Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

4つのオーダーキッチンショールーム巡り@大田区S邸

大田区S邸

ヴィンテージマンションリフォームの大田区S邸の、奥さまのこだわりの一番のポイントがキッチン改修なのです。そこで、一日でオーダーキッチンのショールームを何軒か回って、最新キッチンの状況を見て頂くと同時に、それぞれ違うコンセプトで作られているショールームで、どこが相性が良さそうかを体験して頂くこととしました。

キッチンショールーム巡り_クチーナ

まず最初に訪問したのは、代官山のクチーナです。フルオーダーというよりセミオーダーキッチン屋さんではありますが、とにかくショールームが大きく、色々なタイプ&デザインのキッチンが揃っており、コンロやシンクやビルトイン冷蔵庫なども種類が多く、オーダーキッチンの初心者が最初に見るのに一番適したショールームだと考えております。

最上階の高級仕様から、一般的なもの、キッチンだけでなく洗面なども一つの建物内で見ることができるので、お客さまの好みのキッチンデザインを一緒に考えることができます。

キッチンショールーム巡り_アムスタイル

次に伺ったのが、クチーナのはす向かいにあるアムスタイルです。高級オーダーキッチン界の先駆者で、スタイリッシュなキッチンと言えばアムスタイルが浮かぶほど、ブランド力もあるキッチンです。沢山のバリエーションがあるクチーナとは、ある意味対極的なミニマルなショールームです。

なるべく調理機器や冷蔵庫などを隠したいというご要望のSさまの奥さまには、色々な部分がピピッと来たようです。

キッチンショールーム巡り_リネアタラーラ

次は場所的にはちょっと離れますが、世田谷区用賀のリネアタラーラです。最近のカガミ建築計画の定番になりつつあるオーダーキッチン屋さんのリネアタラーラですが、お客さまや設計者の要望に応えてなんでもできるのが一番の特徴なのですが、ショールームからはそのことは中々伝えられないようです…。

でも、このコーナー、欧州の各社の食洗器やビルトインコンロを並列に並べて比較検討できるようにしてくれているコーナーはとても好評でした。ミーレしか頭になかったSさまも他の候補を見て、もっと研究しなければというお気持ちになったようです。

キッチンショールーム巡り_エクレア

長い一日のツアーの最後は、またまた離れた文京区小石川のエクレアさんです。こちらで、Sさまの仲良しのお友達がキッチンリフォームをお願いしたとのこと、ショールームを一度見てみたかったそうです。

最初にみた3社とは、考え方の根本が違っており、具体的なお客さまがキッチンを使っていて困った点をどうやって解決するのかに注目した作りのキッチンとなっており、Sさまもなるほどと相槌を打つようなポイントがいくつもあったようです。

こちらは、一番左が既存キッチンのレイアウトに対して、僕らカガミ建築計画だったら、こうするのが良いのではと考えて作ってみた仮のキッチン案です。それぞれのキッチン屋さんにもまだ本決定ではないが、このようなレイアウトを相談中だと伝えて見せたものです。
ショールーム巡りの最後に、「今日の感触をまた次回の打ち合わせ時に聞かせてくださいね」と、Sさまにお伝えしたところ、リネアタラーラかエクレアのどちらかにしたいとのコメントを頂きました。クチーナは、なんでもありで良く分からなかったそうで、アムスタイルは最初は良いと思ったが、ご自身の調理スタイルには合わなさそうだとのことでした。ここまではっきりとご意見を仰っていただいたので、クチーナとアムスタイルさんにはお断りを入れて、リネアタラーラとエクレアさんでお打合せを進めてゆくことになりました!

新規プロジェクト_渋谷区L邸がスタートします

渋谷区L邸

低層マンションの最上階ペントハウス、メゾネット(内部階段で繋がった2層住宅)の上階部分のリフォームのご依頼です。

メゾネット上層階だけといっても、主寝室と洋室と洗面+浴室、ウォークインクローゼットだけで150平米超え、下の階は300平米もある超大型住戸なのです。こちらの写真は主寝室からエレベーターホールにも繋がる明るいテラスに面した廊下の様子です。

廊下と主寝室は引き込み扉で開閉できるようになった間取りとなっています。実はお客さまのLさまご一家は、リノベーション済みのこちらのお宅をご購入なさって、試しに1か月暮らしてみたそうですが、マンション購入時には分からなかった使い勝手の悪さが見つかり、本格的にお引越しをする前に上階を改めてリノベーションなさりたいとのご相談でした。
何泊かしかしないホテルとして考えれば、きれいで気持ちよい空間だと感じたそうですが、実際に暮らしてみると、主寝室が上階玄関から奥の水回りに行く上での通路になってしまう間取りの問題、ランドリーと洗面の家具動線の問題、収納スペースは多くあるのに本当に欲しいところに収納がないという問題、寒いだけでなく安全性に不安を感じる浴室などを見直したいとご要望です。

