Blog建築家が考える
プレミアムリフォーム・リノベーション

Architects think of Premium Reform & Renovation

高級マンションリフォーム・リノベーションの設計とデザインについて。
そのプロセスとノウハウを余すところなく公開しています。

古い扉&枠を補修して再取付け@駒沢X邸

駒沢X邸

ヴィンテージマンションリノベーションの駒沢X邸では、当初から厚みがあって無垢材を使っている建具(扉)と枠は、リフォーム後も使いたいとのお客さまからのご要望があったので、ほぼ全て補修したうえで再利用することになっています。

古い建具と枠を塗装して再取付け

こちらのリビングに面しては、写真右側に写っているのが玄関ホールからの一番格式のある重厚な扉枠、そして正面にあるのがプライベートゾーンへと繋がるもう一つの扉枠となっています。

古い建具と枠を塗装して再取付け

重厚な扉枠の右側の枠はキッチンへの引き戸枠となっています。写真手前左側に写っているのは、きれいに梱包されて現場に戻ってきた古い建具枠です。

古い建具と枠を塗装して再取付け

梱包が解かれると、このような形になっています。通常の扉枠は、両脇の壁と天井に接する三方が枠になるので、三方枠(サンポウワク)と呼ばれるものですが、運ぶ際中は抜けた底面部分にも板を留めて、グラつかないようにして運ばれます。

古い建具と枠を塗装して再取付け

左手に見えているのが、新たに取り付け中の玄関ホールからリビングの枠です。

古い建具と枠を塗装して再取付け

こちらの枠は、先日来説明している防音にも絡む場所に取り付けられるので、特殊な造りに改造して、両脇に防音ガラスを取り付ける仕様となっています。

古い建具と枠を塗装して再取付け

防音ガラスについては、割れてしまった時のガラス交換のことを考える必要があるので、上下にまた別の枠を取り付けて、押縁(オチブチ)で抑える造りとしています。

古い建具と枠を塗装して再取付け

枠の下部分も、このように事前に仕込んでおいたL字アングル金物で床に固定した後…、

古い建具と枠を塗装して再取付け

このような下枠を取り付けてゆきます。

古い建具と枠を塗装して再取付け

ほぼ取付けが終わった建具枠ですが、最後まで レザー測量機で直角がキチンとでてズレがないかを確認しながらの慎重な取り付けになります。

建具枠取付け

引き戸については、もともとのお宅に引き戸がなかったので、枠は色を既存の枠に合わせて作って貰っています。こちらは納戸の扉ですが、壁内に引き戸を引き込むスタイルなので、引き込み戸用の「一本引き枠」となっています。

木製軸組壁下地

奥のプライベートゾーンは、枠の取り付け前の木製下地状態となっていました。建具の枠の取り付けが終わると、すぐに壁ボード張りが進められるので、壁下地用の石膏ボードも大量に現場に搬入されていました。

建具枠スケッチ

今回は沢山の枠を取り外して、シャッフルしながら色々な場所で再活用しているので、何度も指示書やスケッチを描いて、間違いがないように現場側と確認しながら進めてゆきました。

シャワールームの扉設置

同じ枠でも、こちらは鋼製の枠が取り付けられた、シャワーブースの新規ステンレス鏡面枠です。