ヴィンテージマンションリフォームの大田区S邸の工事が終わり、竣工検査と各種設備や機器の取り扱い説明をさせて頂きました。今回は取り扱い説明を中心にブログ記事を書いてみます。

引き渡しは、僕ら設計者や工務店、キッチンメーカーなどからすると「完成」となりますが、実はお客さま側から考えると、ここでの新しい生活が「スタート」するポイントとなるのです。特にカガミ建築計画がご提案するような高級設備機器ほど、機能が複雑で、後からマニュアルを見ても判らなくなってしまうことが多いので、各設備ブランドのプロに来てもらい、なるべく丁寧に、そして分かりやすく説明をして貰うようにお願いしています。引き渡し時の取り扱い説明は、単なる使い方の説明ではなく、これからの暮らしの質を大きく左右する重要なプロセスだと考えているからです。

キッチンには、食洗器、ガスコンロ、レンジフード、ビルトインオーブン、ビルトイン冷蔵庫などが入っているので、オーダーキッチン・リネアタラーラの牧野さんが中心になって説明をして貰いましたが、必要に応じて設備ブランドの専門家にも来てもらいました。
ミーレの食洗器については、牧野さんはご自宅でもほぼ毎日使っている経験もあり、一通りの使い方というより、どういうときにどのように使うべきかを体験をもとに話をしてくれるのです。実際の使用体験に基づいた説明は、カタログには載っていないリアルな情報で、毎回とても聞きごたえがあります。最近の食洗器用の洗剤は、たんぱく質を溶かす成分が入っているので、食べ残しがこびりついた食器を入れても、その後のフィルター清掃時にほとんど食べかすが残っていないそうです。

ガスコンロ(デリシア・リンナイ)も機能がかなり充実しており、魚焼きグリルのアタッチメント(ココットやダッチオーブン等)の使い方、各コンロの温度設定やタイマー、そして五徳の清掃方法まで多岐にわたります。今回は奥さまがどうしても所用で立ち会えなかったので、ご主人さまが後から見返せるように動画で記録されているのが印象的でした。

ミーレのビルトインオーブンの説明を、僕各務が試みていますが、質問があると受け答えができない部分があるので、途中から牧野さんにバトンタッチしてもらいました…。特に最近の設備機器は高性能な分、自己流で使ってしまうと本来の性能が発揮されないことも少なくありません。
写真はありませんが、自宅ではレンジフードの清掃係を務めているので、アリアフィーナのレンジフードの普段の清掃方法から、年に一度の分解清掃まで説明させて頂きました。設計者としては、せっかく良い設備を入れても正しく使われないのは非常にもったいないと感じています。

ビルトイン冷蔵庫のリープヘルの取り扱い説明です。実はこの日は、リープヘルを取り扱っているインタックス社から、youtube用の動画でお客さまのインタビューも取らせて欲しいとの依頼があり、Sさまの了解を得たうえで撮影もして貰ったので、リープヘルの説明要員(笑)が3人もいらっしゃったのです。こちらの動画がその時に撮影したものです。
このビルトイン冷蔵庫やビルトインオーブンなどは、最初に使いこなす努力をしないと、最低限の機能しか使えないままになってしまうので、リネアタラーラの牧野さんは奥さまがいらっしゃるときに、もう一度取り扱い説明に来てくれることになっています。

キッチンそのものではありませんが、カウンター上にある窓を加工した細工も説明させて頂きました。

コンロに近い位置の窓には、どうしても油煙が飛んで汚れやすくなります。また、この窓は実はキッチンカウンターより下まであるサイズだったので、カウンター上に造作でインナーサッシを作って納めています。高価なエアヒンジ(ハーフェレ)を使ってほぼ壁とフラットに納めているのです。

キッチンの横にあるセキュリティーシステムは、以前から使っていたものの機能を拡張しているので、新しい機能をセコムの方に説明してもらいました。

新規ご購入の家具が揃ってきたので、ダイニングではペンダント照明器具の高さの最終調整をさせて頂きました。ビストージ社のパペットリング(ルミナベッラ)を採用させて頂きましたが、通常がペンダントの一番下の部分の高さをダイニングテーブル上から8000~900ミリにさせて貰うのですが、写真のようにダイニング座ったり立ったりを繰り返して、頭が当たらないかを確認させて頂くのです。結果的には850ミリとなりました。

こちらは浴室の説明です。今回オーダーユニットバスをお願いしたヴェルデの立花さんが説明してくれています。シャワーバーやシャワーの使い方はそれほど難しくありませんが、ジャクソンの浴槽の清掃方法などは、元ジャクソンで働いていた立花さんの説明はかなり細かいのです。

給湯器システムも新しくしているので、こちらについては、リフォームキューの大阿久さんが説明してくれています。元々はヴィンテージ過ぎて、追い焚きができないお風呂でしたので、追い焚きやマイクロバブルの説明は、とても喜んで聞いてくださいました。

取説の合間には、タオルラックの取り付け位置の現地確認などもさせて貰っています。

ランドリールームの取説では、ミーレの洗濯機はミーレが、ガス乾燥機・乾太くんの説明は東京ガス・ライフバルが説明してています。

機器類ではありませんが、クローゼット部屋のハンガーパイプと枕棚、

玄関横の収納の可動棚などについても説明させて頂きました。

ながーい説明の後に、最終お引き渡し時の追加工事の金額のご説明をさせて頂きました。

Sさまご主人さまと最後に残ってくれていた関係者と一緒の記念撮影です。左からリフォームキューの槻川原さん、大阿久さん、カガミ建築計画の竹田さん、Sさま、各務、そしてインタックスのお二人です。
引き渡しは設計や工事の完成ではありますが、お客さまにとってはここからが本当のスタートです。設備を正しく使いこなしていただくことで、空間の価値もより引き出されていくのだと思います。