先行組み立ての家具(大理石や設備との取り合いで、他の家具より先に取り付けておく必要がある家具)も含めるとすでに造作家具の組み立てに入ってから2週間ほどになりますが、改めて港区R邸の造作家具の組み立ての様子をご紹介いたします。
先回のブログで組み立てが始まっていた廊下からリビングダイニングへと入る鋼製建具の左右の飾り棚が取り付きました。ブルーの養生シートが間に挟まって見難いですが、建具の割り付けと飾り棚の割り付けを合わせてデザイン致しましたが、うまく取り付けができたようです。鏡面仕上げの飾り棚ですが、組み立てた後現場でバフを掛けて、更に磨き込んでゆくとのことでした。
飾り棚の裏側のキッチンもアムスタイルのキッチン組み立ては無事完了していました。ただ、ビルトインオーブンの入ったトール収納とIHヒーターが入るカウンターの隙間を埋める2方フレームだけは別の造作工事でお願いしており、その取付をニシザキ工芸さんが頑張ってくれていました。
トール収納とその右側に続く吊戸棚の横と上に端部をテーパー処理した鏡面塗装の役物を差し込んでもらうというものです。
出来上がりの様子ですが、あまりにきれいにフレームが入って一体化して、どこをどう加工したのかブログでは判りにくくなってしまいました…。
こちらが2方フレームの端部のディテールです。
キッチンと造作家具の組み合わせのもう一つが、こちらのペニンシュラ型(半島型)カウンターです。手前の艶消しの黒いカウンターセットはオーダーキッチンでお願いして、奥の一段上がった御影石のカウンターは造作家具屋に下の箱を組んで貰い、その上は石屋さんにカウンター石材を据え付けて貰いました。こちらも複数の職人さんの手が入っていますが、うまく一体化させることができたようです。
こちらはマイナーなディテールですが、タイル壁にコンセントをフラットに埋め込むことができるか現場に確認していたのですが、多少タイルの余裕があるので、チャレンジしてみますとのことでしたが、このようにきれいにタイルをカットしてコンセントプレートを埋め込んでくれました!周りの隙間をコーキングでシールすれば相当きれいに見えるハズです。
リビングの一つの見せ場である、テレビ壁部分はポルトロの造作とその裏から伸びている木製ルーバーが合体し、間接照明もきれいに入っていることを確認させて貰いました。
テレビ壁の右奥にあるAV収納の内部です。照明器具のトランス、照明調光のルートロンやホームオートメーションのクレストロンに関係した制御装置などがほぼ隙間なく置かれていました。排熱のための給気と排気処理だけしたうえで、ここはお客さまが触る箇所ではないので、点検口で閉じてしまう予定です。
ダイニング天井のカラーガラス張りの点検口を兼ねたパネルもうまく収まっていました。
先日のブログで箱だけが作られていたオニキス(光を透過する大理石)用の背面照明ボックスにはLEDのライン照明が11本入っていました。オニキスとLED照明の隙間の寸法と、LEDの間隔については、何度も実験を重ねて導き出した寸法通りに設置されています。
玄関ホールの壁も仕上がってきました。黒く塗装した木製フレーム内の加工大理石サルバトーリもコーティング材が塗布され、フレームと一体化してシックに仕上がってきました。
玄関入って正面のマテラック(マット仕様のカラーガラス)と真鍮の目地材で作った壁と扉も不思議な存在感となっています。ちょうど中央部の扉を開けるとシューズインクローゼット(SIC)があるのですが、パッと見にはその存在をうまく隠すことができました。
因みにこちらが、そのSICの内部です。左手前が傘収納で、その他は靴用の棚で、全ての棚が可動となっています。
廊下の壁面収納も箱の据え付けが終わっていました。建具と収納家具の扉を同じ面材を使って仕上げてゆく予定で、出来上がると壁一面フラットに仕上がってくることになります。
主寝室の書斎コーナーの机と鉄で作って貰った特注の飾り棚も取り付けが終わっています。机の正面には、リビングのテレビボード壁に使った高級大理石のポルトロの残り部分を活用しています。
ベッドの反対側の壁のテレビボード壁も出来上がりつつあります。中央の黒い部分にテレビを収め、左右には真鍮の金属パネルを入れています。
ウォークインクローゼットのリマデシオのガラス建具も無事収まりました。まだ設計が煮詰まっていない段階で、スケジュールの関係上先行発注したものでしたが、寸法のズレもなくきちんと収まっていました。
金属メッシュ入りのガラスを使っているので、外側(ベッドがある側)から見ると、WIC内部照明を点灯しないとちょっと見えにくい状態ですが、クローゼット内部に入ると、外からの光が差し込んで明るい空間になっています。
これまでほとんど紹介していなかった息子さんの部屋ですが、勉強コーナーの造作家具が入ってきました。ウォールナット材とカラーガラスを使って、コンパクトながら収納量と使い勝手を両立したデザインをと考えた部分です。
洗面所のダブルボウルのカウンターもピッタリサイズで収まっていました。メディスンキャビネットなしで引き出し収納だけでなるべく効率的にドライヤーや洗顔材などを収めたいとのことで、引き出しの中も工夫をしております。
来客用トイレもレザーパネルと背面からの間接照明を仕込む鏡以外、ほぼ仕上がって参りました。ジャクソンのブラウン色のトイレ便器がマッチするリッチなインテリアになってきました。
写真では目地棒の色がわかりにくいのですが、玄関ホールでは真鍮の目地棒とマテラック(マット仕上げのカラーガラス)を組み合わせており、こちらのトイレではステンレス鏡面の目地棒とマテラックを組み合わせてみました。どちらも不思議な奥行と色合いが生まれて、とてもきれいです。
こちらは最後の写真となりますが、光を透過するオニキス材の取付が迫ってきたので、その施工業者が現場に打ち合わせに来てくれました。現場監督の織田さんと営業&設計の坂本さんと綿密な段取り打合せをしてくれました。