもどんなことがあるのか分からないので、今回の職人さんは石屋さんにお願いしているそうです。
因みに横架材の裏には、このようなチェズニーの製品であることが証明するメダリオンが埋め込まれています。組み上がってしまうと見えなくなってしまう所にコダワリがあるのは面白いですね。
もう一度仮組をして、大丈夫なことが分かってから、改めて接着剤を塗布しての組立てです。
この日はチェズニーの日本代理店のオーセンテリアの石黒社長も組立ての確認に来てくれています。
近くからよく見ると接着面が分かりますが、ちょっと離れてみると接着面が見えず、無垢材から削り出したように見える、きれいな仕上がりとなりました!
お客さま検査時のマントルピースがこちらです。パネリング壁が仕上がることで、石材が壁に埋め込まれて見えるようになったことで完成度が抜群に上がっていますね。また、細かい点ですが、暖炉の孔部分に黒くてマットなカラーガラスを張ったことで、すこし奥行きが出てきました。
家具やミラー、小物などが入ったお引き渡し時のマントルピースです。
今回お客さまのIさまと一緒に選んだのは、チェズニー社(日本代理店はオーセンテリア)のマンハッタンというシリーズで、石種はビアンコカラーラのマントルピースです。
因みにこの日は階段室も組立て中で…、
内部の羽目板張りが進行していました。
在来工法の浴室はステンレス枠が入り、壁タイルも仕上がりつつあります。
コンクリートブロックで積まれたエプロンとライニングに囲まれた排水トラップです。
寝室壁の凹み型のパネル壁の下地も組まれていました。
造作家具の細かい打ち合わせを、弊社担当スタッフの神崎さんと、施工請負会社青の下請けで入って貰っている現代製作所の藤田さんがディテールの打ち合わせをしてくれました。