Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新規プロジェクト_渋谷区L邸がスタートします

渋谷区L邸

低層マンションの最上階ペントハウス、メゾネット(内部階段で繋がった2層住宅)の上階部分のリフォームのご依頼です。

メゾネット上層階だけといっても、主寝室と洋室と洗面+浴室、ウォークインクローゼットだけで150平米超え、下の階は300平米もある超大型住戸なのです。こちらの写真は主寝室からエレベーターホールにも繋がる明るいテラスに面した廊下の様子です。

廊下と主寝室は引き込み扉で開閉できるようになった間取りとなっています。実はお客さまのLさまご一家は、リノベーション済みのこちらのお宅をご購入なさって、試しに1か月暮らしてみたそうですが、マンション購入時には分からなかった使い勝手の悪さが見つかり、本格的にお引越しをする前に上階を改めてリノベーションなさりたいとのご相談でした。
何泊かしかしないホテルとして考えれば、きれいで気持ちよい空間だと感じたそうですが、実際に暮らしてみると、主寝室が上階玄関から奥の水回りに行く上での通路になってしまう間取りの問題、ランドリーと洗面の家具動線の問題、収納スペースは多くあるのに本当に欲しいところに収納がないという問題、寒いだけでなく安全性に不安を感じる浴室などを見直したいとご要望です。

主寝室の隣にあるウォークインクローゼットスペースです。まだ仮の家具の状態ですが、イタリアのハイブランド家具屋に実測・提案してもらい、発注寸前の段階まで来ていたそうです。

こちらが色々と問題があった浴室です。オーダーユニットバスシステムで作られたきれいな浴室でしたが、窓からの冷気が酷く、浴槽の向きが悪く洗い場から入る部分が斜めになっており、今はかろうじて大丈夫でも、歳をとったら危ないだろうと感じているとのお話でした。

こちらは広すぎる室内廊下で、奥が洗面脱衣で、そこも広い割には収納が少なく、使い勝手が悪いとのことでした。

こちらもかなり広いランドリー室です。洗濯機が2台置けて、スロップシンクにカウンター、昇降式物干しまで一通り完備していますが、カウンター奥行やコンセント位置の問題などで改修したいとのお話でした。広さは十分にあるので、こちらはプチリフォームで使い勝手を改善できそうです。

当初のご相談では、寝室とウォークインクローゼットと廊下は間取りから再レイアウト、浴室は同じ位置のまま作り直し、洗面とランドリーはプチリフォームで使い勝手を良くしたいとの内容でした。なるべく急ぎで計画を進めて欲しいとのことでしたので、カガミ建築計画ではタイミング的に人手が足りなかったので弊社OBスタッフの後藤さんがいるハク・アーキテクツスタジオに設計協力をお願いし、かつ、このマンションでの施工実績が幾つかある設計施工会社の三井デザインテック(以下三井DT)と最初からチームを組んでスタートすることとなりました。ハクの後藤さんと関さん、三井DTのコンシェルジュ事業部の榎本さんと蛭川さんと一緒の現調時の写真です。

間取りのアイデアを考えながら、どのような素材を使って空間のイメージをどうするかのお話の為に、弊社で良く使っている素材を一通りご自宅に運んでお打合せをさせて頂いた際の様子です。

弊社の実例写真を色味で分けて分類したシートと一緒にお見せして、

お二人の好みの素材がどのようなものかをまずはお打合せをさせて頂きました。

中央区S邸の一年点検

ザ・ライブラリー

ザ・ライブラリーの告知ブログです。
一年ちょっと前に工事を終えてお引き渡しをしていた、高層マンションメゾネットリノベーションの中央区S邸に一年点検に伺って参りました。

中央区S邸‗一年点検

お引き渡しの時は、まだ家具も届いていないものがあり、Sさまご夫妻が大好きな現代アートも飾っていないような状態でしたが、一年経って新しい家具も入り、アートもふんだんに入って、Sさまらしいお宅に仕上がっていました!

中央区S邸‗一年点検

玄関入って正面のアートが変わり、ガラッと空間の雰囲気が変わっていました。こちらのアートはAndy Denzler(アンディ・デンツラー)の作品とのこと、シックでいながら革新的で、Sさまのお宅のイメージにピッタリな雰囲気でした。

中央区S邸‗一年点検

大理石張りの柱型の横面には高解像度の写真作品が掛かっていました。ダイニングチェアをレザー張りに代えられたとのこと、こちらも空間にマッチしていました。

中央区S邸‗一年点検

メゾネットの階段を上った正面と、来客用トイレには、印象画のクラシカルな作品をモダンに再解釈下ようなアートが掛かっており、大理石柄のタイルや黒いスチールサッシや手すりに負けない、強度のあるアートが堂々と掛かっていました。

中央区S邸‗一年点検

階段上がって右に入った書斎は、お引き渡し時には完成していなかった本棚と机が収まっていました。こちらは、AREAでお客さまがオーダーしたものです。

中央区S邸‗一年点検

寝室奥には、ポリフォームのクローゼットシステムが入っていました。こちらも洋服の間にアートが掛けられているのがSさま風ですね!

