Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

既存キッチンの徹底調査と収納プラン

大田区S邸

ヴィンテージマンションリフォームの大田区S邸のキッチンのラフ案が決まってきました。今のクローズドキッチンをオープンにして、ペニンシュラカウンターと背面キッチン、そして横面に収納を作る計画となっています。奥さまとのこれまでのお打合せで、理想と思えるキッチンを追求してきましたが、まだこれまでのキッチンに収納されていた鍋やお皿、調味料や調理機器といったものをどこにどのように片付けるのかがまた決まっていません…。

オーダーキッチンをお願いするリネアタラーラの牧野さんとカガミ建築計画と奥さまで一緒に今のキッチンの収納を徹底的に調査させて頂きました。

吊り戸収納を全て空けて中身を確認させて貰います。奥さまにヒアリングをしている中で、高い所にあるものは実際はほとんど使っていないことも判りました。

引出しの収納は、横幅がもう少し広ければ、他のものが収納できたハズなのでしょうが、以前からのキッチンをずっと使い続けてきたので、オーダーキッチンだったらフライパンやお鍋を大きな一つの引き出しに纏めたいとのお話もありました。

冷蔵庫上の収納は、背の高い奥さまでも中々手が届かず、一年の一度しか使わないようなものしか入っていませんでした。

牧野さんと弊社の竹田さんと松藤さんで、今の収納物をどこにどのような形で入れたらよいかを、新しいキッチン図にメモしながら収納調査を続けていきます。

併せて、シンク下の排水管がスラブ貫通している位置や、正確な窓や袖壁の位置も改めて実測させて頂きました。

キッチン収納調査で忘れがちなのが、ダイニングエリアの収納です。調理&食事関係のものが全てキッチンに収まるのは稀で、ダイニング周辺にあふれ出してくるのが一般的です。S邸ではガラス製のキャビネットにワイングラスやティーセットが入っているので、それらも一緒に実測させて頂きました。

そして約2週間後に収納計画をリネアタラーラの牧野さんが纏めてくれた資料がこちらです!どの引出しのどのくらいのサイズの何を収納するのかが一目瞭然になっています。
ただ、こうやって考えてみると、食器の収納量が少し不足していることが判ってきました…。解決方法としては、ペニンシュラカウンターのダイニング側のイートインカウンターが2席分あるのを1席分潰して収納にする案をご提案しましたが、もう少し断捨離をしても良いので、カウンターはまだ2席分残して欲しいとの奥さまのご要望で、保留となっています。

収納計画と一緒にリネアタラーラが作成してくれたCGも届きました。これまでは平面図と展開図だけで見ていたキッチンが立体CGになったことで、イメージが掴みやすいと喜んでくださいました。

より、具体的に計画を進めるために、調理機器の選定のために、ドイツ製冷蔵庫リープフェルのショールームに伺って参りました。

ドイツ製のビルトインの冷蔵庫はキッチンと一体化して、日本製の冷蔵庫のように出っ張らず、隙間もできないので、スタイリッシュでカッコよいのですが、日本製とは使い勝手が違うので、その確認も兼ねてご一緒していただきました。
日本の冷蔵庫と比べてのデメリットとしては、
・扉割が大きく、チルド室がないこと
・扉裏の収納が狭いこと、
・奥行きが狭いので、容量が小さいこと
等ですが、Sさまのお宅は、寝室に予備の冷蔵庫を置く予定となっているので、容量の問題はクリアできるのです。

これまでは3枚扉のステンレス扉のフリースタンディング型で検討していましたが、この扉一枚分がワインセラーになっている冷蔵庫を見て、奥さまがご興味を持ってくださいました。これまでは、ダイニング側に少し出っ張ってきたカウンター下に同じリープフェルのワインセラーを入れる予定でしたが、実は冷蔵庫のビルトインされたこちらの方がワインが入る本数が多いとのことで、ご主人さまとご相談上、単独のワインセラーを止めて、こちらのタイプに変更することとなりました。
これで当初カウンター下に入れていたワインセラー分のスペースに食器収納を入れることができることになり、収納不足が一気に解決することになったのです!

カガミ建築計画でもキッチンダイニング部分のCGを作っていたのですが、早速冷蔵庫にワインセラーがビルトインされたタイプのものに変更したCGをSさまにお見せしたところ、とても喜んでいただきました!