Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

新規プロジェクト_290平米の大型リノベの文京区S邸

文京区S邸

新しいプロジェクトが始まったので紹介いたします。文京区にある築10年の築浅低層マンションで、当初から2住戸が連結され290平米あるリノベーション済みの大型住戸をご購入なさったお客さまからのご依頼のプロジェクトです。

新規プロジェクト_文京区S邸

地下鉄の駅からの利便性が良い地の利で、かつここまで広い住戸は中々見つからないとのこと、リノベーション済みながら間取りもインテリアも全く気に入っていなかったそうですが、ご夫妻とお子さま2人の4人家族の住まい方を一緒に考えて欲しいとのご相談を頂きました。
外国暮らしが長かったSさまご夫妻は温かみのある木質と塗装の柔らかい雰囲気の空間がお好みなのに対して、こちらのお宅の内装は冷たい雰囲気で内装は全てやり替えたいとのご要望でした。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらが頂いたご購入時の間取り図です。リビングダイニングは50平米(30畳)と広く部屋数も十分にあるのですが、大きなL字型の間取りの中で、奥さまの滞在時間が一番長いキッチンが一番端っこにあったり、意味のない廊下が多く、見通しが悪いことなどは間取りの問題点です。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらが既存のキッチンです。明るく大きく広さも十分にあるように感じますが、今のお住いのキッチンと比較してもサイズが小さく、パントリー収納は不足だし、何よりもデザインが好きではないとのこと、どう考えても作り直すしかなさそうです。

新規プロジェクト_文京区S邸

暗くて見通しが悪い廊下です。290平米(87坪)の広さなのに、なぜか防火扉が3枚もあります。理論的には1枚の防火扉で足りるハズなのですが、元々が140平米と150平米の二つの住戸を連結した形で販売されたという経緯があるので、そのプロセスの中で既存の防火扉が残っていたのかも知れません…。

新規プロジェクト_文京区S邸

先の写真の曲がり角を曲がった先に繋がる新たな廊下です。端にあるキッチンから大声を出して呼んでも、その反対側の端にある寝室にはどう見ても声が届かなそうです。

新規プロジェクト_文京区S邸

2住戸を連結したお宅なので、玄関が二つあります。こちらがリビングダイニングに直結した玄関ですが、広くて立派な分、リビングダイニングを圧迫していますので、何とかコンパクトにして、LDKの広さを確保しなければです。

新規プロジェクト_文京区S邸

主寝室横の洗面と浴室です、とてもきれいに設えてありますが、なぜかこの背面には車いす用の手洗いカウンターが実装されていたり、

新規プロジェクト_文京区S邸

主寝室の水回りにはシャワーの方が必要で、ジェットやバブル機能付きの浴槽はまず使わないので、その分LDKを広くなさりたいとのことでした。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらはもう一つの家族用の洗面から見た浴室ですが、バルコニーへの出入り口と浴室の位置が重なってしまっているので、何か不思議な納まりになっています…。

新規プロジェクト_文京区S邸

浴室にあるもう一つの扉を開けると小タタキになった空間があり、その先にバルコニーへの出入り口のサッシがあるという納まりになっているのです。バルコニーには避難用のハシゴもあるので、法規上でも出れるようにしておかないといけないので、このような変則的な作りになってしまっているようでした。ただ、Sさまご夫妻は、こんな変な作りのお風呂は嫌だとのことで、やはりこちらも作り直す必要がありそうなのです。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらは主寝室横のウォークイン・クローゼット(WIC)です。デザインがお好きではないことは共通(笑)していますが、左側の奥にある謎の引き出しは全く不要とのこと、部分的に作り替えるくらいであれば、間取りも変わってきそうなので、残念ながら作り変えになってしまいそうです。

新規プロジェクト_文京区S邸

こちらはユーティリティーです。右のカウンター下に洗濯機と乾燥機が入り、大き目のシンクとカウンターとリネン収納があり、更には床暖房とエアコンが付いています。最後の設備は少々やり過ぎですが、お手伝いがお掃除や洗濯をしてくれることを考えると、この位の広さが必要になります。ただ、場所はファミリールームのすぐ横なのはあまり使い勝手が良くありませんね…。

新規プロジェクト_文京区S邸

お部屋のカギをお預かりしたので、また別日に調査に入ることになりそうですが、天井の点検口はすべて空けて、内部を確認しました。こちらはロスナイ(全熱交換器)のフィルター清掃用の点検口でした。

新規プロジェクト_文京区S邸

天井裏の作り方やダクトや電気配線の方法もザッと確認致しました。

新規プロジェクト_文京区S邸

玄関外の共用廊下にあるメーターボックス内も確認致しました。排水管の芯の高さやガスメーターの番号やガス管の径などをチェックしておきました。

新規プロジェクト_文京区S邸

Sさまのご要望と、今の間取りを突き合わせて、こちらで考えたリノベーション案がこちらです。キッチンをL字型の蝶番部分に持って来た案となります。LDを一望できるのは勿論、キッチンから首をホールに出せば一直線上に一番角の寝室まで視線が通るレイアウトとなっています。

新規プロジェクト_文京区S邸

最後のこちらのイメージは、上記のリノベーションを実施した場合のビフォーアフターの完成予想イメージスケッチです。右手の玄関を縮小し、正面壁裏の水回りを撤去したエリアにセミオープンの大型キッチンを入れたことで、LDKの大きさがより広くなる案となっています。細かい部分は、まだまだこれから詰めてゆく必要がありますが、大まかなプランの方向性、スケジュール等の合意ができたので、正式にプロジェクトを進めてゆくことになりました。