外苑前C邸の工事は着々と進行中で、パネル仕様となっている壁下地へのパテ処理が進んできました。
上下に長方形のラインが掛かれている壁が、パネル仕様の壁となっています。
アップで見て頂くと少し様子が伝わるかと思いますが、これはクラシカルなデザインモチーフのパネル壁をモチーフとしています。通常は細い装飾要素を出っ張らせるのですが、モダンに見せるためにライン状に溝を掘ったデザインとしています。
そして、この丁寧にパテ掛けされた壁をグレージュ色に塗装すると…、
このような仕上がりになってくるのです。
まだ吊り込まれていませんが、既存の扉の装飾と同じプロポーションにしているので、塗装し直した扉が吊り込まれると、一連のパネルが並んだように見えるハズなのです。
オリジナルの建具が吊り込まれる、廊下からリビングへの開口部には、まだ袖の透明ガラスを差し込む溝が掘られていなかったので、その位置を現場で確認致しました。
リビングの一面に設けるAV&TV壁も下地が出来上がってきています。黒く見えるのは、下地のベニヤ板を黒く塗装して貰ったものです。この上か加工石材のサルバトーリの黒系の石材を張るのですが、万が一石と石の間に隙間が出来てしまった時にも白い壁が見えないようにするための黒色です。
この黒く塗られた壁を近くで見ると、壁が二重に作られており、その背面からオレンジ色の管や灰色の線が垂れて来ています。これがAV&TV設置には非常に大事なもので、オレンジ色の管がテレビやアンプ、DVDやスピーカーを結ぶ配線を通すためのCD管なのです。一つ上の写真の天井付近を良く見て頂くと、丸く穿たれた穴からオレンジ色の管が覗いていますが、天井付けのスピーカーとアンプを入れる棚の背部を配線で繋げることができるようになっています。
分かりにくい写真ですが、この壁裏を覗くと、二重壁の裏に隙間があることが判ります。このスペースにオレンジ色のCD管や配線が通っているのですが、同時にAVアンプの熱を天井裏に逃がすための排熱スペースとなっています。AV壁の隣に設けるビルトイン型のワインセラーの背面壁も同じように二重壁として排熱を考慮しています。
当日はタイル職人さんも入って、各所のタイルを張ってくれていました。こちらは玄関の三和土(タタキ)部分です。
手前が玄関のタタキで、同じ灰色の大理石調のタイルを廊下正面の壁にも張って貰っています。こちらは割り付けを少し工夫して、雰囲気を変えています。
まだ目地が入っていませんが、間近で見るとこのような風合いになっています。
来客用トイレの床と壁にも、玄関と同じ種類ですが、色味の違う大理石調タイルを張って貰っております。
建具については、既存扉を塗装工場に運び出してスプレーで塗装して貰っておりますが、枠については持ち出すのが大変なので、現場で塗装して貰っています。
塗装とタイルが仕上がってきたことで、外苑前C邸のインテリア空間もおおよその仕上がり感が見えてきました。