お施主さまの都合で、ここまでスローペースで進んできた六本木N邸プロジェクトですが、お二人にとってとても重要な要素である浴室とシャワーブースの内容がほぼ決まってきました。
ここまでの打ち合わせプロセスですが、いつもオーダーユニットバスをお願いしている、白金台の東京バススタイルで3度の打ち合わせを重ねてまいりました。初回は、ご主人さまの都合がつかず、奥さまだけでオーダーユニットバスであれば、どのようなことが可能になるのかを説明させて頂きました。
今回六本木N邸で計画している浴室は、このショールームのサンプル浴室より大きいのですが、浴槽と扉の位置が参考になるので、実際に中に入って頂き使い勝手をイメージしながら、シャワーと浴槽の関係を考えて頂きました。
オーダーのユニットバスだけでなく、やはりオーダーでシャワーブースも作る予定なので、ショールーム内のシャワーユニットも体験して頂きました。因みに、このユニットのガラスは、電気のオン・オフで透明と不透明をコントロールできる特殊なガラスだそうです。
オーダーで浴室やシャワーユニットを作った場合、既成のユニットバスと比較して、以下のポイントが自由に選べます。
- サイズと形(四角でない変形も可能)を自由に選べる
- 壁や床材、ガラス壁や扉材などの内装仕上げを自由に選べる
- 浴槽やシャワー水栓、レインシャワーやボディーシャワーなどを自由に選べる
上の写真は、ショールームの廊下が仕上げ材料のギャラリーのようになっているので、気になるタイルや大理石を選んでいる様子です。
こちらが、まず暫定的に選んで頂いた仕上げ素材のサンプルです。全体にベージュトーンでオーソドックスな仕上げになりそうです。
この段階で、まず担当の和久田さんに一度図面を書いてもらい、見積りも作ってもらいました。ユニットバスでありながら、室内にシャワーコーナーを作った特殊な構成となっているので、サイズ的にも結構大きく、費用もそれなりの金額が出てきました。
約一か月置いての二度目の打ち合わせにはご主人さまも参加してくださいました。当初の計画では、浴室は奥さまがメインに使用して、シャワーユニットはご主人が専用に使う予定だったのですが、寝室との位置関係、さらには大型のウォークインクロゼットの位置関係などから、浴室はご夫婦ともに使用して、シャワーユニットは奥さま専用の洗面室の中に設けることになりました。
この図面で右上に見えているのがオーダーのユニットバスです。(図面には見えない)左側の主寝室からは、廊下を経て、ライブラリーと洗面・脱衣を通過して浴室へ行く動線となっています。洗面所を下へ抜けると、お二人それぞれのための大きなウォークイン・クローゼットがあるという平面構成となっています。
レインシャワーはご主人が使って、ハンドシャワーはお二人とも使用することは決まっておりましたが、カラン(お湯と水がひとつの蛇口から出る混合水栓)をどこに設けるかどうかをお二人でご相談中です。浴槽については、こちらのショールームにはあまり多くのサンプルがないので、浴槽専門のショールームを後日訪問することになりました。
別の日程で、南青山にあるジャクソン社の高級浴槽のショールームを訪問いたしました。ジャクソンの浴槽は、純粋に日本製で、日本人デザイナーが作った浴槽ですが、その垢抜けたデザインと浴槽を単なる湯あみの道具以上なものに昇華させたという意味で、本当に画期的なものだと思っております。
ライフスタイルに沿って色々なサイズ、形の浴槽がショールームには展示されております。身長差のあるN夫妻ですので、お二人のうちのどちらのサイズに合わせるかも話し合っていただきました。
こちらはショールームの2階にある浴槽の体験コーナーです。いくつもの浴槽が引出式になっており、それぞれにお二人に入って頂いて、半身浴が可能なスタイルやたっぷりのお湯に浸るタイプなどを実験して頂きました。
浴槽を決めた上での東京バスショールームでの3回目の打ち合わせです。浴室内に大きなベンチを設けておりましたが、本当に必要なのかをご検討して頂いたところ、椅子を中に置いた方がフレキシブルな使い方ができそうだとのことで、ベンチが不要になりました。ドイツ製の水栓類はデザインはカッコ良いが、水圧は随分減ってしまうことを再度ご説明したところ、カランは日本のTOTOの製品を採用することをご決断いただきました。その他、壁に設置する鏡の位置、床タイルと壁タイル、照明の位置や細かい金物類の配置など、未決だった部分を決めて頂くことができました。
これで最後の図面と見積りを上げて貰って、最終確認をしてからリフォーム工事の発注とタイミングを合わせて、ご契約・発注という流れになる予定です。