リビングの大きな壁面に壁掛けテレビを設置して、その周囲に造作家具を作ったり、素材を張り付けて部屋の中心的なテレビ壁とするデザインは、カガミ建築計画の特徴の一つかもしれません。
こちらの写真集は、これまで弊社が手掛けてきたリビングのテレビとその周囲の造作家具収納です。基本的には壁掛けテレビをご提案することが多いですが、テレビを後日交換する可能性があることを考えて、AVボードの上に置くタイプのテレビをご提案することもあります。
細かいディテールはCGを作った段階から変わってきていますが、新宿区T邸のリビングのTV壁はこのようなデザインとなっています。
施工会社青の下請けとして入ってくれている大沼木工所から出てきた施工図がこちらです(ちなみに、普通は大沼木工所は施工図は書いてくれませんが、今回は別途施工製作費を請求してもらう形で施工図をお願いしました)。造作棚としてはそれほど難しくな無いのかもしれませんが…、
実は一番難しいのは、テレビと壁掛け金物とコンセント位置の関係、スピーカーやDVDプレーヤー、ハードディスクへの配線のレイアウトなのです。あまり早くにテレビやスピーカーをお客さまに決めて貰うことは、お客さまにとってはあまりメリットではありません。最新型のテレビが出るのを待ったり、最新型が出ることで一世代前のテレビが安くなったものを買うことができるので、お客さまにはギリギリまで決定を先延ばしにして貰います。そうなると、テレビのサイズをおおよそ決まっていても、壁掛け金物と相性や、LAN配線やコンセントの位置関係を決めることができないままこの部分の施工が進んでしまうという問題があるのです。
常に最新式のテレビや壁掛け金物を知っていないと、お客さまとの打ち合わせ時に困ってしまうので、岸本さんと家電量販店にで大型4K有機テレビの背面やスピーカーのACアダプターなどを調査した際の写真がこちらです。
そうこうしているうちに新宿区T邸の現場ではリビングの造作棚の設置が始まりました。中央の黄色いボードが見えている箇所にテレビが設置されます。この壁部分はテレビ取り付けや配線の為に二重壁にすることになっています。
テレビ壁の下にはカウンターが来て、その下部には表面をステンレス鏡面板でカバーした下台が来ます。
二重壁の壁裏から下台まで配線を通して、そこから横引きして、
横のトール収納へと配線を通し、
トールキャビネットの背面にコンセント、下部からCD管を出してDVDプレーヤーやハードディスク等と接続できるようにしています。
これは別事例の時に、副所長の前田君が作ってくれたTV配線用の図面ですが、右上のチャート図のように何と何を接続するかが分かっていないと、AVシステムを組むことができません。本当に本格的なAVシステムの場合は専門家に入ってもらいますが、今回の新宿区T邸レベルだと、そこまでのスペックは求められていないので、担当スタッフの岸本さんが頑張ってくれています。
青の樋口さん、大沼社長、弊社の岸本さんと前田君で打ち合わせをしている様子です。
箱組が終わった段階で、まずはテレビ配線の基本方針が決まったようです。
そしてこれは後日テレビ設置部分の二重壁が作られた際の様子です。
テレビ壁掛け金物の位置を避けつつ、テレビ背面のジャックの位置を考慮した箇所に穴をあけ、CD管を通しています。二重壁の裏は空けて上から下に抜けるトンネル状にしているので、2本以上の配管を将来的に通したい場合は、そのトンネルを通してカウンター下まで配線できるようにいたしました。
造作収納のニッチ部分、テレビの壁掛け金物をセットする場所以外は、大理石張りなります。
造作家具の扉と、テレビ下のカウンター台がまだついていませんが、かなり完成形が見えてきました。
因みに、テレビ下でカウンター上の配線箇所には、このような大理石製のカバーを作ってもらっています。
最終段階です。床フローリングの養生が外れて、造作家具の扉もついた段階で、テレビが搬入されてきました。3人掛かりで壁掛け物に吊り込んでもらっています。
テレビ背面の壁掛け金物の角度を電気屋の井上さんが調整してくれています。これだけ全面にせり出す金物なので、テレビの配線は後で通すことができるとのことでした。
当初のCGイメージとかなり近い、ほぼ完成形のテレビボードです!