Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

ハイブランドのキッチンツアー-3@城南R邸

城南R邸

先日のハイブランドキッチンツアー-1ハイブランドキッチンツアー-2の続きで、城南の2邸(最上階のご自宅用の住戸Aと1階のゲストハウス的住戸B)同時リノベーションのRご夫妻と、日本最高峰オーダーキッチンのアムスタイルとイタリア最高峰キッチンのアルクリネアとのショールームを回りました。

ハイブランドのキッチンツアー@アムスタイル

代官山のアムスタイルのショールームはとてもコンパクトですが、スタイリッシュでシャープなデザインのキッチン事例が4本並んでいます。

ハイブランドのキッチンツアー@アムスタイル

ここまでイタリアとドイツの欧州勢のハイブランドキッチンを見学してきましたが、日本のソコヂカラもお見せしたくアムスタイルをご紹介させて頂きました。海外キッチンは納期が時間が掛かること、現場での細かい対応が難しいこと、そして何より日本独特の料理や片付けの仕方への理解が少ないことが欠点となります。

ハイブランドのキッチンツアー@アムスタイル

その点、アムスタイルであれば、上記をクリアしつつ、海外ブランドにも遜色ないデザイン性と細かい対応も可能なところがウリとなります。

ハイブランドのキッチンツアー@アムスタイル

こちらはキッチンの背面ユニットの中に洗濯乾燥機を隠して収納する事例です。Rさまご夫妻もアムスタイルであれば、イタリア&ドイツのキッチンの良い所を参考にしながらオリジナルのキッチンを作れそうなことを理解してくださったようです。

ハイブランドのキッチンツアー@アルクリネア

そして長い一日の最後に伺ったのが原宿のアルクリネアです。担当の齊藤さんが、イタリアの他のキッチンブランドとの立ち位置の違いやアルクリネアの特徴、そしてデザイナーのアントニオ・チッテリオのデザイン哲学をまずはプレゼンしてからショールーム見学が始まります。

ここでこれまでのキッチンを見ながらお話してきたことが全て変わってしまいました…。

Rさまご夫妻がアルクリネアのキッチンに恋をしてしまったのです!

ハイブランドのキッチンツアー@アルクリネア

それまではマンション1階の住戸Aのキッチンはブルトハウプかジーマティックかアムスタイル、マンション最上階住戸Bのキッチンはモルテーニなのではとお二人とお話をしていましたが、ここで全てが逆転してしまったのです。

ハイブランドのキッチンツアー@アルクリネア

アルクリネアのキッチンの考え方の基本は「シェフズ・キッチン」となります。プロの料理家を自宅に招いて本格的な料理をして貰うためのキッチンであるというコンセプトなのです。

ハイブランドのキッチンツアー@アルクリネア

耐久性と利便性から合理的に考えられたこのステンレスカウンターキッチンを是非採用したいというのがRさまご夫妻の共通したお考えでした。

ハイブランドのキッチンツアー@アルクリネア

アルクリネア社と提携するフォスター社が作ったカウンターと一体型のステンレスシンクがご自身たちの理想だとまで仰っていただきました。設計側の前田君と僕は、アルクリネアが採用となる可能性があるとしたら、ゲストハウス的な1階の住戸Bだと勝手に想像していたのですが、大逆転で最上階のペントハウスの住戸Aがアルクリネアに決まりそうです。ただ、住戸A&Bがアルクリネアとなると、似たようなキッチンになってしまうので、マンション内に自宅と別荘を併せ持つようなイメージで考えると、、違う考え方のキッチンを入れた方が面白いのではと考えているので、住戸Bは他のキッチンで進めることができないか検討してゆくことになりました。
長いながい丸一日掛けてのハイブランドキッチンツアー、大きな収穫がありましたが、お付き合いくださったRさまご夫妻、どうもありがとうございました!

CGのキャッチボールで進むインテリア計画

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリーの告知ブログです。
横浜H邸のお客さまのHさまはしばらくお仕事がお忙しいとのことで、メールを通じてのCGのやり取りで設計が進んでいます。

まずは先行して、Hさまが一般向けCGソフトを使って作って送ってくださったリビングダイニングキッチンのCGがこちらです。お仕事が忙しくなると、そのストレス解消のために、無理やり休み時間を作ってこちらのプロジェクトのデザインに没頭してしまうとのことで、デザインの質も、CGの腕もどんどんうまくなってしまうそうです(笑)。

こちらはザ・ライブラリーで作ったほぼ同じアングルのCGです。これまでのお打合せの中で、CG作成依頼費用として55万円(消費税込み)を頂いての作業となります。
ザ・ライブラリーでは、ライノセラスまたはスケッチアップで立体を立ち上げて、D5レンダラーでレンダリングしたCGなので、空気感まで伝わるCGになっていると思いますが、HさまのCGも中々のものですね。

家具などのデータがソフトに入っているとそれなりの精度が出ますが、こちらのキッチンのように大理石のブロックのようなデザインを一般的なCGソフトで作るのはまだまだ難しいようです。

ザ・ライブラリーで作ったCGでキッチンの3つの案を見比べたものがこちらです。アイランドカウンター横の①②③のボタンを押すと、キッチンのデザインが変わるような作りのCGをお見せしたところ、「さすがプロ!」と喜んで頂きました。Hさまが作ったCGと比較すると、一番目立つ違いは大理石の表現でしょうか。壁のモールディングの凹凸感やキッチンの扉同士の隙間や台輪といった細かい表現、あとは外からの自然光の表現(リビングのオットマンの影がアイランドカウンター部分に表れている)などの細かい違いの積み重ねがザ・ライブラリーのCGのリアルさにつながっているのだと思います。ただ、簡単な設計のアイデアから、素人の方でもCGが作れるようになっていることは、僕らプロとしても大きな脅威です!

