盛りだくさん過ぎて1回のブログではご紹介しきれないポリフォーム・ラボ(巨大ショールーム)の第2弾です。
まずはポリフォームの最も得意とする壁面クローゼット家具をご紹介いたします。今ではイタリア製ハイ・ブランド家具システムでは標準仕様ともなっている、クローゼットにガラス扉を取り付けたり、間接照明を入れて中の服を魅力的に見せることは、このポリフォルムが世界で初めて先駆けて手がけたとのことです。
また、こちらの事例のようにワードローブクロゼットで部屋を仕切るアイデアもポリフォルムが世界初の販売したとのこと、とにかくこの壁面クローゼットシステムのデザイン開発が、ポリフォルムの発展の基盤となっているとのことでした。
クローゼットシステムを大きく分類すると、箱を作るシステムと、ポールを立てるシステムと背面壁から持ち出すシステムの3通りが用意されています。
ポールを立てるシステムは、クローゼット空間に一定間隔で床と天井の間に突っ張り棒を立て、その間に棚板や引き出しボックスを挟みこんでゆくシステムです。建築をいじらずに後施工でできるので、比較的安価となります。安価ながら部材は豊富で、ポールに電気を通して間接照明をつけることも可能です。
こちらの右側濃紺の部分はは壁から棚板やハンガーを持ち出すシステムです。パネルの間にスリットがあり、そこに特殊な金物を差し込むことで可動式の部材を取り付けられるようになっています。こちらも比較的簡易なシステムではありますが、間接照明も可能となります。
こちらの写真の右側半分が箱型を組んだクローゼットです。前者2つは扉を取り付けることができないのに対して、箱型のみ扉を取り付けることが可能です。扉も塗装仕上げやガラス扉のバリエーションがあるので、3つのタイプを組み合わせると魅せる収納や隠す収納、特別感を出す部分などを自由自在に演出することが可能となるのです。
クローゼットのガラス扉の創始者(笑)だけあって、扉や取っ手のディテールには工夫があふれています。こちらは扉のフレームをシャープに見せるテーパー加工…、
こちらの扉はガラス面を大きくして、フレームをガラス背面に隠しつつ、使いやすい取っ手となっています。
クローゼット内部の引き出しや棚板、間接照明の収まりもとても研究されておりきれいです。こちらがガラスの小口から照明を入れてガラス棚そのものを照らすディテールです。
棚板の奥に黒い帯が見えていますが、こちらは新たに開発した除湿システム(PSE認証の関係で、日本での発売予定は未定)だそうです。扉付きのクローゼットだと湿気が溜まることを嫌がるお客さまもいらっしゃるので、もしコンパクトな除湿システムが組み込めれば、欲しいという方は多くなるだろうと思っています。
2000年に始めたという置き家具も毎年確実にコレクションを増やしているようです。
こちらはアクタスの新宿ショールームにも置いてある(あった?)モンドリアン・シリーズのソファとテーブル類です。
ソファの間に挟まっている木製テーブルの下が引き出しになっている優れものデザインです。すぐ見当たらなくなってしまう、テレビやDVDのリモコン類の収納に最適ですね。
ベッドやサイドテーブル類のバリエーションも増えてきています。こちらの寝室レイアウトではベッドを部屋の中央に置き、ベッド背面にスクリーン(こちらもポリフォルムの製品、ヒマ)を置き、その後背部の空間にセットアップカウンターとラウンジコーナーを設置しています。
ヒマ・スクリーンはロープ張りで光も風も適度に通しつつ、視線をうまく遮ってくれるので、こちら側に回り込むとベッドのある寝室らしさが薄れます。
こちらのベッドでは、壁いっぱいにまで伸ばしたレザー張りのヘッドボードが印象的です。レザーについては、ハイ・ブランド家具では牛皮から人工レザー(テクノレザー)への転換が進んできていますが、こちらはまだ牛皮の様でした。
ミラノサローネの会場展示のブログでも書きましたが、壁面パネルシステムもポリフォルムでは進化させているので、床と天井と照明計画だけをきちんとしておけば、このようなスタイリッシュな寝室を置き家具と壁面システムだけで組み上げることができるようになっているのです。
こちらのセットアップカウンターは、右側の天然石天板部分は置き家具で、左側のテーブルカウンター部分は壁面システムから持たせている形になります。
それらを部屋の隅で直行させると、このような空間作りができるというわけです。
こちらのソファーセットは、ベルポートのレザー張りに、センターテーブルのクリーク、木製コーヒーテーブル/チェアのウベを合わせ、得意の大型壁面収納で纏めたコーナーです。
ソファーの横には超希少な天然大理石のラピス・ラズリ(青色大理石)のサイドテーブルが置いてありました。アクタスの大岩さんに聞いたところ、特注の製品で、一般では販売していないとのことでした。
地下展示室だけでも300坪、
グランドフロアと合わせると3000坪の広さがあるので、一つ一つのコーナーをじっくり研究するというより、早歩きで回りながら気になった部分を撮影してゆくような流れでの見学になってしまいました。
最後のおまけはこちらの建具です。今回のツアーは皆さん、建築畑の方々なので、ディテールのチェックには余念がありませんでした。
こちらの建具は製品としては販売していない、ラボだけの特製品とのことでしたが、取っ手は家具の取っ手は表裏に貼り合わせたスタイルで、
内側からはボタンで開閉ができ、外側からタッチキーで制御できるシステムになっていました。
フロアヒンジで吊った扉でしたが、戸先も戸尻も特別な加工で気密性がとれるようになっていました。
程よく疲れた(というかかなり疲れましたが…)あとは、ラボの奥にあるレストランに招待され、
美味しいランチを頂きました!この日の午後は、さらにポリフォルムのキッチン工場を見学させてもらいます。