中央区S邸‗一年点検

と、Sさまのインテリアとアートのお話を伺っているとどんどん時間が過ぎてしまいますが(笑)、本日の目的は一年点検でした。以前から上階のシンクのポップアップ水栓がうまく動かなくなっているとのことを伺っていたので、現場監督の栗原さんと水道屋さんにも同行して貰っていました。

中央区S邸‗一年点検

奥のシンクは問題が無いのに、手前のシンクがうまくいかないとのこと、キャビネットの引出しを外して、

中央区S邸‗一年点検

水道屋さんがキャビネットの下にもぐって原因を探ってくれました。

中央区S邸‗一年点検

こちらがシンク裏の様子です。2本の細い金属の棒は直角に絡んでいる部分がポップアップ水栓の駆動部となるのですが、この角度が深すぎて、うまく力が伝わっていなかったことが判り、水道屋さんが調整してくれました。

中央区S邸‗一年点検

水道屋と現場監督が奮闘してくれている間は、田口さんと前田君と各務の三人で、お部屋の中をくまなく見回って、仕上げ材のヒビやカケが無いか、不具合が無いかを確認して回りました。こちらは下階のチェックメモです。
その他上階のチェック項目や、新規に追加でご依頼があったデザイン項目等については、ザ・ライブラリーのブログをご覧ください。

造作家具の組み立て-2_マッドルームと本棚と読書コーナー

文京区S邸

文京区S邸のその他の造作家具の組み立ての様子です。

こちらは長い土間廊下に沿って展開するマッドルーム収納の一部です。

玄関が二つあるこちらのお宅では、一つは来客も含めた正式の玄関、もう一つはお子さま達の日常使いの勝手口となります。この勝手口入ってすぐの左右に靴やジャンパー類、学校用具や遊び道具などを収納できる家具を展開しているのです。

勝手口入って左側には靴収納とコート収納が納まります。それぞれのキャビネットの上には弱電盤と分電盤が設置されます。

勝手口入って右側がL字型のベンチシートが伸びています。

このように立てた脚の上に…、

甲板を乗せてベンチとしています。

組立上がるとこのようになりました。3人のお子さま達が暮らして、壁のフックにカバンが掛かってくると楽しく賑やかな空間になりそうです!

こちらは主寝室に設けた本棚です。お客さまからは希少なアンティークの本を入れる本棚なので、間接照明などで飾り立てるのではなく、無垢材で作った棚板で武骨な本棚として欲しいとのご要望でした。

壁に穴をあけたニッチに押し込んで水平垂直を確認しながら設置してくれています。

壁と本棚家具の隙間に差し込んでいるのはこのような素朴な器具で、風船に空気を送り込むことで、微妙な調整ができるものとのことでした。

当初は全てオープン棚の予定でしたが、お客さまからスプリンクラーが誤作動して水を出した場合、希少な本がダメージを受けてしまうのでガラス扉をつけて欲しいとのことになりました。デザイン的に左右の本棚にガラス扉をつけて、真ん中の2本はオープンにするご提案をさせて頂きました。

最終的に組みあがった本棚がこちらです。

無垢材で作った棚板に、濃灰の転び留めをつけたことで、お客さまのご希望通りの武骨な風合いに仕上がりました。

こちらはマッドルーム隣にあるランドリールームです。

キャビネットに扉がついて…、

お客さまと一緒に選んだ植物柄の壁紙が張られて、

真鍮職の水栓や金物が取り付いてランドリールームの完成です。あとは、今お住まいのお宅からミーレの洗濯乾燥機を移動すれば、すぐに洗濯作業がスタートできますね。

職人さんが斜めの台輪を組み立てる作業をしてくれているこちらは、子ども部屋の中に作る読書コーナー家具です。

僕らが作ったスケッチ画をもとに、

建築工事の青と造作家具工事の現代製作所で、作ってくれた図面がこちらです。建築工事で作った壁に固定棚の本棚を組み込んで、台形のベンチを家具工事で作ってもらうという算段です。

台形のベンチ下には引き出しをつけることになり、ちょっと面倒な作りになってしまいました…。

どのように組み立てればよいのかを現代製作所の吉岡さんが判りやすく図解してくれた図面です。

こちらが上部の固定本棚で、

こちらが台形のベンチシートの下地組です。

クローゼットが三本並んだ横に小さな読書コーナーが作られています。

最後に出来上がったのがこちらです。女の子たちが選んでくれたシートの色はピンクではなく、青でした。下の引き出しは上に立っての出し入れは危ないので、鍵をつけて大人が一緒の時にだけ使える仕様としています。これはお嬢さまたちに喜んでもらえそうです!