Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

オーダーキッチン、造作家具と建具打合せ@三田S邸

三田S邸

LGS工事が進んでいる三田S邸の現場ですが、オーダーキッチンと造作家具と建具と建具枠の打合せを現場で行いました。

LGS組立と造作家具打合せ

まず最初はオーダーキッチンのリネアタラーラの原本さんとの現場打合せです。

LGS組立と造作家具打合せ

屋外へのガラス扉を一つつぶして、その手前にキッチンカウンターを作る計画となっているので、その既存扉とキッチンカウンターの取り合いの打合せです。リネアの原本さんとカガミ建築計画で相談した内容を、工事施工会社のリフォームキューの坂本さんと現場監督の滝川さんと打ち合わせをしてくれています。

LGS組立と造作家具打合せ

以前の部分解体現調時にも確認していたPSの配管スペースは、新規エアコンのドレイン管以外はすべて腰から下にしかなかったので、下部は使えませんが、キッチンカウンターを柱型まで伸ばすことが決まりました。

LGS組立と造作家具打合せ

今回はキッチン本体だけでなく、側面のカップボードと、ラウンジ空間に面したワインセラーコーナーもリネアにお願いしているので、現場採寸しながら細かく取り合いを打合せしてもらいました。リネアのキッチン工事は、リフォームキューが進めているリフォーム本体工事とは別で施主支給工事をしているので、どちらかが上に立って管理する形にはなっていません。ただ、工事の現場の進捗状況に合わせてリネアには現場に来てもらい、リネアの設備指示図等によってリフォームキューに工事をしてもらっているので、リフォームキューにはその分の経費を見込んでもらっております。

LGS組立と造作家具打合せ

緑色の配管(エスロン耐火VPパイプ)はキッチンからスラブ貫通孔を通じて、床下の駐車場階の天井裏へとつながる排水管ですが、黄色テープでマーキングされたキッチンキャビネットの下を通ってシンクが設置される位置の真下へと配管されています。

LGS組立と造作家具打合せ

ついでと言っては何ですが、カガミ建築計画の竹田さんも現場監督の滝川さんと一緒に来客用トイレの内寸などの寸法を測っていますね。

LGS組立と造作家具打合せ

続いては造作家具と建具と建具枠の打合せです。造作家具と建具はリフォームキューの下請けに入ったM社の石野さんが現場に来てくれました。

まずは時間的に急がないといけない建具枠の打合せからです。三田S邸では、玄関から廊下1を経て、ラウンジスペースまで、同じ仕上げ材で作った靴収納とゴルフバック収納、壁とその間に入ってくる来客用トイレの扉、そしてワインセラーコーナーへのシャープなエッジ部分まで、同じ仕上げ材が続くことになっています。

この建具が枠無しで隠し丁番を使った、施工精度が求められる難しい収まりとなっています。建具のアンダーカットや上の隙間、目地の幅などを細かく調整させて貰っています。

同じ仕上げ材がぐるーっと回ってくる中で、一か所だけ黒い縁取りの姿見の鏡が入ってきます。廊下1からラウンジへと通じる箇所に設ける鋼製建具と揃えたデザインにするために、細かいディテールの取り合いを相談しました。

2枚の造作家具の扉と、コーナーで絡んでくる収まりなので、設計者としてどのように見せたいかを簡単に説明したスケッチ図です。

建具や造作家具のこれらの施工図は、これまでのリフォームキューとの数々の幾多のプロジェクトである程度共有されてきたものを図面化してくれたものです。ただ、過去に作ったものと同じものを作るのだと全く進歩が無くなってしまうので…、