主寝室の隣にあるウォークインクローゼットスペースです。まだ仮の家具の状態ですが、イタリアのハイブランド家具屋に実測・提案してもらい、発注寸前の段階まで来ていたそうです。

こちらが色々と問題があった浴室です。オーダーユニットバスシステムで作られたきれいな浴室でしたが、窓からの冷気が酷く、浴槽の向きが悪く洗い場から入る部分が斜めになっており、今はかろうじて大丈夫でも、歳をとったら危ないだろうと感じているとのお話でした。

こちらは広すぎる室内廊下で、奥が洗面脱衣で、そこも広い割には収納が少なく、使い勝手が悪いとのことでした。

こちらもかなり広いランドリー室です。洗濯機が2台置けて、スロップシンクにカウンター、昇降式物干しまで一通り完備していますが、カウンター奥行やコンセント位置の問題などで改修したいとのお話でした。広さは十分にあるので、こちらはプチリフォームで使い勝手を改善できそうです。

当初のご相談では、寝室とウォークインクローゼットと廊下は間取りから再レイアウト、浴室は同じ位置のまま作り直し、洗面とランドリーはプチリフォームで使い勝手を良くしたいとの内容でした。なるべく急ぎで計画を進めて欲しいとのことでしたので、カガミ建築計画ではタイミング的に人手が足りなかったので弊社OBスタッフの後藤さんがいるハク・アーキテクツスタジオに設計協力をお願いし、かつ、このマンションでの施工実績が幾つかある設計施工会社の三井デザインテック(以下三井DT)と最初からチームを組んでスタートすることとなりました。ハクの後藤さんと関さん、三井DTのコンシェルジュ事業部の榎本さんと蛭川さんと一緒の現調時の写真です。

間取りのアイデアを考えながら、どのような素材を使って空間のイメージをどうするかのお話の為に、弊社で良く使っている素材を一通りご自宅に運んでお打合せをさせて頂いた際の様子です。

弊社の実例写真を色味で分けて分類したシートと一緒にお見せして、

お二人の好みの素材がどのようなものかをまずはお打合せをさせて頂きました。

中央区S邸の一年点検

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリーの告知ブログです。
一年ちょっと前に工事を終えてお引き渡しをしていた、高層マンションメゾネットリノベーションの中央区S邸に一年点検に伺って参りました。

中央区S邸‗一年点検

お引き渡しの時は、まだ家具も届いていないものがあり、Sさまご夫妻が大好きな現代アートも飾っていないような状態でしたが、一年経って新しい家具も入り、アートもふんだんに入って、Sさまらしいお宅に仕上がっていました!

中央区S邸‗一年点検

玄関入って正面のアートが変わり、ガラッと空間の雰囲気が変わっていました。こちらのアートはAndy Denzler(アンディ・デンツラー)の作品とのこと、シックでいながら革新的で、Sさまのお宅のイメージにピッタリな雰囲気でした。

中央区S邸‗一年点検

大理石張りの柱型の横面には高解像度の写真作品が掛かっていました。ダイニングチェアをレザー張りに代えられたとのこと、こちらも空間にマッチしていました。

中央区S邸‗一年点検

メゾネットの階段を上った正面と、来客用トイレには、印象画のクラシカルな作品をモダンに再解釈下ようなアートが掛かっており、大理石柄のタイルや黒いスチールサッシや手すりに負けない、強度のあるアートが堂々と掛かっていました。

中央区S邸‗一年点検

階段上がって右に入った書斎は、お引き渡し時には完成していなかった本棚と机が収まっていました。こちらは、AREAでお客さまがオーダーしたものです。

中央区S邸‗一年点検

寝室奥には、ポリフォームのクローゼットシステムが入っていました。こちらも洋服の間にアートが掛けられているのがSさま風ですね!

中央区S邸‗一年点検

と、Sさまのインテリアとアートのお話を伺っているとどんどん時間が過ぎてしまいますが(笑)、本日の目的は一年点検でした。以前から上階のシンクのポップアップ水栓がうまく動かなくなっているとのことを伺っていたので、現場監督の栗原さんと水道屋さんにも同行して貰っていました。

中央区S邸‗一年点検

奥のシンクは問題が無いのに、手前のシンクがうまくいかないとのこと、キャビネットの引出しを外して、

中央区S邸‗一年点検

水道屋さんがキャビネットの下にもぐって原因を探ってくれました。

中央区S邸‗一年点検

こちらがシンク裏の様子です。2本の細い金属の棒は直角に絡んでいる部分がポップアップ水栓の駆動部となるのですが、この角度が深すぎて、うまく力が伝わっていなかったことが判り、水道屋さんが調整してくれました。

中央区S邸‗一年点検

水道屋と現場監督が奮闘してくれている間は、田口さんと前田君と各務の三人で、お部屋の中をくまなく見回って、仕上げ材のヒビやカケが無いか、不具合が無いかを確認して回りました。こちらは下階のチェックメモです。
その他上階のチェック項目や、新規に追加でご依頼があったデザイン項目等については、ザ・ライブラリーのブログをご覧ください。