Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

天井裏の設備ダクトからの消音対策@駒沢X邸

駒沢X邸

解体後、下地がつくられつつある駒沢X邸の工事現場に、お客さまと一緒に視察に行ってまいりました。

床下地が張られたマンションリノベーション工事現場

床下地のベニヤ板が張られ歩きやすくなった状態の中、天井裏に後々は隠れてしまう設備配管やダクト類をご説明いたしました。

天井裏ダクトの敷設工事

こちらはキッチンのレンジフードのダクトを設置してもらっている様子です。通常は排気の効率を良くするために、最短の距離でダクトのルート設定をするのですが、室内の音が外に漏れることと、室外の音が室内に聞こえることに、とても敏感なお客さまなので、今回はわざと排気ルートを長くして、曲がりを多くしています。

天井裏のダクト

こちらがダクトルートをわざと長くした天井裏の様子です。レンジフードからの排気ダクトとエアコン、全熱交換機(ロスナイ)が複雑に絡み合っています。

天井裏のダクト

こちらは浴室周りの天井の様子です。梁に当初から空いているスリーブ(コンクリートの貫通孔)が限られているので、事前に図面で十分に検討したうえで設備を配置してもらっていますが、うまくレイアウトが出来てホッとしました。

天井裏に入れる消音ダクト

設備ダクトから伝わる音については、曲がりや十分な距離が確保できない箇所では、このような消音ダクトを使ったり…、

天井裏の消音チャンバー

このような消音チャンバー(消音ボックス)を使っています。全て、天井のボードを張ってしまうと隠れてしまう設備類なので、このタイミングでお客さまに現地確認をして貰いたかったのです。

工事現場でのお客さま打ち合わせ

当日は、ちょうど造作家具の打ち合わせも予定しておりましたので、お客さまには専門的すぎる内容でしたが…、

現場での造作家具打ち合わせ

家具の寸法や使い方等の幾つかのポイントについてご相談させて頂きました。

床下地が張られた水回り手前の床

こちらは浴室横に設ける、ユーティリティーコーナーの床の様子です。遮音置床下地の上に、フローリングを張るためのベニヤ板が張られ、床からの給水給湯管や排水管がのぞいています。

ドルゴ通気弁

排水設備に関連したものですが、こちらはドルゴ通気弁です。古い建物等で、トイレや浴槽の水を流した時に、横にある洗面の排水管がボコボコなるのを聞いた経験がないでしょうか?これは排水の勢いで、洗面の排水管のトラップにある水が吸われてしまうことで発生する現象なのです。急な排水管内の圧力の変化に対して、このドルゴ通気弁を設けると圧力を調整することが可能となり、結果としてボコボコ音を防ぐことができるという優れモノなのです。

床下地が張られたマンションリノベーション工事現場

今回はお客さまが現場視察に来るとのことで、特別にきれいにしてくれているのだと思いますが、施工をお願いしているの現場はとにかくきれいなのが特徴です。現場監督の石坂さんは、ベニヤ下地の上に濡れたモップを掛けて、ホコリまで清掃してくれるので、工事中の現場なのにマスクをしないで長時間の打ち合わせができるのです。