三田S邸の担当スタッフの竹田さんが、細かいディテールやカウンターとの取り合い寸法をブラッシュアップするためのスケッチを用意してくれました。

LGS組立と造作家具打合せ

以下は、当日の現場の様子です。
LGSで壁下地ができた来たことで、空間の概要が見えてきました。

LGS組立と造作家具打合せ

まだ天井裏に設置される設備類はレイアウトされていませんが、引き込み扉が入る壁は二重のLGSで作られています。

LGS組立と造作家具打合せ

ベテラン大工の宮長さんが床で組んでいる三方枠は…、

LGS組立と造作家具打合せ

ラウンジに面したこちらの窓の枠でした。

LGS組立と造作家具打合せ

その他、床下の配管が間違いなくレイアウトされているかも確認させてもらいました。

LGS組立と造作家具打合せ

玄関では既存のトラバーチン(大理石)を部分的に活かして、間取り変更する箇所には既存を似た色目と柄のトラバーチンを石屋さんに探してもらっていました。現場に届いたサンプルを、既存と並べて確認している様子です。

ポリフォームのウォークインクローゼット設置

関西M邸

関西M邸のウォークインクローゼット改造計画ですが、一度関西に伺ってのお打合せ後は、図面やサンプルを使ってのオンライン打合せで内容を詰めてきました。

関西M邸‗ウォークインクローゼット交換

こちらが完成お引き渡し時の様子ですが、遠隔地ならではの色々な苦労もありました…。

ポリフォームは平面図だけでなく、このような立体図もつくってくれるので、資料としてとても分かりやすく、電話やオンラインでの打ち合わせはとてもやりやすかったです。因みにポリフォームでは「ウォークインクローゼット」と呼ばず「ワードローブシステム」と呼称しています。

今回の工事は、既存のクローゼットを撤去して、エアコンを移動、照明器具と自火報も移動しなければならないので、ポリフォームの図面にエアコン移設や姿見の位置なども書き込んで、リフォーム工事をお願いするゼネコンともきちんと意思疎通を図らないといけないのです。

一旦図面の訂正が終わったところで、オンライン打合せをさせて頂きました。お客さまには京都のアクタスショールームに出向いて頂いて、ポリフォームのコーナーで、アクタスの営業担当の村山さんと櫻井さんにサンプルを用意して貰ってのオンライン打合せです。遠隔地でもこのようなスタイルでのオンライン打合せはとてもスムーズに進みました。この内容に沿って図面を訂正してもらったところで、まずは家具の発注となります。世界各地の戦争や紛争で、イタリアからの船便がスエズ運河を使えないので、発注後日本に納品になるのが6か月半掛かるので、早めに発注を掛ける必要があるのです。

関西M邸‗ウォークインクローゼット交換

そろそろクローゼットのシステム家具が日本に到着するとの情報を貰ったので、弊社設計担当の竹田さんに一人で関西に日帰り出張をして貰い、ゼネコンのリフォーム担当者とアクタスのポリフォーム担当者に現地に来てもらい、工事の取り合いや日程調整をして貰いました。現場への荷物の搬入動線などもこのタイミングで確認して貰いました。

照明やセコムのセキュリティー機器、エアコンを移設してもらう位置を指示するだけでなく、クローゼット家具の間接照明のコンセントの取り出し位置まで設備に追記してもらいました。

ゼネコンのリフォーム工事はお客さまとの直接契約、ポリフォームについてはカガミ建築計画を通しての仕入れとなると、何か問題があった場合の責任分岐点が難しいので、工程は2社をしっかりと分けて行ってもらうこととなりました。

工事が始まってからは毎日工事終了後に写真で何があって、どこまで進んだかを説明してもらいます。こちらは既存クローゼット解体後の様子です。

設備の移設とクロス張りが終わったタイミングでポリフォームの組み立てとなります。

パネル部材を、現地でノックダウン方式(パネル部品を持ち込んで現地で組み立てる生産方式)で組み立てるので、こじんまりとしたクローゼット内のスペースでうまくスペースを作りながら、組み立ててくれていますね。

関西M邸‗ウォークインクローゼット交換

組立が無事終わったとの報告を受けたので、竹田さんと各務の二人で現地に伺って参りました。

関西M邸‗ウォークインクローゼット交換

隙間なくきっちりと組み上げられたクローゼットシステムはシャープでとてもきれいでした。コンパクトなお部屋ですが、無駄なスペースがほとんどなく、お客さまも「効率的な収納ができそうだ」ととても喜んで下さりました!

