Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

模様替えリフォーム相談@成城Z邸

成城Z邸

ちょうど6年ほど前にマンション全面リフォーム計画のお引渡しをしている成城Z邸のお客さまから、お部屋の模様替えリフォームを検討したいので、お打ち合わせをとのことで、弊社担当者だった竹田さんと工事をお願いしたリフォームキューの森井さんにまずは一度お打合せに行って貰い、塗装やカーテンのサンプルが揃ったので、今回は僕も含めて3人でお邪魔して参りました。

成城Z邸の模様替え打合せ

相変わらずとても大切に、きれいに暮らしてくださっている様子を見て、とても嬉しくなります。
一度、このダイニング正面の壁を白からグレー色に塗り直すプチリフォームをしていますが、今回はカーテン交換や寝室などの模様替えも考えていらっしゃるとのことでした。

まずは簡単な所からということで、ダイニングとリビングの窓のレースのカーテン選びから始めました。

Zさまのイメージは竹田さんが事前に伺っていたので、大判のサンプルとマナ・トレーディングナショナル・インテリアトミタさんから借りて持っていきました。

色々なレース地をあれでもない、これでもないとZさまも一緒に掲げたり、椅子に座ってみたりとしているだけで、7年前に自宅リフォームの設計をしていた頃の楽しい思い出が蘇ってきました…。

玄関ホールは、薄いベージュ塗装でしたが、元気がでるもっと明るい黄色に塗ってみたいとのことで、竹田さんが何枚かのサンプルを依頼してくれています。

6種類の塗装サンプルを用意しましたが、明るいダイニングで見た色と、自然光があまり入らない玄関ホールで見た印象が、こんなに違うのかとZさまも改めて驚いていらっしゃいました。

玄関横にあるシューズインクローゼット内の壁も同じ色になさりたいとのこと、こちらもちょっと華やかになりそうです。

寝室はカーペットが白くてホコリが目立つので、色がついて柄が入ったものを探して欲しいとのことで…、

こちらが竹田さんが用意してくれていた米国製のカーペットFABRICA(コンフォート社)のサンプルです。こちらは寝室に持っていった途端に全員一致で、僕が指さしているものに決定いたしました。

壁付けテレビのあるこの壁もグリーンに塗装して、更に右側の収納を部分的にオープンになさりたいとのこと、竹田さんが作ってくれた図面を元にリフォーム意図をご説明させて貰いました。

このお打合せをしている最中に、ベッドのヘッド側を何気なく見ていましたが、このニッチ部分にも白いケーシングを廻して、ニッチ上に薄型のダウンライトを入れて見てはとのアイデアが浮かんだので、そのお話しをしたところ、「さすが各務さん!」ととても喜んでくだいました。6年前には種類が少なかった薄型のダウンライトも選択肢が増えてきたので、良いものを見つけることが出来そうです。

最近、新しいプロジェクトで、Z邸のこの洗面の床のタイルボーダー張りの写真をお見せしたところ、とても気に入って下さって採用になったお話しもとても喜んで頂けました。

ギャラリー廊下はご両親のコレクションだったリトグラフをリズム良く飾っていて、こちらもとても素敵でした。この前にはお姉さまのお宅がリフォームすることになった際にご紹介して頂いたこともあり、このような形で継続的にお付き合いとお手伝いをさせて頂けること、設計者冥利に尽きることだと嬉しく思っております。

ザ・ライブラリーの新規プロジェクト_横浜S邸

ザ・ライブラリー

以前僕らがリノベーションデザインをしたマンションをご購入頂いていたS様から、新築マンションを購入することになったので、その間取りとインテリアを見てアドバイスを貰えないかとのご相談を頂きました。(設備などの面倒な取り合いがない)新築であること、CGを確認しながらデザインをして行けること、そこまで拘ったデザインになさりたい訳ではないとのことで、TAGKENと弊社で共同で進めているリノベブランドのザ・ライブラリーで進めることとなりました。

横浜S邸の既存間取り図とリフォーム案

一度、青山のザ・ライブラリーモデルルームをご案内して、田口さんとも面談して頂いた上で、既存プランの欠点を見つけ出しつつ、ブレインストーム的に考えてみたリフォーム案をこちらです。このリフォーム案を田口さんとこちらでやり取りして昇華させていくのです。

