Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

メゾネット住戸の階段段板交換工事@中央区S邸

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリーの告知ブログです。
半年前にリノベーション工事後の一年点検を行った中央区S邸のお客さまからのリクエストで、階段の踏み板(段板)の交換工事が始まりました。

このような鉄骨造のスケルトン階段に木製の踏み板が取り付けられている階段のうち、踏板を交換する工事となります。

踏み板は6か所のビスと接着剤で固定されていましたが、構造を傷めることなく順調に外して行くことができました。

ただ、住戸内に階段が一つしかなく(エレベーターもありません)、下階のリビングダイニングキッチンと、上階の寝室、トイレ、浴室との行き来ができなくなってしまうので、お客さまのSさまご一家にはマンション内のゲストルームに3泊して頂いての工事となりました。工事自体はそれほどの規模ではないのですが、貴重なアートや家具、照明器具も多いので、工事の時に発生するホコリを被らないように、かなりの範囲を養生しての工事となりました。

新しくする踏み板の材料と色は、このようなサンプルを作って、郵送してご確認頂くことで、お打合せなしで進めさせていただきました。

最終的に選んで頂いた色味に沿って作った作った新しい踏み板がこちらです。

以前の踏み板と比べてみました。以前は踏み板に溝を2本掘った形の滑り止めでしたが、今回はお客さまとのご相談で真鍮の角棒を彫り込んだ個所に埋め込んだ仕様に変更しています。全ての踏み板が掛け変わった後の写真は、こちらのブログをご覧ください。

新宿区T邸の設計検査

新宿区T邸

最初のご相談を頂いてから、ここまで2年2か月ほど掛かった新宿T邸のリノベーション工事の設計検査となりました。

新宿区T邸の設計検査

新規ご購入になった家具がまだ入っていないお部屋は、天井の高さもあって、生活感がありませんが、設計途中でのプラン大変更のことなどを考えると、とても感慨深いものがあります。

新宿区T邸の設計検査

大きさはそれほどではありませんが、開閉式の扉や既存の逆梁と絡めたデザインのキッチンから設計側のチェックをスタートしました。

新宿区T邸の設計検査

紫色のテープが貼られている箇所がチェック項目となります。施工をお願いした青の片岡社長と現場監督の樋口さんと補助の池田さん、リネアタラーラの牧野さんたちと、設計側の岸本さんと前田君と僕、各務で、細かい箇所もチェックを進めてゆきます。

新宿区T邸の設計検査

造作家具については、製作から取り付けまでお願いした大沼製作所の大沼さんが来てくれて、扉の歪みやズレなどをその場で直して言ってくれています。

電気屋のムラデンの井上さんもペンダント照明の高さを調整してくれています。

新宿区T邸の設計検査

来客用トイレのフロスの照明は初期不良で点灯していなかったので、交換してもらいました。

新宿区T邸の設計検査

まだ、照明の吊元のフランジの固定がまだですが、これで来週のお引き渡しの準備もバッチリです。

新宿区T邸の設計検査

先日ご紹介したLED照明組み込みのメディスンキャビネットのある洗面脱衣室も細かくチェックして回りました。

新宿区T邸の設計検査

メディスンキャビネットの細かい工夫ですが、一番最下段にスリットを設けておいて、

新宿区T邸の設計検査

ミラー扉を閉じたままでティッシュと取り出せるようにしていた工夫を、ボックスティッシュを購入して実験しておきました。

新宿区T邸の設計検査

今回の検査の結果をリストにしたものと、

新宿区T邸の設計検査

各番号の場所が判るようにしたリストを施工会社の青に渡し、次週のお引き渡しまでに補修してもらうスケジュールを相談いたしました。

ハイブランドのキッチンツアー-1@城南R邸

城南R邸

180平米超えのお部屋を2つ、同じ新築マンション内にご購入なさった城南R邸のキッチンは、ご自宅用A住戸は使い勝手優先、ゲストルーム用B住戸はワクワク感のあるキッチンをとの方針で検討を続けています。

新築マンションリノベーションの城南R邸のA住戸_キッチンビフォーアフター

A住戸の元々のキッチンのレイアウトは左側のものです。キッチンへの入り口がリビング側からとなっていること、シンクとコンロと冷蔵庫を結ぶ三角形が大きすぎて、キッチン内での歩く距離が大きいこと等、ウォークイン型のパントリー(食品庫)が欲しいことなどから、先回のブログで書いた通り、色々なキッチンレイアウトを提案させて頂きました。現時点でのレイアウトはそれらをうまく統廃合した右側の案となっています。

