Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

4m超えアイランドのある大型オーダーキッチンの組み立て

文京区S邸

文京区S邸の大型キッチンの組み立てが始まりました。あまりに大型で、色々な素材が絡んでいるので、4つの期間に分かれて設置されました。

オーダーキッチンの組み立て

まずは第一期工事として、壁と窓側のL字型のコーナーカウンターの設置から始まっています。

オーダーキッチンの組み立て

右端にトール収納がありますが、そのさらに右側のオープンスペースには、ガゲナウのビルトイン型の冷蔵庫と冷凍庫とワインセラーが並ぶことになっています。

オーダーキッチンの組み立て

オーダーキッチンのリネアタラーラさんには、キッチン奥の小部屋のパントリーもお願いしています。

オーダーキッチンの組み立て

第二段階になって、アイランドカウンターが入りました。また、レンジフード左右の吊戸棚の扉が設置され、ビルトイン機器の上の吊戸棚も設置されました。

オーダーキッチンの組み立て

ガスコンロのカウンターと吊り戸の間のバックスプラッシュ壁には、あの目地なしのゼリージェタイルが張られています。

オーダーキッチンの組み立て

第三段階で大物の大理石の甲板が設置されました。今回はお客さまの強いご要望で大理石には撥水加工を施していないので、設置する職人も手の汚れや、額の汗で染みが付かないように、かなり気を使っての施工になったそうです。厚み50ミリのアイランドのカウンターは迫力がありますね!

オーダーキッチンの組み立て

deVOL社の無垢大理石のシンクと甲板の大理石の色味もきれいに揃っており、安心しました!

オーダーキッチンの組み立て

ビルトイン機器の設置がまだですが、全容が見えてきました。アイランドカウンターのサイズが4100×1500ミリあるのですが、卓球台(2740×1525ミリ)よりも大きく、かなりの迫力です。

オーダーキッチンの組み立て

重量のある大理石甲板、特に無垢削り出しのシンク下部分は、補強が必要なので、収納量を多少犠牲にしてもしっかり構造補強をして貰っています。

オーダーキッチンの組み立て

パントリーの奥のコーナーにはL字型の可動棚収納も入りました。

オーダーキッチンの組み立て

ビルトイン機器以外が揃った段階でSさまの奥さまが現地に打ち合わせに来てくださったので、養生を一部剥がして、50ミリ厚さの大理石をカウンター甲板を見て頂きました。

オーダーキッチンの組み立て

しかし、何より喜んで下さったのは、大理石カウンターと大理石シンクの取り合いと、

オーダーキッチンの組み立て

同じくdeVOLの腐食銅製シンクでした。大理石シンクも銅製シンクも、英国と長い打ち合わせのやり取りをしていたことをご存じで、本当に期日通りに届くかを心配してくださっていたので、きれいに納まっていたこと、本当に喜んでくださいました!

キッチンの全容が見えてきたところで、まだ未発注のダイニングテーブルのサイズを確認するために、青の打ち合わせテーブルの上にベニヤ板を乗せて、2700ミリの長さのダイニングテーブルを模してみました。

アイランドカウンターの長さが4100ミリあるので、2700ミリのテーブルでも小さく感じられます。ただ、エレベーターのサイズに制限があり、階段で入れられる最大サイズが2700ミリなので、これは仕方がないのです…。

アイランドカウンターにも5人が座れって軽食を摂れる設定としてありましたが、これも折角なので椅子を5脚並べてみました。

キッチン側からアイランドに並んだ4人を見た様子です。これで、お客さまのSさまも自信をもって2700サイズのダイニングテーブルと、5脚のハイスツールをオーダーできると喜んでくださいました。

4メートル越えのアイランドカウンターのあるオーダーキッチンの組み立て

最後に、ビルトイン冷蔵庫と冷凍庫とワインセラーが入ってほぼ完成状態のキッチンの様子です。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

新宿区T邸

弊社、カガミ建築計画がお手伝いする大型マンションリノベーションでは、ウォークインクローゼット(以下WIC)をシステム家具でご提案するケースがより多くなってきました。イタリアハイブランドであれば、モルテーニやポリフォームやB&Bイタリア、日本製でもGIGIもかなりクオリティーの高いクローゼットシステムを組むことができます。中でも、デザイン性とコストパフォーマンスに優れたポリフォームが一番採用例が多いのですが、今回の新宿T邸もポリフォームを採用しております。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

ちょうど組みあがったところを、弊社の設計担当の岸本さんがチェックしている様子です。時間を遡って、組み立ての順序をご紹介いたします。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

まず最初は、マンションへの部材の搬入と開梱です。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

今回はウォークインクローゼットを挟んで2つの寝室があり、広いスぺ-スがあったので、ノックダウン方式の方立や棚板を主寝室側に、

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

箱が組みあがったところで差し込んでゆく引き出し類を洋室に移し替えて、おいてありました。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

まずは底板を並べて、そこに方立を立てて、垂直水平を確認しながら、天板と棚板を組んでいきます。後からは差し込めないコーナー部分から組み上げてゆきます。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

今回はコーナーが2か所ある、長方形のプランとなっています。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

