新宿オゾンにて開催中の「みんなのキッチンストーリー展」の見学に行って参りました。
展示の趣旨は、「多様な暮らし方から発想されたキッチンに焦点をあて、住まいと暮らしの関係性、その理想的な築き方を考えます。生活空間の核としての基本はおさえつつ、 個々の暮らしを反映したキッチン、多目的なスペース、こだわりが詰まったディテール…多様化するキッチンを紹介し、暮らしに寄り添うかたちの実現につい て、その背景と方法を掘り下げていきます」とのことでした。
僕らもユニークなキッチンの設計をお手伝いしてきましたが、大きなアイランドとその中央を貫通する配管の円柱が印象的な杉並区S邸の キッチンをご紹介して貰っています。
展示に当たって、改めてお施主様にお手伝いさせて頂いたキッチンの感想を伺ったところ、とても嬉しいコメントを頂きま した。少し長くなりますが、以下ご紹介させて頂きます。「オープンなキッチンになったことで片付け中でも子供達とコミュニケーションが常にとれるようにな りました。ダイニングが子供たちの勉強机となっているので、料理中に質問に答えたり、会話したり出来て大変助かってます。以前の閉じたキッチンの時の 「ちょっと待ってて!後で!」というセリフが格段に減りました(笑)。キッチンから窓の外の景色が広がり、外の四季を楽しみながら作業が出来て最高に幸せ です。光と風がたっぷり入る空間は、まさに理想の空間です。また、オープンで死角がないため、キッチンを常にキレイに使おうと意識が変わりました。いい意 味で「丸見え」なので、生活感溢れる物は全て収納し、調理台も常にピカピカに磨くのが生きがい(?)になりました(笑)。アイランドの丸柱は不思議な存在 で、この丸柱があることで全体との一体感が生まれ、「家っぽい」安定感のある仕上がりになっているような気がいたします。主張しすぎない、この微妙な存在 感のある丸柱なしには、このキッチンは語れません!もしこの丸柱がなかったら、広い空間に大きなアイランド、という組み合わせは「お料理教室」や「学校の 家庭科室」の調理台的なイメージだったかもしれません。」
展示には他の建築家のユニークで個性的でかつ魅力的なキッチンが沢山紹介されており、とても勉強になりました。
キッチンのレイアウトの基本を模型を見ながら勉強できるコーナーも作られており、時間があれば一見の価値ありの展示だと思います。杉並区S邸のお施主さまからは、他にも「春休みには娘のお友達家族と一緒にランチパーティーをしたりしましたが、大勢でもゆったりと一緒にお料理の準備が出来てとても楽しかったです。将来的には、大人限定(?)の集いも企画し、オープンキッチンのさらなる威力を発揮したいところです(笑)。」とのお言葉も頂きました。本当に設計者冥利に尽きるキッチンでした。Sさま、ご協力どうもありがとうございます!