新築マンションリノベーションの城南R邸のB住戸_キッチンビフォーアフター

ゲスト用のB住戸のキッチンは、もっと大胆に変えるご提案をしています。リビングダイニングとオープンキッチンだったものを、巨大なキッチンスタジアムとリビングコーナーにするようなリノベーション案です。壁面側はビルトインの冷蔵庫&冷凍庫&オーブンとビルトインの壁面収納として、クックトップとシンクのあるアイランドカウンターにダイニングテーブルはくっついていて、調理をする様子を見ながら食事ができるシェフズテーブルのようなキッチンです。
それぞれのキッチンのレイアウト構想ができてきたので、Rさま一緒に欧州のハイブランドキッチンを中心としたツアーを2日間に掛けて行うことになりました。

ハイブランドキッチンツアー_ブルトハウプ

奥さまが、ファッションモデルの滝沢眞規子(タキマキ)さんのご自宅キッチンでも有名(?)なブルトハウプを一度見てみたいとのご希望でしたので、オーダーキッチン界のドイツ御三家の一つと言われるブルトハウプからスタートすることとなりました。

ハイブランドキッチンツアー_ブルトハウプ

ご案内くださったのはブルトハウプの一瀬さんです。とにかく実用性&機能性第一に考えられたキッチンなので、箱の頑丈さや…、

ハイブランドキッチンツアー_ブルトハウプ

シンクと一体成型されたステンレスカウンターやその付属品の説明を受けました。

ハイブランドキッチンツアー_ブルトハウプ

イートインカウンターのサイズや使い勝手の確認や、

ハイブランドキッチンツアー_ブルトハウプ

L字型ショールームの奥にある、ガラス扉付きのパントリー収納も見て頂きました。

ハイブランドキッチンツアー_ブルトハウプ

機能一辺倒ではない、魅せるパントリーもカッコよいけど、もっと食品や調理器具と詰め込んでしまいそうだな…と仰っていました。

ハイブランドキッチンツアー_ブルトハウプ

実はこの日はご主人さまがお仕事でご一緒できなく、高校生の息子さんがご一緒でした。その息子さんが一番喜んでくれたのがこの石張りの壁でした。理系の科目が好きだとのことで、学校で石の種類を勉強したことがあり、大理石の組成に興味があるだけでなく、このアートのような模様に惹かれていて、どこかにカッコよい大理石使いたいねと言ってくれました。
ブルトハウプを展開しているクライス&カンパニーはキッチンだけでなく、天然大理石も得意としているので、ついでに他の石材も色々と見せて頂きました。

ハイブランドキッチンツアー_ブルトハウプ

タキマキさんのキッチン紹介のユーチューブをかなり見込んでいらしたようで、ブルトハウプの機能性は予想を裏切らなかったと喜んで頂きました。

ハイブランドキッチンツアー_モルテーニキッチン

次に伺ったのがモルテーニキッチン(旧ダーダキッチン)です。こちらのショールーム(昨年12月でこのショールームは閉じていますが、ブログ記事はその前に訪問した時のものです)はご夫妻でも一度見に来たことがあったそうです。

その際にもこの大型キッチン事例には興味を持っていたそうですが、B住戸のゲストハウス用のキッチンで僕らが考えたスタジアムキッチンとほぼ同じようなサイズであることをお伝えしたところ、こんなに大きなキッチンになるのかと驚いていらっしゃいました!
引出しや扉を開けると、内部を照らす間接照明が自動点灯するシステムも見て頂きました。

ハイブランドキッチンツアー_モルテーニキッチン

同じモデルキッチンの背面収納です。コーナー部分に回転式のパントリーが隠れていることをお見せしています。冷蔵庫や冷凍庫はきれいに隠して、オーブンやコーヒーメーカーはカッコよく見せることができますね。

ハイブランドキッチンツアー_モルテーニキッチン

モルテーニの他のモデルでは、背面カウンターを折れ戸で隠し、その折れ戸も隠せるシステムを見て頂きました。

ハイブランドキッチンツアー_モルテーニキッチン

イタリア製キッチンというと、イタリア製の車のように、デザインは秀逸だけど高くて壊れやすいのではという不安を感じていらっしゃったそうですが、システマチックな工場で作られており、今ではドイツ製以上の機能性を持っていることを聞いて安心なさったそうです。

ハイブランドキッチンツアー_モルテーニキッチン

見せる吊戸棚の照明や、薄く見える飾り棚の奥に隠された間接照明もカッコよいと喜んでくださいました。

ハイブランドキッチンツアー_モルテーニキッチン

パントリーというか、メインのキッチンの裏に準備用のカウンターがある考え方も住戸Bのキッチンの背面で使えるかもしれないとRさまとお話をしました。
次回は、ご主人も一緒にジーマティック、バルクッチーネ、ボッフィ、アルクリネアとアムスタイルを見学予定です。