横浜S邸のモデルルーム内覧

まずは内装のカラーセレクトを選ばないと、その先に進めないので、

横浜S邸のモデルルーム内覧

Sさまに限定公開中だったモデル―ムに連れて行って貰い、カラーセレクトの素材を確認させ頂きました。

横浜S邸の既存間取り図とリフォーム案

1000~1500万円で工事可能なプランと、2500~3000万円程度の費用が掛かってしまうが、Sさまのこれからの生活動線、そして将来の転売のことも考えたプランを2案ご提示することとなりました。詳しくはザ・ライブラリーのブログをご覧ください。

大型ブラックキッチンの組立て―2

渋谷R邸

大型でスタイリッシュで、そして何よりブラックで生活感を感じさせないブラックキッチンの組立てブログの第2弾です。

先回の組立て時より、背面のトール収納が7割方組み上がっている段階からのスタートです。よく見ると、アイランドカウンターの天板にも黒基調の大判セラミックタイルがすでに張られています。

カウンタートップだけでなく、実は両サイド面にもセラミックタイルが張られており、この日は一番の大物のアイランドカウンター正面のタイル張りです。スペイン産大判セラミックタイル・ネオリスLAYLA(ライラ)という柄の艶ナシのスレート調仕上げで、この時に選んだものです。

既に現場に運び込まれていた大判タイルをまずは仮設置してみます。

カウンターの上端部を下から見上げたタイル詳細ですが、サイド面もカウンター面も45度に端部処理がなされています。ということは、本日取り付ける大判タイルも端部がトメ加工(お互いを45度にカットして、接着面をみせない仕上げ)になっているということです。硬質なセラミックタイルですが、間違えてぶつけてしまうと、この小口面に欠けが生じてしまうので、慎重な作業が必要です。

セラミック自体も少し孕んでいることがありますが、とにかく接着面がフラットであることが重要なので、仮設置後にキッチンの施工をお願いしているアルノの鵜飼社長が微調整をしてくれています。

させ、いよいよ接着作業とのこと、2液型の接着剤で点張りにするのではなく、多少後で調整ができる一液型の接着剤をベタ塗りすることになりました。因みに、今回のタイル張りの作業には、ネオリスの販売元であるTAKAOの高尾社長がピカ一の腕を持っているとのことで、わざわざ仙台からタイル張り職人さん二人を呼び寄せてくれています。

接着剤は多すぎると乾きにくくなりますし、少ないと接着が不十分になるので、急ぎながらもきれいに薄塗りしていきます。

タイル面の裏側にも同様に接着剤を塗布します。

接着作業ですが、大判セラミックは、二人の職人さんがいれば軽々と(というほど軽くはありませんが、本物の石材に比べればです)持ち上げて、ペタっと張ります。

ここからの微調整が実に大変なのです。2方向のトメのコーナー全てがピタリと合うように吸盤を使って調整していくのです。

トメの接着具合がこのレベルまで出来たら…、

次のセラミック張りの準備です。と言っても、ここでも仮設置をしてみて、最初の一枚との召合せ(めしあわせ)部分がうまく行くかを見てからの慎重な作業となります。

2枚ともが張り上がった所で、端部のパテ埋め作業となります。

濃い灰色でちょっとムラがある大判セラミックなので、黒と白のパテを良い具合に混ぜてから埋めてゆくのです。

養生テープでトメ加工の端部以外をマスキングしたうえで、素早くパテ埋めをして、乾いた所で削り取って完成とのことでした。正味2時間ほどの緊張が連続する時間でしたが、何とか上手く作業が終わりました!

こちらが見えてきたブラックキッチンのほぼ全容です。この数日後に…、

背面収納に三カ所オープンな個所がありますが、ここにリープフェルのビルトインの冷蔵庫と冷凍庫とワインセラーが入りました。

ワインセラーだけはガラス扉に、他の背面収納と同じ塗装仕様の框をつけて、

このように仕上がりました!ここまで大規模にビルトイン機器を入れることは、カガミ建築計画でも珍しいので、興奮します!

左から冷凍庫、中央が冷蔵庫で、右側がワインセラーとなります。ビルトイン機器類の取付けは、アルノ以外でも色々なオーダーキッチン屋さんがお世話になっている、マッチの小林さんが頑張ってくれました。
因みに、ワインセラーの隣の扉の取っ手は…、

冷蔵庫などと合わせた取っ手のデザインながら、引き込めるようにこのような特注で作って貰いました。