端正な外観と、豊な内部空間

端正な外観と、豊な内部空間

大先輩の建築家、久保田章敬さんが設計した建物、ビクトリノックス本社ビルが完成したとのことで、見学会に伺ってまいりました。西麻布の丘の上の落ち着いた住宅街の中にひっそりと建つRC造の建物でした。全体に低めに抑えたスケールの外観で、ガラスの皮膜を、白い梁が隠すような構成で、実に端正に佇んでいました。使われている素材も、白い壁とコンクリートに加え、オフィス建築では珍しい大谷石や、乱張りの鉄平石などがあることで、不思議に周囲の住宅街に馴染んでいました。

ヴィクトリノックス本社外観

内部に入ってみると、外部の端正さからは想像が付かないほど、豊な空間が展開していました。ダブルスキンの間を抜けるような、建物横の通路から玄関に至るアプローチがまず意外でした。四角が二つ重なったような平面構成で、ガラスの外にまた、建物があるようで、プランで確認すると、とてもシンプルな建物なのですが、歩いて見ると自分がどこに居るのか迷ってしまうような錯覚を受けました。

階高も微妙に変化し、鏡かと思えばガラスの壁だったりと、多様な景色が展開し、久しぶりに本物の建築を
堪能致しました。普段、住宅建築ばかりを設計しているので、あまりオフィスを見学することがありませんでしたが、とても刺激に満ちた、面白い建築を見ることができました。
設計担当の大野君は、早稲田大学芸術学校での四年前の教え子でしたが、法規や構造の問題やディテールに至るまで、あらゆる質問にもきちんと対応してくれる、頼りがいのある設計担当者に育っていました。久保田さん、大野君、素晴らしい建物の完成どうもおめでとうございます。

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2009年04月16日 端正な外観と、豊な内部空間 はコメントを受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリ: 見学記


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