関西M邸‗ウォークインクローゼット交換

簡単な取り扱い説明では、棚ダボの取り外し方や、引き出しボックスの取り外し方などをMさまに確認して頂きました。

関西M邸‗ウォークインクローゼット交換

ウォークインクローゼットリフォームのビフォーアフターの写真2枚お見せしておきます。

関西M邸‗ウォークインクローゼット交換

元のクローゼットでは枕棚とハンガーバーだけのシステムで、洋服の下にはポリプロピレン製の衣装ケースを引き出し代わりに使っていらっしゃいましたが、重たいものを入れたり、上に荷物を載せると歪んでしまい使いにくくなってしまう弊害がありました。新しい引き出しは3段引きのレールが入っておりとてもスムーズに開閉ができるので、整理もしやすそうだとのことでした。

関西M邸‗ウォークインクローゼット交換

最後のオマケ写真は、リビングの飾り棚です。読み込んだ拙著「世界にひとつだけのプレミアムリノベーション」の隣に、昨年末のモダンリビング大賞ベストシックス賞のトロフィーを飾ってくださっていました!

LGS造作と木造作とボード貼り

渋谷区N邸

新築マンションリフォームの渋谷区N邸の工事現場、LGS(軽量鉄骨)工事が進んでいます。
最近の大型マンションリフォーム&リノベーションだと、工事の種類によって施工者が変わってくるのですが、こちらのお宅では万能の大工さんの上野さんが担当なので、LGSから建具枠の木工事、ボード貼りまで一人で(とは言いつつ、新人の大工の石井さんも一緒に)どんどん進めてくれています。
こちらは玄関ホールからリビングに入る引き戸の上枠ですが、LGSと組み合わせるように木の下地枠を入れてくれています。上に細いスリットが入っている箇所に引き戸レールをはめ込むのです。
こちらは、キッチン入り口から天井を見上げたアングルの写真ですが、手前がLDからキッチンへ入る引き戸枠で、直角に曲がって奥の枠がLDから玄関ホールへの引き戸枠になっています。木製枠といっても実際にはレールを入れてから石膏ボードを張って、クロスで仕上げるので、枠材としては隠れてしまうものです。
こちらはダイニング側からキッチンを見たアングルとなりますが、キッチンのコンロとレンジフード前には壁を立てる計画となっており、その下地がLGSで組まれています。横にはキッチン入り口の引き戸の引き込みポケットが木製下地で組まれています。細かい造作は木で、大きな面はLGSと臨機応変に考えてくれています。
同じ袖壁をキッチン側から見返した写真です。同時吸排システムのレンジフードなので、吸気と排気のダクトが天井裏から降りてきています。右奥で打ち合わせをしているのがリフォームキューの大阿久さんと弊社担当の前田君です。左奥では大工の石井さんが…、
トイレからの排気ダクトを梁下に通してくれています。この梁にはスリーブ(事前に空けられていた穴)は一つかなく、それはキッチンの吸気用に使っているので、このように梁下を通すこととなりました。
この図面の緑色の部分がトイレの排気を洗面上のメディスンキャビネット上を通すという考え方です。実は当初はメディスンキャビネット自体が無かったのですが、排気ダクトを隠す為と収納量を増やすという2つの目的のために、このような提案は如何でしょうかとお客さまにお見積りとともにご説明したところ、ぜひやって下さいとの話になりました。
こちらはリビングダイニングの天井です。こちらのお宅は、中間階なのですが、天井裏に全面に断熱材が吹かれています。真ん中右側に木製の梯子のようなものが見えますね。
こちらなのですが、これは折り上げ天井に埋め込む照明ボックスの下地材となります。
先回のブログでご紹介した斜め壁部分も少し進んでいますが、まだボードが貼られていないので、全容が見えてきませんね…。