以前の別荘の玄関は、ピロティー下部にあり、そこから角度40度(!)の急勾配で二階のリビングへ入ってゆく構成となっていました。お歳を取ったお施主さま夫妻には、あまりに危険だとの事で、今回の別荘リフォームでは新しい玄関部分を増築することになりました。緩やかな外階段を上れば、小さいけれど明るい玄関ホールがあり、直接リビングへとアプローチできることになります。
因みに、建築基準法の「防火及び準防火地域外における、床面積の合計が10平方メートル以内の増築は、確認申請が不要である」
という法規を利用して、この玄関部分は申請なしで増築しています。
ちょうどこの玄関部分は、木製サッシの引き込み部分と重なっており、さらに、既存の屋根が一番落ちてきている箇所であり、色々なカラミがあります。既存のモルタル壁、増築部分の板金、そして木製サッシの枠が複雑に交差するので、その入念な打合せを行いました。半分まで野地板を張って、手が届く範囲まで板金を施工し、その後残りの野地板と板金を工事するという、二段階のプロセスで、何とか難しい箇所をクリアできそうです。
空間の骨格がようやく固まってきたことで、光や空気の気持ちよい流れが見えてきた気が致します。