ザ・ライブラリーCGでは、マンションリノベーションのビフォーとアフターをボタン一つで切り替えることができるのも一つの特徴です。洗面と浴室も同じ天然大理石を使って一体に見せるデザインとなっています。

浴室の内部壁を大理石で仕上げるのはかなりハードルが高いのですが、オーダーユニットバスの東京バススタイルと相談しながら400×850サイズの大判の大理石をアルミで裏打ちしたもので現場張りできないかを検討して貰っています。

Hさまからは、CGをお送りした数日後にCGに直接コメントを書き込んだ添付書類付きのリクエストメールが届くので、僕ら設計施工側でCGだけの手直しで対応するのではなく、造作家具屋さんや石材屋さんと根本的なところから相談して、どう対応するかを検討してゆきます。
以下、続きはザ・ライブラリーブログをご覧ください。

洗面や浴室もこのようなリクエストが届くので、僕ら設計施工側でCGだけの手直しで対応するのではなく、造作家具屋さんや石材屋さんと根本的なところから相談して、どう対応するかを検討してゆきます。

また、Hさまからは建具をガラス入りのスチール建具にすることは可能かとご質問があったので、まずはこちら側でデザインの候補を事例写真から探してお見せして、

設計担当の岸本が簡単なスケッチを描いた上で、それをCGにしてお送りしています。

リビングから寝室への扉も、当初は目隠しとなる木製建具でしたが、壁全面をスチールサッシと半透明の型板ガラスで作り、真ん中の2枚を固定として、左右のガラスが中央に重なるように一本引きで納めるように調整した案がこちらです。
まだまだデザインや素材を検討すべき箇所は残っていますが、いつまでもCG上でだけの設計を進めるわけにはいかないので、そろそろ概算でのお見積りを作って、より現実的な進め方に落とし込んでゆくタイミングになってきました。

新宿区T邸のお客さま検査&竣工お引渡し

新宿区T邸

他のブログ記事に押されて更新が遅くなってしまいましたが、都心の大型マンションペントハウス(最上階住戸)の新宿区T邸プロジェクト、工事が完了したのでお客さまのTさまご夫妻に検査をお願いしました。

新宿区T邸のお客さま検査

お気づきかと思いますが、お引渡し前ではありますが既に家具が入っています。

新宿区T邸のお客さま検査

家具も設備も入っていないガランドウの空間での検査は、施工のアラを探すような検査になってしまいガチですが、家具が入ってからの検査となると、より生活感がある中での検査となるので、例えばソファに座った時に正面に見えてくるテレビボードを徹底的に見て貰ったり、この写真のようにワインセラーを置いた周辺の隙間がきれいに納まっているかなどを見て頂くことができました。

新宿区T邸のお客さま検査

テレビボードも間接照明をつけて、壁掛けテレビの使い勝手を確認して頂くことができました。

新宿区T邸のお客さま検査

主寝室横のウォークインクローゼットには、使い勝手が想像できるようにハンガーや実際にハンガーに掛けたジャケットやズボンも持ち込んで見て頂きました。

新宿区T邸のお客さま検査

ネクタイ掛けなどの小物の取り付け高さも現地で見て頂き、ご一緒に決めることができました。

新宿区T邸のお客さま検査

こちらはワンちゃんコーナーの近くに設けた造作収納ですが、一部だけ奥行きが深くなっているので、その分扉側にポケット収納を付けた工夫をご確認頂きました。

新宿区T邸のお客さま検査

こちらは奥さまこだわりのガス乾燥機の乾太くんが入ったユーティリティーの検査状況です。

新宿区T邸のお客さま検査

オーダーで作った浴室では、ジャクソン社の浴槽の枕部分の色決めもこのタイミングでお願いしました。

新宿区T邸のお客さま検査

階段で20階まで持ち上げて貰った大理石製のテーブルが無事入ったことだけでもTさまご夫妻には喜んでい炊けましたが、ソファやペンダント照明、ワインセラーなどの機器も入った空間をご確認することができたことで、これからの生活を想像することができると仰っていただきました。
そして、ご指摘頂いた事項を補修が完了した2週間後のお引き渡しです。

お引き渡し時は、補修した箇所の確認をまず最初に行います。その後は、時間をずらしてきてもらった各職方から取り扱い説明を受けて頂きました。電気関係はムラデンの井上さんから照明器具のシーンコントローラースイッチの使い方を教えて貰いました。

東京ガスからは給湯器と床暖房と乾太くん君の説明です。

一番時間が掛かったのがリネアタラーラからのキッチンの説明です。ビルトインオーブンの説明時には、奥さまが聞いている横で、ご主人さまが携帯で動画を撮ってくださっていました!

シンクのディスポーザーの説明です。

シンク下にはディスポーザーだけでなく浄水器も入っているので、引き出しの外し方もリネアの牧野さんにレクチャーして貰いました。

すべての取り扱い説明が終わったところで、青の片岡社長と樋口さんから竣工時のお引渡し証、保証書類と鍵のご返却をさせて頂きました。まだ、幾つか残工事が残っているので、お引っ越しの日まで改めて鍵をお借りすることになりましたが、これで一応竣工お引き渡しとなります。Tさまご夫妻、ながらくお待たせいたしましたが、ご自宅のリノベーション工事の無事の完成、どうもおめでとうございます!