すかっりスケルトン状態になった駒沢X邸の現場ですが、床のコンクリートスラブに壁位置などを書き込む墨出しが始まっていました。
キッチン回りはどこに壁が来て、その壁も壁の芯(壁の中心線)ではなくボードを張った壁の厚みまで墨出しで表現されています。
特にキッチンでは、給排水などの設備配管の立ち上げ位置も重要になってくるので、それらについても管の径や立ち上がりの高さまで、キッチン屋さんが作ってくれた資料を基に、墨出しに数値が記載されています。ここまで最初の墨出しから丁寧にやってくれていると、施工する職人さんたちも間違いなく工事を進めることができそうです。さすが青の現場と感心してしまう墨出しです!
墨出しの翌週には、天井カセット式のエアコンが吊り込まれていました。左奥の小さな窓の上、天井から灰色の箱が吊り下げられていますが、こちらがエアコンで、写真左上の梁に沿って通っている白と薄ベージュの管がエアコンの冷媒管とドレイン管になります。
リビングには2台の天カセが吊られています。無造作に吊られいるように見えますが、折り上げ天井のラインや照明器具との位置関係がシビアなので、厳密に墨出しされた位置に吊られているのです。
先ほどの設備の墨出しに沿って、給水(水色)給湯(オレンジ)管と排水管(灰色)、更には緑色の床暖房用のペアチューブが敷設されました。
排水管はきちんと排水勾配がとられていないと逆流してしまうので、どの設備屋さんも気を付けてくれます。ただ、水圧が掛かって勾配に関係のない給水給湯等はあまり気を使わないのですが、こちらではうまく元からあった床スラブの配管用ピットを使って、配管同士が交差する場所がなるべく少なくなるように調整してくれています。
こちらは公園がある北側の個室の床下です。元から壁に空いていた既存のスリーブを使って配管をベランダに設置した給湯機へとつないでいます。
こちらがスリーブを通り抜けるペアチューブです。先日、青の片岡さんが丸いチューブを使ってペアチューブが何本通るかの実験をしてくれましたが…、
それがまさに役に立ちました!
電気関係の配線も、分電盤がある南側のブロックから、居室群がある北側のブロックへと通す本数が多いので、壁に最初から空いていたスリーブを使って配線して貰っています。
大変な時間が掛かる工事を経て床下のシンダーコンクリートまで解体された浴室ですが、底の部分がボコボコと平らではないので、オーダーユニットバスの脚が来る位置だけを狙って、平らになるように足場下地を作って貰いました。
間近で見ると、このようになっています。これは青の片岡さんのアイデアでしたが、全体をモルタルで均したり、セルフレベラーを打つより、確実に安くスピーディーに作れる方法ですね。
広いお宅なので、一番奥の主寝室エリアでは、床の遮音下地を作りが始まっていました。今回は床下での音の反響がなくなるよう、吸音材としてグラスウールを敷き込んだタイプを使っています。
遮音置床下地造りは、工事が早いので、現場に来ている間にあれよあれよと床下地が造りが終わっていました。
遮音床下地は、水回りなどでピットが深く掘られた箇所でも、長足タイプで対応ができます。
遮音床下地では、際根太(キワネダ)と言われている、コンクリートの躯体と床下地が接するところを、どのように施工するかの細かいマニュアルもあるのですが、こちらはきちんと施工されていることを確認致しました。
ちょうど際根太とコンクリートが直接触れず、ゴムを挟んでいることで、室内の音がコンクリート躯体を伝わって、上下や左右の住戸に伝わらないようにしているのです。
この日は、造作家具や建具をお願いしている現代製作所との打ち合わせもあったので、盛り沢山な現場監理の一日でした…。