こちらは発注前にポリフォーム側が用意してくれた3Dイメージです。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

コーナーを組み上げたら、横に底板を広げて…、

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

方立と天板とバックパネルを順番に組み上げていきます。このウォークインクローゼットには窓があるので、その部分だけはバックパネルに現場で実測しながら開口を設けて貰いました。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

端部にはフィラーを入れるのですが、濃い灰色のゴム状のフィラーとなっています。因みに、今回の工事ではWICの組み立ての前にクロスで壁を天井を仕上げて貰っています。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

また、今回はWICの天井高さが2700ミリと高く、上部に可動式のバッグ収納を設けたので、特殊な加工をして貰っています。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

発注前の打ち合わせの様子は、以下のブログでご紹介しておりましたが、

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

その後も二転三転がありましたが、こちらが最終的なレイアウト案となっています。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

そして最終的に組みあがった様子がこちらです。引き込み扉の表面を姿見代わりの鏡張りにしているので、より奥に広がっているように見えますね。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

開口部がある側のWICがこちらです。上部には背の高いバッグと低いバッグ用の可動整理棚をうまくつくることができました。

ポリフォームのウォークインクローゼットシステム

開口部には、洋服が紫外線で傷まないようにブラインドを設けました。
以下は、これまでにポリフォームにお願いした他のプロジェクトのウォークインクロゼット事例です。

ポリフォームのウォークインクローゼット@関西M邸

関西I邸のWICです。

ポリフォームのウォークインクローゼット@渋谷R邸

渋谷R邸のWICです。

ポリフォームのウォークインクローゼット@港区X邸

港区X邸のWICです。

4つのオーダーキッチンショールーム巡り@大田区S邸

大田区S邸

ヴィンテージマンションリフォームの大田区S邸の、奥さまのこだわりの一番のポイントがキッチン改修なのです。そこで、一日でオーダーキッチンのショールームを何軒か回って、最新キッチンの状況を見て頂くと同時に、それぞれ違うコンセプトで作られているショールームで、どこが相性が良さそうかを体験して頂くこととしました。

キッチンショールーム巡り_クチーナ

まず最初に訪問したのは、代官山のクチーナです。フルオーダーというよりセミオーダーキッチン屋さんではありますが、とにかくショールームが大きく、色々なタイプ&デザインのキッチンが揃っており、コンロやシンクやビルトイン冷蔵庫なども種類が多く、オーダーキッチンの初心者が最初に見るのに一番適したショールームだと考えております。

最上階の高級仕様から、一般的なもの、キッチンだけでなく洗面なども一つの建物内で見ることができるので、お客さまの好みのキッチンデザインを一緒に考えることができます。

キッチンショールーム巡り_アムスタイル

次に伺ったのが、クチーナのはす向かいにあるアムスタイルです。高級オーダーキッチン界の先駆者で、スタイリッシュなキッチンと言えばアムスタイルが浮かぶほど、ブランド力もあるキッチンです。沢山のバリエーションがあるクチーナとは、ある意味対極的なミニマルなショールームです。

なるべく調理機器や冷蔵庫などを隠したいというご要望のSさまの奥さまには、色々な部分がピピッと来たようです。

キッチンショールーム巡り_リネアタラーラ

次は場所的にはちょっと離れますが、世田谷区用賀のリネアタラーラです。最近のカガミ建築計画の定番になりつつあるオーダーキッチン屋さんのリネアタラーラですが、お客さまや設計者の要望に応えてなんでもできるのが一番の特徴なのですが、ショールームからはそのことは中々伝えられないようです…。

でも、このコーナー、欧州の各社の食洗器やビルトインコンロを並列に並べて比較検討できるようにしてくれているコーナーはとても好評でした。ミーレしか頭になかったSさまも他の候補を見て、もっと研究しなければというお気持ちになったようです。

キッチンショールーム巡り_エクレア

長い一日のツアーの最後は、またまた離れた文京区小石川のエクレアさんです。こちらで、Sさまの仲良しのお友達がキッチンリフォームをお願いしたとのこと、ショールームを一度見てみたかったそうです。

最初にみた3社とは、考え方の根本が違っており、具体的なお客さまがキッチンを使っていて困った点をどうやって解決するのかに注目した作りのキッチンとなっており、Sさまもなるほどと相槌を打つようなポイントがいくつもあったようです。

こちらは、一番左が既存キッチンのレイアウトに対して、僕らカガミ建築計画だったら、こうするのが良いのではと考えて作ってみた仮のキッチン案です。それぞれのキッチン屋さんにもまだ本決定ではないが、このようなレイアウトを相談中だと伝えて見せたものです。
ショールーム巡りの最後に、「今日の感触をまた次回の打ち合わせ時に聞かせてくださいね」と、Sさまにお伝えしたところ、リネアタラーラかエクレアのどちらかにしたいとのコメントを頂きました。クチーナは、なんでもありで良く分からなかったそうで、アムスタイルは最初は良いと思ったが、ご自身の調理スタイルには合わなさそうだとのことでした。ここまではっきりとご意見を仰っていただいたので、クチーナとアムスタイルさんにはお断りを入れて、リネアタラーラとエクレアさんでお打合せを進めてゆくことになりました!