連休を利用して、熱海の近くにある伊豆山の蓬莱という旅館に泊って参りました。ご存知の方も多いかと思いますが、こちらは江戸時代から続く由緒ある名旅館です。若い頃、祖父母のお供で泊まったことがありましたが、今回は、奮発して妻と自腹で泊まって参りました。旅館の空間の特徴を、体験を通して理解し、何とか別荘の設計に生かせないかとの想いでした。今回の宿泊で、旅館の空間の魅力を何となくですが、体感することができました。
まずは、ゴールデンウィークの大渋滞の中を必死にドライブして着いた時のお迎え。ここからゆっくりした時間が始まる事を、旅館の静かなアプローチの中、女将さんの挨拶が合図になって教えてくれているかのようでした。そして部屋への案内。写真のような小さな庭を迂回する回廊を経ることで、期待が高まります。そしてたどり着いた部屋から広がる景色。ここまで海の近くでありながら、海を見せないでいて、最後に部屋から
切り取ったような海を見せるという心憎い演出。
別荘でここまで凝った演出は難しいかも知れませんが、建物へのアプローチや、部屋の構成、小さな演出の数々と色々と参考になることが沢山ありました。いつか、このような素敵な和風の別荘も設計してみたいものです。