港区高輪の高層マンションで、ほぼ同時に2つのリフォームプロジェクトをお手伝いいたしました。2つのプロジェクトは別々の会社がオーナーですが、ともに社長同士が知り合いで、それぞれが投資用のプロジェクトなのです。ちょうど同じタイミングでリフォームをなさりたいとのことでしたので、僕らがデザインをして、同じリフォーム会社に工事をしてもらうことになったという、不思議なご縁のプロジェクト2題なのです。
一つ目は約75平米の2LDKの住宅です。元は無難な白で纏められた空間で、癖はありませんが、どこにもフォーカルポイントとなるところがなく、家具のレイアウトも考えにくい空間でした。こちらはリフォーム後に賃貸に出す予定とのことでしたので、借りてくださる方として若い共働きのご夫婦を想定して、イメージを作ってゆきました。
窓際の逆梁があることで部屋が狭く感じられ、かつ窓も小さく見えるので、窓廻りを木目調で仕上げ直してみました。少し暗めのフレームを通して、外の景色が却って明るく見えるようになりました。
玄関も白く特徴がなかったので、既存扉にダイノックシートを張り、扉一枚分を姿見を兼ねた鏡貼りとして、右側の壁面はアクセントクロスを張ることで、シックに仕上がりました。
やはりすべては白で、とらえどころのなかったキッチンは、天井と吊戸棚の一部を灰色にすることで、コンパクトながら機能的なキッチンに見えるようにお化粧直しいたしました。
壁付け型の手洗いボールがあるだけだったトイレには、お化粧直し用の鏡とストック類を収納できるキャビネットに変更しています。これから賃貸マーケットに出されるとのことでしたが、どのような反応があるか楽しみです。