乃木坂U邸では、クラシカルな装飾要素をふんだんに取り込みながら、モダンな家具や照明などを取り入れるインテリアデザインを考えています。
まだ塗装前の段階の石膏ボードに、各種モールディング材が取り付けられています。一般にモールディングというと、クラシカルスタイルの壁面装飾材を指しますが、そのうち特に壁や天井などを四角く切り取った形の装飾はパネリングと言います。この写真の正面壁が6つの四角に分かれていますが、それがパネリングとなります。
パネリングというと、パネル状の板を張り付けたようなイメージですが、壁面装飾に於いては、この写真のような細身のモールディング材をトメ加工で四角く組んだものをパネリングと総称します。
こちらは後日、塗装されたパネリングの様子です。
パネリングのデザインは玄関ホールでも…、
廊下でも展開しています。
同じ廊下のパネリングを寝室側から見ると、逆光で装飾の陰影がはっきりと現れて、より印象的にみえますね。実はこの陰影がモールディングやパネリングの重要な鍵で、フラットな壁をどのように割るか、そのプロポーションと選ぶ材料で陰影の度合いが変わってくるのです。
今回、乃木坂U邸で入れているモールディング材と巾木材はこのようなものを使っています。
最初の写真のパネル壁を縁取る三方枠にも、
このような枠を廻して、フレームのように見せています。そのフレームの中に引き戸の吊レールを入れたり、
照明のスイッチプレートなどを埋め込んでいます。
洗面廊下の中央の柱型にもパネリング装飾を設けて、その中央に壁付けブラケット照明をつけています。上部を見ると、ここにもフレーム上に装飾モールディング部材を廻しています。
まだ取り付けられていませんが、床と壁の取り合いになる巾木にも高さある木製ベースボードを採用しています。
他では装飾性の高い巾木を使っていますが、こちらはすぐ隣に造作キッチン棚が入ってくるのでモダンなフラット巾木としています(こちらは後日の写真です)。
他のカ所ではこのような装飾性の高い巾木を使って…、
横タイプの家具用コンセントを巾木に埋め込んだりもしていますが、木製巾木材だからこそできる技となります。
モールディング材と言えば、日本ではみはし株式会社がもっとも有名ですね。今は無料でサンプル請求できるようになりましたが、以前は有料でしかも限度があったので…、
青山のショールームに毎回伺っていました。こちらでは実物サンプルを見ながら気になったカットサンプルを持ち帰ることができたので、とても貴重な存在でした。
ショールームの展示自体はちょっとシャビーなイメージですが、
奥の引き出しには、お宝のモールディング材のサンプルがふんだんにあり、好きなだけ持って帰ることができるのです!やはりカタログを見ながら選ぶのと、実物サンプルを見ながら選ぶのでは、イメージの固め方が全く変わってくるのです。
そうやって集めたものがこちらです。因みにこれらはアユース材という柔らかいラワンのような木材ですが、他にも発泡スチロールや石膏のモールディング材もありますが、コーナーの加工などがしやすい木製材をいつもつかっています。
もう1社、こちらのショーエイさんのモールディング材も良く使っています。みはしと似たようなものもあるのですが、違ったデザインのものも沢山あり、何より、この箱入りセットが積み木のようで楽しいのです。
他にも、以下の会社、メーカー、ブランドでもモールディング材を扱っています。
・トミタ
・ナガイ
・サンタ通商(PDF)
・アドヴァン(PDF)
・TSC
・ハウディー
・ファルコサッソ
・立共インターナショナル
・ビーウェスト
・RドットS
この日の現場はキッチンの下地部分が出来ていたので、担当の竹田さんと確認させて頂きました。
ヘリンボーン張りにするリビングダイニングの床フローリング材も現場に届いていたので、ひと箱だけ開梱して貰い、樹種と色味が指定通りかを確認させて貰いました。
因みに、窓際に置かれていた不思議な箱は、床埋め込みの造作コンセントボックスです。
玄関の上がり框です。フローリングと色味を合わせたオーク無垢材で作った框が取り付けられてました。
先回、一人で現場を見て来てくれた竹田さんが、気になっていたのが、玄関ホールから見たマントルピース横の造作書棚の奥行きのことでした…。入り口から見ると当初の設計では奥行きがあり過ぎて圧迫感があるのではとのことで、どのくらいの寸法なのかを現地で確認致しました。赤のガイドラインは後から写真に書き込んだものですが、確かに右側の寸法では大きすぎるようですので、お客さまにもご説明の上、左側の寸法に変更することと致しました。