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プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

「二室一室」採光の特殊な取り扱い@代官山N邸

代官山N邸

先日の解体確認後に壁や天井の下地造りが進んできた代官山N邸の工事現場に伺って参りました。

キッチンや洋室の間仕切りがなくなって、きれいさっぱりした空間で大工さんたちが、壁と天井の下地を作り始めています。

新しい木軸壁が梁下に沿って立ち上がってきていま。左右に入り口があり、右側が窓があるお嬢さまの部屋で、左側が窓が無い代わりに、上部のランマから光が差すご主人の書斎(将来は息子さんの寝室の予定)となります。この窓が無い居室であるご主人の書斎の扱いが、今回ちょっと特殊な扱いなっております。

下地造作@代官山N邸

お嬢さまの部屋から、リビングダイニングを見返したアングルですが、右側の壁上に横長の開口が空く予定で、それが光を通す欄間(らんま)になります。

下地造作@代官山N邸

窓なしの部屋はLDKに対して、壁の半分以上が開く特殊な引き戸を設けて、「2室1室」という建築基準法上の特殊な条件( 居室の採光について2室を1室とみなす取り扱い)を使って、ご主人の書斎が、納戸ではなく、正規の居室となるように工夫をしております。そのための大開口の特殊なディテールを現場監督が壁にスケッチしてくれたものです。
LDKに面する壁に対して、その壁面積の二分の一以上を開口するという条件にマッチするために、2連の引き込み扉を作って、壁の3分の2が開くようにデザインしているのです。

リビング正面から書斎を見ると、このようになります(と言っても分かりにくいですね…)。

平面図で見ると、このようになっています。幅1.4メートルの大きな引き込み戸を壁の隙間に引き込むことで、図面左側にあるLDKに対して書斎壁面の半分以上を開口にすることができる仕組みとなっているのです。

下地造作@代官山N邸

さて、その他の部屋の工事も進んでおります。こちらは玄関前の廊下ですが、向かって左側の納戸の扉と枠を外した状態になっています。

下地造作@代官山N邸

玄関の三和土(タタキ。靴がある部分)から、納戸の床が25センチほど上がっていたので、何か床下に設備類が詰まっているのかと考えて床を解体して貰いましたが、大きな支障となるものは無いことが判ったので、廊下部分の床の高さに合わせて貰うように現場監督にお願い致しました。

下地造作@代官山N邸

こちらは洗面所の床下です。洗面所は、半分は床スラブが落ちて配管用スペースがあり(ベニヤ板が敷かれている部分)で、手前は嵩上げでシンダーコンクリートが打たれておりました。洗濯機と洗面カウンターの位置を交換する予定ですが、こちらは問題なく配管できそうです。

下地造作@代官山N邸

ユニットを交換する浴室の床下です。給水給湯排水管共に健全な状態でしたので、基本的にこれらを再利用してゆきます。

下地造作@代官山N邸

以前、検査用に空けた孔から覗き込んだキッチンのシンクからの排水管です。ギリギリの勾配でしたが、配管を新しくしてもう一度つなぎ直すことになっています。

下地造作@代官山N邸

天井裏に隠れていたダクト類も整理して、LDKの折り上げ天井を成形にして、空間のボリューム感をうまく上げることができそうです。